長野県民はサラダ軍艦が大好きなのに、何が入っているか知らないの?

2019.04.26

長野県民はサラダ軍艦が大好きなのに、何が入っているか知らないの?
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全国の各県民が愛する独特のグルメを紹介してきた「秘密のケンミンSHOW」だが、4月25日放送の回では長野県民熱愛グルメとしてサラダ軍艦が登場した。これまで紹介されてきた数々の県民熱愛グルメの中でも、これほど不思議なメニューもないのではないか。

サラダ軍艦とは、何やら粒状の具材がマヨネーズで和えられ、それをウニやイクラのような軍艦巻で提供される寿司だ。サラダというやさしい言葉と軍艦といういかつい言葉のマッチングが面白い。
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長野県民はとにかくこのサラダ軍艦が大好きで、回転寿司に行くと必ず、何皿も食べるのだ。「中トロと一緒」というくらい好きだとか、「一回食べて締めにまた食べる」とか、異常な熱愛ぶり。筆者はそもそもサラダ軍艦なるお寿司を認識しておらず、それを何回も食べるなんてよく理解できない。だが長野県で生まれた回転寿司チェーン・かっぱ寿司では、長野県内各店の定番メニューとなっているそうだ。まさに県民熱愛グルメ!県民によれば「かっぱ寿司のサラダ軍艦が他のより全然おいしい!」という。
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確かに長野県のかっぱ寿司に行くと、県民たちが次から次にサラダ軍艦を注文している。11皿中4皿とか、25皿中8皿とか、食べ過ぎじゃないかと言いたくなるほどだ。ところが、それほどサラダ軍艦を愛する長野県民に何が入っているか聞くと「知らない」と平然と答えるからますますよくわからない。「サラダだから野菜が入っている?」などと中途半端な回答をする。お店の人に聞くと、「イカとカニカマをマヨネーズで和えたもので野菜は入っていません」という答えが返ってきて、長野県民は「野菜入ってないの?」と驚く。じゃあ、あなたがたは何をそれほど気に入っていたのか?
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正直、イカとカニカマと聞くと、なんだ大した具材じゃないなあと思ってしまう。だが長野県民はこのサラダ軍艦をお祝いの席でも好んでどっさり出してくる。まるで豪勢なご馳走が来たかのように、大喜びして皿にびっしり並んだサラダ軍艦を迎え、次々に頬張ってご満悦だ。いやいや聞いたでしょ?イカとカニカマですよ?なんでそうトロやウニみたいに盛り上がるのか、全然わからない。
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それにしてもこのサラダ軍艦、なぜこんなに長野県民の間で愛されているのか。かっぱ寿司を運営するカッパ・クリエイト株式会社の営業本部長・林浩二氏に聞いてみた。40年前に長野県にかっぱ寿司1号店を出店した頃、長野は海無し県なので鮮魚は身近ではなかった。一方、キャベツやレタスは豊富に獲れることから、細かく切った野菜とイカなどをマヨネーズで和えたものを賄いとして食べていた。それをお店でもお客さんに出したところ、サラダ軍艦として愛されるようになったという。

だからこそサラダ軍艦と言えばかっぱ寿司、回転寿司に欠かせないメニューとして親しまれ定着したのだろう。経緯はわかったが、やっぱりトロと並ぶほどのお寿司として語られるのはよくわからない。各県独特の県民熱愛グルメ、知れば知るほど私たちの県民文化のユニークさと奥の深さに感心してしまう。

【文:境 治】
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