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小林製薬がユニークな商品名とわかりやすいCMをつくり続けるワケとは?

2018.02.09

「妙にインパクトがある」「どんな意図でつくったのか謎だ」そんなテレビCMの気になる部分に迫る『読みテレ』編集部。今回は、「サワデー」や「ブルーレット」をはじめ、「熱さまシート」「トイレその後に」「消臭元」「アイボン」「のどぬ~る」「ケシミン」「ナイシトール」「オシリア軟膏」「サカムケア」などなど、ネーミングセンス抜群の商品を次々と生み出す小林製薬のCMにスポットを当ててみたい。

小林製薬のテレビCMと言えば、その特徴はとにかくわかりやすいことだろう。商品名を聞いただけでもどんな商品なのか何となくわかる上に、「どんな時に」「どう使うと」「どんな効果が期待できるのか」まできっちり伝えている。「そんなのはCMなんだから当たり前だろう」と思うかもしれないが、じつはこういうCMは多くない。何しろテレビCMは15秒の勝負。商品そのものを説明するより、商品の持つイメージを伝えることに重きを置くことになりがちなのだ。

これは同社に確固たるCMづくりのポリシーがあるに違いない。というわけで話を聞いてみることに。どうしてわかりやすいCMばかりつくるのか?

「当社が開発・販売をしている製品は、それまで市場になかったニッチな製品がほとんど。お客様ですら気づいていない“あったらいいな”をカタチにしてご提案できるよう努めています。そのため、わかりやすくないと、どんな製品か伝わらず、お客様の目にも止めていただけません。ですから、当社のテレビCMはわかりやすいことが第一。それだけでなく、ネーミング、パッケージ、新聞広告などもすべてわかりやすいことにこだわっています」(小林製薬・広報総務部の鄭利花さん)

例えば、「ブレスパルファルム」のテレビCM「お口の香水登場篇」では、商品で口をすすいだ女優の岡本玲さんがハァ~っと息を吐くと、口からピンクの花びらがハラハラと舞い散る。うん、わかりやすい(笑)。

では、聞いただけで小林製薬の商品だとわかる、ユニークな商品名はどう決まるのだろう。

「基本的にはマーケティング部のそれぞれの製品の開発担当者が中心となり、チーム全員で考えています。ネーミング会議ではダジャレみたいなものから、『なんだそれ(笑)』というものまで、大きなホワイトボードにびっしり、時には100以上の候補が並びます。開発担当者はその中から候補をいくつか絞って社長のところへ。最終的には社長の決裁を経て決定します」(鄭さん)

ということは最終的には、社長のセンスがいいということなのかも。しかし、ニッチな商品をわかりやすく伝えるには様々な苦労もつきまとうようだ。

「『糸ようじ』を発売した当時、日本では歯間清掃具が浸透していませんでした。そこでその必要性と製品の特性を伝えるため、歯の間から食べかすが出てくるテレビCMの放送を始めたのです。ところが、これが『汚い』『不快』『食事時にCMを流すな』といった多数のお叱りをいただいて、CMを自粛することに。しかし、歯の健康を保つことがお客様の身体全体の健康につがるはずだと信じ、“歯間みがき”を訴求し続けた結果、多くの人々の生活に浸透し、おかげさまで昨年30周年を迎えることができました」(鄭さん)

「『糸ようじ』ってそのままじゃん!」と思うかもしれないが、これも多数の候補から選ばれたもの。これからも今までになかったアッと驚くような新商品とユニークな商品名で我々の生活を豊かにしてくれそうだ。

【文:井出 尚志】
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