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もやしはおやし?バイ貝にカニ面?赤味噌でらウマ?全国おでんグランプリ!

境治 2020.12.06

もやしはおやし?バイ貝にカニ面?赤味噌でらウマ?全国おでんグランプリ!
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12月に入るとすっかり寒い。こんな季節はおでんで一杯やって温まりたくなる。おでんは関東と関西でダシや具材が違うことはみんな知ってるけど、全国にはその町その町の独特のおでんがあるのは知ってるかな?

まずは宮崎県都城市のおでん。この町はみんなおでんが大好きで、冬はもちろん夏も食べるそうだ。そして具材がホントに独特!3大アイテムは、なんこつ、キャベツ、おやし!なんこつは豚の軟骨を8時間もかけて煮込んでトロトロになったもの。キャベツはロールキャベツではなく、そのままゆでただけ。そしておやしはどう見てももやしなんだけど、ずいぶん大きく長い!品種も別のものらしく、都城の人びとはこれをもやしと呼ばずおやしと呼んでいるのだ。

他のおでんらしい具材も入ってはいるが、居酒屋で出てくるとキャベツとおやしが目立つのでおでんっぽくない。飲んべえたちが食べるのも、もっぱら3大アイテムだ。とろけたなんこつを食べて、キャベツとおやしで口直し、そしてまたなんこつ。「卵はどうでもいい」とまで言ってのける。さらなるびっくりアイテムが巾着。サイズが特大で、中には餅とともにもやしとごぼうと豚肉が入っている。これだけでお腹いっぱいになっちゃいそうだ。

ふと気づくとお店のカウンターに家庭用の鍋が並んでいる。これはテイクアウト用に近隣のみなさんが持ってきたもの。そのうち次々に取りに来て各家庭に持って帰っている。コロナ禍以前からのテイクアウト文化が、都城のおでんでは根づいていたのだ。なんか、いいなあ!
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続いて取り上げるのは石川県の金沢おでん。薄めのダシにつかった具材が品よく並んでいる。金沢おでんは、他ではあまり見ない具材が多種多彩に食べられるのが特徴だ。例えばバイ貝。小さいのはよく見るけど、巨大なやつをおでんに入れるのはびっくり。金沢おねえさんは器用にくるくる貝を回して身を取り出して食べている。他にも色がきれいな赤巻や、白いすり身のふかし、大きな輪っか状の車麩など見たことない具材ばかり。タケノコや里芋があるのもユニークだ。

中でもゴージャスなのが、カニ面。香箱ガニの甲羅にカニの身を詰め込み、さらに卵を載せたもの。お値段もおでんの具材としては高額だが、カニの季節にこれをおでんで食べるのは金沢の楽しみのひとつだという。食べてるおばちゃんが「頭が変になる」というほど、うまいらしい。いいなあ、金沢おでん!食べたいなあ、カニ面!
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最後は愛知県の味噌おでん。名古屋の味噌文化はもちろん、おでんにも反映されている。何しろ茶色い!何もかもが同じ赤茶色に煮込まれて、どれが何かもわからないほど。串に刺さった丸い茶色が運ばれて来て何かと聞いたら、はんぺんだって。はんぺんって四角くてもっと大きくない?関東で言うとさつま揚げだね、と説明する名古屋人。同じ名前でも違うんだね。また串に刺さった丸いものが出てきてはんぺんと区別がつかない。こっちは里芋なのだそうだ。

味噌おでんは専門のお店があるのではなく、居酒屋のメニューの一つとして提供されることが多い。種類も少なく、どこのお店も8種類くらい。大根、とうふ、玉子、こんにゃく、ちくわ、ごぼう、はんぺん、芋、といったところ。これらのアイテムで十分で、でらウマだと言う。昆布とか貝とかないのか聞くと、なんだそれ?と変な顔されちゃった。

愛知県民は自宅でもおでんが大好き。あるお宅では意外にも薄いダシで煮たおでんが出てきて、茶色くないのかと見ていると、味噌ダレが各自に配られ、おでんにかけてやっぱり茶色くして食べている。ご家庭では、自家製の味噌ダレをかけて食べるのが定番なのだそうだ。やっぱりね、茶色くするよね。
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それにしても、おでんってこんなにバリエーション豊かなんだね。今宵はいろんな具材を買い込んで、おでんで一杯やろうかな。キャベツやバイ貝を入れてみたり、味噌ダレも試してみるともっと楽しめるかも!

【文:境 治】
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