【長野県】パンがパンパン!標高をすぐ言える!山の民、長野県民の山への愛

2022.09.04

【長野県】パンがパンパン!標高をすぐ言える!山の民、長野県民の山への愛
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長野県と言えば、山。広い県土の約80%が森林、つまり山だ。長野市の標高は362m。長野県民は全長333mの東京タワー上空あたりで生活しているようなものだ。

長野県民の山の民ライフを取材するべく、伊那市の農作業中のお母さんに聞くと「山がないと寂しいし、まっ平なところは不安!東京は行きたくない」と語る。安曇野市のマダムたちは「低い山は全国どこもあるけどすぐそばに高い山が見える。」「富士山は一つあるだけ、この辺は連なっている。自慢だと思う。」高い山に囲まれているのが誇りなのだ。
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山に囲まれた谷にある木曽町。ログハウスでくつろぐ信濃ダンディが言うには日照時間が短いそうだ。「日が当たってくるのが9時。当たらなくなるのが午後3時半。」って、短っ!
須坂市のご夫婦にも山について聞いた。「山はそれぞれ特徴がある。」とやはり誇らしげ。「この辺で言うと浅間山、高峰山、水ノ塔山、篭ノ登山、西篭ノ登山、東篭ノ登山、湯ノ丸山、烏帽子岳、角間山・・・」いつまで続くかと思ったら奥様が「もう言わなくていいよ。」と止めてくれた。
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長野独特の話を伊那市のヒゲのお父さんに聞くと「気圧が変わるので平地で買ったものを上に持っていくと膨らんじゃう。」標高が10m上がると気圧は1ヘクトパスカル下がるので、袋が膨らむのだ。そこで標高1185mの高さ、川上村に行ってみた。「ポテトチップの袋もパンパン」だと言うのでお宅で見せてもらうと・・・ホントだ!ちょっと膨らむレベルではなくまさにパンパン!はち切れそうに膨らんでいる。
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もちろん、パンもパンパン!
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川上村でもう一つ聞いたのが「お湯を沸かしたときの沸点が下がるのでカップラーメンもお湯入れて3分のところ4分かかる。」という話。そんなに下がるの?沸点は100℃のはずだけど、小学校で検証してもらったらグツグツ沸騰するお湯の温度は、91℃!えー!こんなに?先生が「テストに出た時は100℃って答えてください。」と言うのだが、子どもたち納得してない。そりゃそうだ!
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そして喬木村でお父さんが「行くなら下栗の里。最高だ!」と推してきた。「日本のチロル。」とまで言う。「霧があるとお城みたいな・・・なんだっけ、マチピチだ。」お父さん、それはマチュピチュでは?

そこで飯田市の山奥へ。すると「下栗の里ビューポイント」という看板が!木々の間に見えたのは、おお!まるで天空の里ではないか。城はないがマチュピチュっぽい!最大傾斜38度で日本のチロルとも称される集落、下栗の里だ。この地に住むお母さんが言うには「斜面がすごいもんで立ってるのもコツがいる。ただ無造作に立ってたら下に転がっていっちゃう。」そこまでですか?
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あちこち取材してると気づくのは、長野県民が標高に詳しいこと。大町市のお母さんは「ここは700m、うちは800m。」我々は自分の家の標高なんて知らないわけだが「自分の故郷の標高知らない?ええー?!」とびっくりしている。いえ、標高知ってる方が珍しいんですよ。年配の人だけではない。松本市の若い女性は「自分の家は1,143m。」とあっさり回答。

あるおじさんが「小学校の校門には標高が書いてる。常識だよね?」と言う。えーっと、他県では書いてないと思います。長野県には日本一標高の高いJRの駅、野辺山駅や、日本一標高の高い小学校、南牧南小学校もあるなど、様々な標高日本一があり、何かと標高が生活の中に出てくるのだろう。

そんな長野県民にとって山とは何だろう?あるお父さんは「人間が悪さをしなければキレイな姿で花もキレイに咲いてくれる。単純だけど単純がうんと大切。」深いなあ、山の民。あるお母さんは「自然って嘘はつかないね。本当だよ。」としみじみ言う。「山はどんな存在ですか?」と聞いてみたら「そうだね、興味はないねえ。」あちゃ、まあ長野県民にもいろんな方がいますからね。

【文:境治】
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