“あ、女子高生にチヤホヤされてるヤツが『M-1』に来たな”屈辱乗り越えフースーヤ『ytv漫才新人賞』決定戦に進出

2022.02.05

“あ、女子高生にチヤホヤされてるヤツが『M-1』に来たな”屈辱乗り越えフースーヤ『ytv漫才新人賞』決定戦に進出
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読売テレビが主催する『第11回ytv漫才新人賞 ROUND3』が関西地区で放送された。芸歴10年以内の若手芸人が参加できるこの賞レースは年3回の予選が行われ、それぞれ全12組のうち上位2組が決勝に進出できるというシステム。(今回の審査員はオール巨人(オール阪神・巨人)、お~い!久馬(ザ・プラン9)、哲夫(笑い飯)、大村朋宏(トータルテンボス)の4人で、1人100点満点、計400点の中で順位を競う。)最終的に計6組のコンビが、今年3月の優勝決定戦で11代目の王者を争う。過去の優勝者には銀シャリ、藤崎マーケット、霜降り明星といった実力派が揃い、優勝賞金は100万円。読売テレビでの冠特番の権利も手にすることができるとあって、大阪の若手芸人の一つの大きな目標となっている。ROUND1では、さや香、カベポスター、ROUND2では、丸亀じゃんご、たくろうが決勝進出を決めており、今回のROUND3ではフースーヤが1位、ダブルヒガシが2位で決定戦進出を決めた。今回は将棋の“感想戦”さながらに、勝利直後の2組にロングインタビューを敢行。ネタが生まれたきっかけ、漫才中の心境、今後の野望などあけすけに語ってもらった。番組を見逃した方や、関西地区以外の方のお笑いファンもご安心を。この選考会の模様は読売テレビ公式無料動画配信サービス「ytv MyDo!」、民放公式テレビポータル「TVer」、無料動画サービス「GYAO!」で配信する。まだ漫才を見ていない、という方は、是非とも、そちらで彼らの雄姿をご覧頂いた後に読んでいただきたい。それでは、1位通過・フースーヤの『漫才感想戦』をどうぞ。


谷口理:(ICレコーダーに向かって)闇営業闇営業闇営業…。

田中ショータイム:おいおいおい! そこらへん、ほんま怖いねんで!(笑)
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田中ショータイム(左)と谷口理(右)
―― (笑) まずは、1位通過の率直な感想をお聞かせください。

田中ショータイム:お笑いの歴史の中に、輝かしい成績をひとつ残せたことがまずうれしく思いますし…。

谷口理:しっかりしたコメントやなあ! 1位通過ということで、今はマスクしてるから分かんないと思いますけど、僕の鼻はすごい天狗になってますね(笑)

田中:としたら、全然伸びてないやん!

谷口:元々がぺったんこやから! いやでもほんとに、一緒に出場した先輩たちが劇場でも面白い先輩たちなんで、それに勝てたっていうのが1つうれしいですね。

―― 今年度、初めて選考会本戦に出場されましたよね。それまでも手見せ(事前審査)には出られてましたか?

谷口:手見せはもう腐るほど出てますね。

田中:2年目くらいからちょこちょこ出させてもらってましたけど、ことごとくダメで、全然あかんなーっていうのが続いてて。

谷口:朝9時くらいに集合して、ネタ見せして、昼の2時とかに「ダメです」って言われて帰るっていう(笑)。それを何回も何回も繰り返しました。

田中:ネタのスタイルはさほど変わってないんですけど、あかんくて。やっとこの前のROUND1の時に初めて手見せで通って、初の選考会で同率3位になって。

谷口:2位のカベポスターさんと1点差でな。

田中: そこで辛酸をなめて。ROUND2はコロナの関係で出られなかったんですけど、今回ROUND3で…1位!

谷口:リベンジした感はありますね。

田中:ROUND1で先に決めたさや香さんとカベポスターさんを追っかけてきたみたいな。なのでそこには勝ちたい、獲りたいっていう気持ちはすごいありますね。

―― 昔から変わらずハイテンションなネタをやられてて、1回目の挑戦でいきなり3位に。今回も1位になって何か変化があったのかなと思うのですけど、ご自身で思い当たる節みたいなのはありますか?

