【宮城県】わかめのしゃぶしゃぶ?他県のワカメと全然違う、三陸わかめ!

2024.03.15

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わかめは最近、美肌にいいらしいと注目され「藻活」という言葉が飛び交ったりしている。中でも宮城県のわかめは「三陸わかめ」と呼ばれて県民は日常的に食しているという。だが東京でもスーパーで手軽に買えるわかめ。何か違うのだろうか。

さっそく石巻市に行って聞くと「東京と、香りと歯応えが全然違います!」と力を込めていう。「別物だと思った方がいい」え?そこまで違いますか?

今度は女川町で神奈川県民のお友達といた宮城県民に聞くと「三陸わかめはかまないと喉につまる」と言う。わかめが喉につまる?「これからの季節、春がわかめの旬です」と聞いた神奈川県民は「わかめは一年中あるのでは?」と戸惑っている。「一年中あるけど、寒い時期に収穫してそれが1年間流通するの」と教える宮城県民。そうだったのかあ。

わかめは脇役ですよね、と思うのだが別の宮城県民は「わかめと地酒でパラダイス!」と力説。わかめだけでお酒飲むってイメージないなあ。

あるお宅にお邪魔すると、親戚友人が集まるパーティの準備中。各テーブルに鍋が鎮座している。地元で獲れたおいしそうな刺身がどんと盛られて、宴の主役はこれかな?メンバーにはなぜか石巻市長、齋藤正美さんもいて何かを待っている。

そこにやってきたのが、大皿に山盛りの三陸わかめ
えー!わかめってこんなにたくさん食べるかなあ。待ってましたとばかりに市長が、箸でわかめを掴んで鍋のお湯に突っ込むと、あら不思議!茶色いわかめが一瞬で鮮やかな緑色になり、市長はそれをポン酢で食べている。
なんと!わかめのしゃぶしゃぶだ!初めて見たぞ、わかめのこんな食べ方!

市長が「肉の代わりにわかめをしゃぶしゃぶしている。」と、見ればわかることをドヤ顔で解説。きょとんとしてると「あんたがたは何もわかんないんだよな。こんなにおいしいのに。」とにかく市長はわかめが自慢なのはわかりましたよ。

大人も子どもも、とにかく茶色いわかめをしゃぶしゃぶして緑色になったのをひたすら食べている。お肉も野菜も後回しだ。

「わかめをしゃぶしゃぶすると、肉になります」と言い切るママさん。「さっと湯通しすることで歯応えがよくなる。」わかめに歯応えってのがわかんないんだけど。
「わかめのしゃぶしゃぶ知らないなんて、びっくりしたよ」とまだドヤる市長。どうやら我々の知るわかめと何かが違うようだ。

そこでスーパーへ行ってみると、どーんと大きなコーナーにわかめが並んでいるではないか!
袋に入った「春穫れわかめ」が猛アピールしてくる。これらのわかめは「」だという。わかめの生ってなんだろう?
東京で売られているわかめは、ボイルして塩漬けにした「塩蔵わかめ」とよばれるもの。宮城県では2〜3月に穫れたばかりの生わかめを販売している。
外洋の波に揉まれて肉厚に育ったわかめだから、「塩蔵わかめ」とは食べ応えが違うのだ。

宮城県民はこれをしゃぶしゃぶ以外にも、煮る・焼く・蒸す・茹でる・炒めると、さまざまに調理する。

豚肉と炒めてシャキシャキ食感を堪能したり、切ったものを揚げてかき揚げにもする。そう聞くと、おいしそうだねえ。

また、わかめのぶっとい根元の部分を「めかぶ」と呼んで、また違う料理も楽しんでいる。
ていうか、「めかぶ」って別の種類の海藻と思ってたけど、わかめと一心同体だったのか!
三陸はわかめ養殖発祥の地で、岩手県大船渡市と宮城県女川町で昭和30年ごろに技術が確立。三陸わかめとして重要な産業になった。

だが2011年の東日本大震災では甚大な被害を受け、生産量は1/6に落ち込んだそうだ。気仙沼市のわかめ漁師、藤田純一さんが「海の中は瓦礫だらけで、復活には5年10年かかると思いました」と語ってくれた。絶望的だったが、沖合で見つけた筏にめかぶが残っていた。そこへ鳴門わかめで知られる徳島のワカメ漁師の方たちから、浮き球やロープの支援も届いた。「日本が応援してるから、いま踏ん張れよ」とのメッセージと共に。
その励ましに応えるべくみんなで頑張り、翌年の収穫量は見事にV字回復したという。
「嬉しくて涙流しながら収穫しました。もう一生忘れないと思います。」

宮城県民は、みんなわかめが自慢だ。苦難を乗り越えてまたおいしく食べられる三陸わかめ。旬の時期にしゃぶしゃぶしに行きたいなあ。
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