【宮城県】仙台のお店に飾られる謎のおじさん「仙台四郎」って、それ誰?

2022.01.31

【宮城県】仙台のお店に飾られる謎のおじさん「仙台四郎」って、それ誰?
©ytv
「仙台のお店には謎のおじさんが飾られている」との情報を得たのだが、おじさんの前にこの情報自体が謎だ。「おじさんが飾られている」とはどういう状態だ?「仙台のお店には」ということは、あちこちの店にそのおじさんが出没するのだろうか?

わからないまま仙台で街の女子たちに聞いてみた。一斉に「あー!」と強く反応し「いる!」と答える。え?いるの?やっぱりあちこちの店におじさんがいるの?「普通にどの店にもいる」「いない店もある」「古いお店にいる」。

どんな見た目かも聞くと「鏡餅みたいな」と言うので「は?」ってなった。「頭がみかんで体がお餅」ええー?
©ytv
ただ「仙台ゆかりの食材を使った店にはあると思います。仙台のおじさんなんで」どうやら由緒あるお店の方が飾られてそうなので、仙台名物・牛タン屋に行ってみた。

店主の本物のおじさんが「ありますよ」と指し示した先を見ると、まさに額に飾られた写真に、謎のおじさんが写っている!しかもかなり古い写真のようだ。丸い頭で小太り、確かに鏡餅みたいだ。これはお店の創業者?と思ったが「全然違います」と全否定。
©ytv
他の店でも探して回ると、花屋さんの店先に同じおじさんの写真が!練物屋さんには、写真ではなくタペストリーになったおじさん!魚屋さんには額縁入りの写真でおじさんが!バーの棚にもあのおじさん!食堂にはおじさんの写真と共に、置物タイプのおじさんがいる!
©ytv
しかも、写真のおじさんは大事なところが見えちゃってる?ヤバい!商店街の副理事長さんが言うには「これが普通。合成して見えなくしている写真もありますが」本来は“見えてる”ものらしい。なんで出てるんですか?と聞くと「たまたま出たんじゃないですか、タマタマだけに(笑)」ダメ!下ネタは!

そこいらじゅうのお店にいるこのおじさん、いったい誰なのか?最初の牛タン屋の店主さんが教えてくれた。「実在の人物なんです。仙台四郎」せ、仙台四郎?なんだそりゃ?「商売の神様と言われている人なんです。商売繁盛のために飾ります」ちっとも裕福そうじゃないこのおじさんが、商売繁盛?

この仙台四郎は江戸末期から明治中期まで実在した人物で、彼が訪れた店は大繁盛したという。仙台では商売繁盛を願って、写真タイプだけでなく置物タイプなどのバリエーションもありつつ、招き猫のように様々なお店に飾られているのだ。
©ytv
ただ、若い人もよく知っているのは不思議ではないか。実は宮城の放送局では、この仙台四郎のイラストを使ったCMが放送されているのだ。みんな「しろうしろう、ボクせんだいしろう」と歌えるほどCMソングを覚えており、これを通じて仙台四郎を知るらしい。

さらに、仙台四郎の形をしたパンを売る店もある。中にあんこではなくずんだが入っていた。また風情ある居酒屋のカウンターの奥には等身大の仙台四郎が置かれている、というよりいる!仙台四郎の横で食事をする女性たちは楽しそうだ。
©ytv
仙台には何度か行ったが、気づかなかったなあ仙台四郎。今度行く時は、謎のおじさんがいるお店を巡ってみようか。そうか、だから商売繁盛をもたらすのかな?

【文:境 治】
この記事を共有する

新着記事

新着記事一覧へ

アクセスランキング