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沖縄県民はお墓で宴会?老若男女が飲めや歌えやの、シーミーって何それ?

境治 2019.05.31

沖縄県民はお墓で宴会?老若男女が飲めや歌えやの、シーミーって何それ?
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5月30日放送の「秘密のケンミンSHOW2時間SP」では沖縄県民の変わった風習、シーミーを取り上げた。どこが変わっているかというと、シーミーはお墓で宴会をすることなのだ。えー?!お墓で宴会なんかして、ご先祖様に怒られないの?それに怖くないのかな?

シーミーの謎に迫るべく、番組スタッフが沖縄県民に聞いて回ると「お墓でご馳走たべるの」とか「花見と一緒」とか浮かれた答えが返ってくる。そもそも「お墓がでっかいの、6畳分はある!」そうだ。そこにブルーシートを敷いてピクニック気分で楽しむらしい。そして沖縄県民が教えてくれたのが、識名という町。
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識名にはお墓がいっぱい!ただし、多県民にはお墓には見えず、小さな遺跡が並んでいるように思える。石造りの小さな遺跡の前が6畳分はあるスペースになっていて、そこに沖縄県民が家族ごとにやって来ては、ブルーシートを敷いて飲んだり食べたりしている。確かに、花見をお墓の前でやっている感じだ。みんな盛り上がっていて、やれ「来ない方が罰当たりだ」とか「バイトや部活を休んだ」とか、しまいには「楽シーミー」などとダジャレを言ったりする。ただ浮かれているだけでなく、ちゃんとお祈りをするという。ご先祖様をお迎えするのは他県のお墓参りと同じだが、ご先祖様たちと一緒に飲んで食べているのだ。お墓参りといえば厳かなもの、というのは他県の感覚だが、確かにご先祖様と一緒に楽しい時間を過ごす方がいいような気もしてくる。
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詳しく手順を見て行くと、シーミーが行われるのは旧暦3月1日から二週間。まず若い人たちでお墓に来て掃除をする。掃除がすんだところへおじいちゃんおばあちゃんもやって来て、お酒を供える。そこへご馳走も届いて宴会のはじまりだ。こうして段取りを見て行くと、ご先祖様とお年寄りを敬い労る儀式なのだとわかってくる。

そのうち、何やら紙を燃やしはじめる。えー?何その紙?どうして燃やすの?この紙は「うちかび」といってなんと「あの世のお金」なのだそうだ。これを燃やすことで、ご先祖様にお金をお渡しできるという。「だから、振込!」ということだ。ご先祖様にお金を振込む風習があるなんて驚きだ!
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このシーミー、漢字で書くと「清明」で、中国大陸から伝わってきたお墓参りのやり方だという。18世紀後半に、首里の王家がやったのを真似て、庶民も行うようになった。中国の民間信仰が定着するとは、さすが海洋貿易で栄えた琉球だ!

シーミーはご先祖様と楽しく盛り上がるお墓参り。だから中にはバーベキューを焼いて食べたりビンゴ大会で遊ぶ一族もいる。そんなことしていいの?と心配してしまうが、陽気な沖縄県民にそんな心配は無用。ご先祖様も一緒になって「ビンゴ!」と叫んでいるにちがいない。しんみりしたお墓参りより、ご先祖様もこっちのほうが楽しいのではないだろうか。

スタジオに戻るとガレッジセールの二人が「沖縄にはお墓が怖いイメージがない」「お墓は一族が集まる場所だ」と力説する。お墓は死者がいる場所ではなく、ご先祖様がいる場所。そう考えると、シーミーは良い文化だと思えてくる。他県にも広がると、面白いかもしれない。

【文:境 治】
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