大河ドラマ出演で注目度急上昇。「スーパーサイズ・ミー」西本たけるが目指すゴールとは

2022.11.11

大河ドラマ出演で注目度急上昇。「スーパーサイズ・ミー」西本たけるが目指すゴールとは
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NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」出演で一気に知名度が上がったのがお笑いトリオ「スーパーサイズ・ミー」の西本たけるさん(31)です。端正なルックスに加え、インスタグラムやTikTokでのネタ「私服のセンスが中2で止まってる彼氏」シリーズも話題になっています。多角的に注目が集まっていますが、目指すゴールとは。



―大河ドラマに出演することになったきっかけは?

2020年10月からインスタグラムに“あるある”ネタの動画をほぼ毎日アップしてまして、それを「鎌倉殿の13人」の脚本を担当されている三谷幸喜さんが見てくださったようでして。

その動画をきっかけに吉本興業にオファーをいただいて、出演することになったという流れなんです。

ただ、まぁ、自分でもビックリしました。まさか、まさかの流れですし、僕みたいな若手芸人のSNSも意識の中に置いてくださっているというアンテナの高さみたいなことにも驚きましたし。僕が三谷さんのことを誉めるというのもナニなんですけど(笑)。

―現場の雰囲気はどうでした?

全てが普段とは違うというか、僕にとっては非日常でした。

そして、僕の中で意外だったのが現場の空気がものすごく柔らかいんです。勝手なイメージですけど、大河だし、大きな場だし、もっとピリピリしていると思っていたんです。でも、実際には時には笑いが起きるような本当に穏やかな中で作られていて、みんなで一緒に良いものを作っていこうねという空気に満ち溢れていた。これも驚きでした。

あと、主演の小栗旬さんにご挨拶させてもらった時も「すごいよね!三谷さんがネタを見てたんだよね」とすごく気さくに話をしていただきまして。スタッフさんも含め、不慣れな僕に皆さんが寄り添ってくださる日々で、ただただありがたかったですね。

―普段とは違う“土俵”にあがったことで鍛えられた部分はありますか?

お芝居の現場って戦いの要素がないというか、みんなで一つのものを作り上げる要素が本当に強いなと感じたんです。

もちろん、その場にたどり着くまでの戦いはあるんでしょうけど、集まったらみんなで力を合わせて作品のクオリティーを上げる。

それを目の当たりにして、普段のお笑いの仕事でも意識が変わった部分があると感じています。イベントで何組かの芸人でトークをするような場でも「今日はこの後輩の調子が良いな」と思ったら、その後輩を軸にした流れを考える。結果、そのイベントが盛り上がるし、空気も良いものになるから普段以上にみんなの力も出るかもしれない。こういう発想が出るようになったのは、大河のお仕事をさせてもらったからかなと。
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―反響も大きいでしょうね。

それは、もう、ものすごかったです。単に若手芸人が大河に出るというだけでも大きなことだったんですけど、三谷さんがSNSを見て抜擢してくださったという流れも加わり、本当にたくさんのお声をいただきました。

そもそもの話というか、僕は美術大学出身なんですけど、芸人の道に進んだ一つの理由がこの“反響”でもあったんです。

先輩や周りの同級生たちのほとんどはデザイナーや何かを作る仕事に就いているんですけど、僕の中で何か作品を作ってそれへの評価をいただくというのは間接的なものだという感覚があったんです。

例えば、自分がデザインしたものが商品にプリントされてコンビニに並ぶ。それを見た人が「オシャレなパッケージだな」と思って手に取ってくれる。それはうれしいことだけど、僕自身が直接的には味わえない評価といいますか。

今になって思うと、その評価の意味ももちろんすごいことですし、その道に進んだ同級生に聞くと、結局そういった評価も自分のところに届いてくるもんだよとも言われるんですけど、大学生の頃の自分は直接評価がもらえる仕事にすごく魅力を感じて、芸人の世界に飛び込んだんです。

そういった意味で言うと、今回のお仕事はそれの極みというか、本当にありがたい場だったと思っています。

―それこそ大きな評価が直接来たでしょうからね。今後、目指す方向は?

幹としてトリオの活動があるわけですし、3人で売れたいと思っているので、まずは「キングオブコント」優勝。ここは何としても手にしたいものだと考えています。

あと、これは芸人仲間に言うと、みんなから笑われもするんですけど、僕の夢が「朝の情報番組の司会者」なんです。

大学の時にストリートダンスもやってまして、そのイベントでダンスプラス司会をやったりもしていたんです。それが非常に楽しくて、将来、こういったことでお金がもらえたら最高だなと感じまして。

だったら、こういう司会の仕事の最高峰は何なんだろうなと考えた時に出てきたのが「朝の情報番組の司会者」だったんです。

毎朝「おはようございます!」と言って皆さんにその日のスタートを切ってもらう。それができたら最高だなと。

ただ、あそこって本当にすごい仕事ではあるんですけど、そこを目指すというよりも、芸人として走り続けていく中でいつの間にか立っている場所だよとはよく言われます(笑)。

最初からあそこを目指して走っているというのはかなりレアケースだとも思いますけど(笑)、少しでも目標に近づけるよう積み重ねをしていきたいと思っています。


■西本たける(にしもと・たける)
1991年1月15日生まれ、神奈川県出身。NSC東京校19期。吉本興業所属。コンビ解散後、黒田大樹、岡田直也とのトリオ「スーパーサイズ・ミー」として活動。NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」で小栗旬演じる北条義時の息子で、坂口健太郎演じる北条泰時の弟・北条朝時演じている。


執筆者プロフィール
中西 正男(なかにし まさお)

1974年生まれ。大阪府枚方市出身。立命館大学卒業後、デイリースポーツ社に入社。芸能担当となり、お笑い、宝塚などを大阪を拠点に取材。桂米朝師匠に、スポーツ新聞の記者として異例のインタビューを行い、話題に。2012年9月に同社を退社後、株式会社KOZOクリエイターズに所属し、テレビ・ラジオなどにも活動の幅を広げる。現在、朝日放送テレビ「おはよう朝日です」、読売テレビ・中京テレビ「上沼・高田のクギズケ!」などにレギュラー出演。また、Yahoo!、朝日新聞、AERA.dotなどで連載中。
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