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【連載】ここがオモロイ!「秘密のケンミンSHOW」

海のパイナップル?こいつは一体何者か?本場で食べたらホヤはそんなにおいしいの?!

2021.09.07

境治
海のパイナップル?こいつは一体何者か?本場で食べたらホヤはそんなにおいしいの?!
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ホヤについて、何かを語れる人は関東以西では少ないだろう。もちろん知ってはいる。あの得体の知れないふにゃふにゃした海産物。居酒屋のメニューでも見かけるが、東京でホヤについて聞いても「所望しない」と冷ややかに言われてしまう。実際にホヤをさばく様子を見ても、何か異星から来た未知の生命体を解剖しているような感覚になってしまう。それくらいホヤのことを私たちはよく知らない。

だがホヤの漁獲高日本一の宮城県へ行くとまったく状況が変わる。楽天球場のそばを歩いていた、宮城県民なのになぜかドラゴンズファンの不思議な夫婦に聞くと「普通に食べますよ」とこともなげに言う。他所で食べるのと宮城県で食べるのと違うものかと聞くと「全然違います。新鮮だとクサみないですよ。」そうなのか、ホヤは鮮度が大事なのか。「ピュッピュッ潮を吹いてるのをさばいてペロッと食べるのが一番うまい!」って、ピュッピュッ潮吹いてる時点で怖いんですけど。

子ども連れでくつろぐおしゃれママおふたりは「週一で食べる」と言う。宮城に来てホヤ食べないで帰ったら?と聞くと「食べて帰んねぇのかよ!」とキャラに合わない荒々しい口調で怒っている。草むしりの休憩中の人生のベテラン方にホヤを何個くらい食べたか聞くと「勘定して食べるもんじゃねえべ!」と数えようがないほど食べたと主張。「生まれた時もほぎゃー!じゃなくホヤー!って生まれたんだ。」と、あからさまに話を盛ってきた。まあ、それほどまでに宮城県民はホヤを食べるのだとうけとめよう。
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確かに仙台市のスーパーに行くと、新鮮なお魚が並ぶ反対のカゴには殻付きのホヤが大量に積まれている。秋に柿が積まれるようにホヤが不気味に並んでいるではないか。ホヤの養殖が盛んな石巻湾に朝行くと、ホヤ漁の真っ最中!まるで畑で作物が獲れたようにホヤの塊がいくつも水揚げされていた!海水をピュッピュッと吹きながらどんどん船に積まれていく。漁師さんが言うには「赤ちゃんの頃はおたまじゃくしのように泳ぐんです。」植物のように動かないホヤが泳ぐの?そのおたまじゃくしが牡蠣の殻に付着すると数ヶ月で小さなホヤになるそうだ。知らなかった、ホヤにも幼い頃があるのね。
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宮城県で食べるホヤは、他県で食べるのとちがうのか、仙台市場で魚のプロに聞いてみた。「ホヤはとにかく新鮮なものがいいです。水揚げされた時点で海水も体内に入ったまんまやってきます。中の海水は時間が経つほど劣化します。それがエグみや嫌な臭いに変わるのです。」
なるほどー!海水が劣化するからホヤは宮城県で食べるに限るというわけだ。我々がホヤに馴染みが薄いのも、本場から遠いせいかもしれない。
「一番のポイントは、夜を越さない。確実にその日のうちに売り切って食べてもらうのが大前提ですね。」実際、データによるとホヤを常温で放置すると、水揚げから7時間で臭気成分が急増しはじめるという。うーむ、なかなかデリケートな食材なのだな。

宮城県のお宅にお邪魔して、ホヤの調理を見せてもらった。殻を切って中の身を取り出し、ホヤから出た汁で洗う。一口サイズに切ったら大皿に盛り付けてテーブルへ。あれ?それだけ?それを待ってたお父さん、醤油も何もつけずにそのまま口へ。ほんとに生なのね。
「うめー!」と叫びながら日本酒飲んでおいしそう。
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次に「蒸しホヤだよー」と出てきたのは、蒸したホヤ。これもそのまま食べてる。
「エビよりぷりぷり!そして甘い」
そう言われると得体が知れなかったホヤがおいしそうに思えてきた。
35才のわりにチャラめなお兄さんは「東京の居酒屋でも食べたけどクサい!鮮度ですよ鮮度!」と強調。「こっちで食べるホヤはクサみなんかない、ただただ甘い!」
ふーん、俄然食べたくなってきたぞホヤ。でも東京で食べてもダメなんだな。

やっぱりホヤを食べるなら本場が一番!落ち着いたら、みんなで宮城に行って新鮮なホヤを食べようぜ!

【文:境 治】
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