「NEXT芸人大賞」優勝の「cacao」が見すえる今後

2023.05.10

「NEXT芸人大賞」優勝の「cacao」が見すえる今後
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関西の若手を対象にした賞レース「NEXT芸人大賞」で優勝、読売テレビ「あさパラS」のコーナー「ブレイク芸人を探せ!2022」でも優勝するなど着実に実績を重ねているお笑いトリオ「cacao」。浦田スタークさん(24)、たっぺいさん(26)、高橋さん(26)の3人が個性を生かしたコントを武器に存在感を見せています。期待のホープが見すえる展望とは。

―最初から3人でやっていたのではないんですよね?
浦田:もともとはたっぺいと高橋がコンビとして活動していて、1年くらいやっていて、そこに僕が入って3人になったという流れでスタートしました。

たっぺい:高橋とやっていたものの、なかなか結果も出ない。どうしようかなと思っていた時に縁が巡ってきたという感じですかね。


―交流は
浦田:ほとんどなかったんですけど、もともとコンビだった僕も解散してピンになって。ノリでたっぺいから「ウチに入ってや」と言われたりもしていたんですけど、それはあくまでもノリの領域で。

ただ、それが2カ月ほど続いたころに、喫茶店でたっぺいから言われて入ることになりました。

ちょうどというか、同期でコントをしている人が僕の前のコンビと、ここのコンビ。そして「ハイツ友の会」くらいだったんです。

コントをするなら、ここ。しかも、当時3人のコントが大阪にはいなかったので、戦略的に考えても悪い策ではないと思って組むことになりました。
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(左から)たっぺいさん(26)浦田スタークさん(24)高橋さん(26)
―実際に組んでいかがでしたか?
浦田:これも、めぐり合わせと言うか、僕らが組んですぐに新型コロナ禍で劇場出番がなくなったんです。出るところがないので、否応なしに準備というかネタ作りをすることになる。

トリオを組んですぐに舞台に出るならば、ネタもないし、恐らくどこかで行き詰まっていたと思うんですけど、誰も予想もしなかった形で準備期間ができた。すぐ“試合”に出るのではなく“練習”ができた。もちろん、コロナ禍は大変なことなんですけど、僕たちにとってはマイナスばかりではなかったのかもしれません。

高橋:僕はここ(浦田)のコンビは面白いと思っていたので、純粋にうれしいというか「これはアツい」と思いました。

浦田:純粋に高橋は直前まで知らず、入る段階になって、なぜ僕がそこに居るんやろうと思ったみたいでして。ただ、結果的に「アツい」となったようです(笑)。

高橋:でも、実際に組んでみてさらに良かったというか、こんなに面白いとは思ってなかったというか。ネタ以外のトークや人間性でもここまで面白いとは思ってませんでした。良い意味で想像を裏切られたというか。

浦田:それこそ「アツい」ですね(笑)。うれしいことです。

―3人それぞれ、どんな役割で?
浦田:今の取材でもそうですけど、僕は普段からメチャクチャしゃべってます。イベントなどでもトークの場面で「どう?『çacao』は?」振られたら、まず自分がしゃべらないといけないと思って話し出すようにしています。

僕は基本的にツッコミなんで、本当は二人が何かしらボケてくれて、そこに対して処理というかツッコミを入れる感じでできたら良いのかなとも思っているんですけど、二人があまりしゃべらないので(笑)、とにかく僕がしゃべらざるをえないなと。

たっぺい:別にポリシーを持って「全くしゃべりません!」みたいなことはもちろんないんですけど(笑)、自分がしゃべりたいことがあったらしゃべる。基本スタンスがそんな感じなので、浦田が頑張ってくれていることになっているのかもしれません(笑)。


―今後目指すべきものは?
浦田:本当にね、三者三様というか、それぞれ色が全く違うんですけど、少なくとも僕はいわゆる“売れる”というか、テレビにたくさん出て、自分らの番組を持ってということができたらなと思っています。

たっぺい:僕の場合は、ネタを作って舞台で披露するということがやりたくて芸人をしているので、まずはそこを全うする。その延長線上に賞レースがあって、例えば「キングオブコント」などで結果が出せれば、もっと舞台を見てもらう機会も増えるだろう。そんな方向性のことを考えています。

高橋:これがね、僕は、本当に「これだ!」というものがなくて…(笑)。お願いされたら、どんなことでも、なんでもやります。

浦田:こういう話をしても、みんなが「これ」とはならないんですよね(笑)。でも、それが今の段階の僕らの武器だとも思いますし、ここからさらに「これが僕らの武器」と言えるものをさらに作っていけるよう積み重ねをしていけたらなと思っています。



■cacao(かかお)
1998年10月24日生まれの浦田スターク、96年8月11日生まれのたっぺい、96年11月26日生まれの高橋のトリオ。3人とも大阪府出身。NSC大阪校の同期(41期生)として出会い、たっぺいと高橋のコンビに浦田が加わる形で「cacao」を結成する。4月に行われた「NEXT芸人大賞」で優勝。5月27日にはイベント「みゅ~じっく」(大阪・道頓堀ZAZA HOUSE)に出演する。


執筆者プロフィール
中西 正男(なかにし まさお)

1974年生まれ。大阪府枚方市出身。立命館大学卒業後、デイリースポーツ社に入社。芸能担当となり、お笑い、宝塚などを大阪を拠点に取材。桂米朝師匠に、スポーツ新聞の記者として異例のインタビューを行い、話題に。2012年9月に同社を退社後、株式会社KOZOクリエイターズに所属し、テレビ・ラジオなどにも活動の幅を広げる。現在、朝日放送テレビ「おはよう朝日です」、読売テレビ・中京テレビ「上沼・高田のクギズケ!」などにレギュラー出演。また、Yahoo!、朝日新聞、AERA.dotなどで連載中。
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