谷口:分かんないですけど、もしかしたら僕らの知らんところで、ダウンタウンさんが僕らのことおもろいって言ったんかなあ。

田中:(爆笑)

谷口:タモリさんとか、そのあたりの方が「フースーヤおもろい」ってどこかで言ったんじゃないかなって。

田中:僕らが変わったんじゃなくて、世間が変わったんじゃないかなあって。

谷口:でもほんまに、僕らはマジでやってることが全然変わってないので、そこは確かに、なぜか急に変わってきましたね。

―― 前回の3位のときもすごく面白いなと思ったのですが、今回はさらに漫才になってるというか。それこそ審査員の哲夫さん(笑い飯)が「ネタに国語・算数・理科・社会がある」っておっしゃってましたけど、そこは意識されてたんですか?

2人:してない、してない!

田中:学校みたいな漫才を作ろうとかいう気持ちは全然なかったです。

―― もしそうだとしたら、すごいなと思って(笑)

田中:あれは哲夫さんの勘が良すぎるだけです。

谷口:「理科がないから、理科のボケ入れようか」とか、そんなんは全然ないです。それを言われてハッとしました。

―― 修学旅行のネタでしたしね。

谷口:裏で先輩たちにも言われましたけど。「よう体も動かしてるから体育も入ってるし、なんやかんやでネタに誹謗中傷もないから道徳も入ってるし」って。

田中:「漫才を作るって意味では図工もあるんかなあ」って。それでいうたらみんな漫才作ってるから全員そうでしょ! ただ哲夫さんのお言葉はありがたいです。
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―― ちなみに、ネタはどんな風に作ってるんですか?

谷口:iPadにキーボードを打ちながらです。

田中:ギャグとかも全部2人で…。

2人:(つぶやきでかけ合いながら)「シーサー」「シーサー」「イヤサササ」…。

田中「おもろいなー」

谷口:「OK!」カチャカチャ(キーボード打つマネ)…って感じです。

田中:イメージと真逆の感じです。

谷口:しっぽり作ってます。

―― それであんな迫力のあるネタができるとは…。

田中:すごいギャップがあると言われます(笑)。ほんまに地下の暗い階段に2人で潜って作ったり。

谷口:どちらかが言ったことにどちらかがリアクションして~みたいな作り方もしますけど、結構グーッとなって作ってますね。

―― 僕の一視聴者としての勝手な思いなんですけど、フースーヤさんは結構東京の方でもよく出られていた時期がありましたが、そこから今に至るまで苦労やつらい時期はありましたか?

田中:いや~、そんな別につらい事ってないんですけど。やっぱりああいうギャグでテレビにいっぱい出て、その時は漫才も荒かったと自覚してますが…。テレビに出なくなった時に“消えたヤツら”“おもんないヤツら”っていうレッテルが貼られてて。

谷口: YouTubeのコメントとかにも“フースーヤは消えた”って書かれましたし。

田中:自分らでもおもんないって思われてるなーっていうのは感じてたんですけど、僕ら自身はおもろいって思ってたから別に変える必要はないかって。でも世の中に出なくなった時期は、ネタもなんとなく重い感じはありましたね、気持ち的に。

谷口:テレビに出だしてる時に『M-1グランプリ』の予選に行くと“あ、女子高生にチヤホヤされてるヤツが『M-1』に来たな”って空気になるんですね。1年後は“あ、消えたフースーヤが『M-1』に出てきたわ”みたいな。賞レースでは明らかにイヤな見られ方をしてましたね。

―― 今回は審査員の方々も「すごい実力だ」と絶賛されて、特に哲夫さんが高得点をつけておられました。

谷口:めっちゃうれしかったです! 審査員はみなさん、僕らが学生の時から見てる超レジェンド。面白い方たちに面白いって言われるのがうれしすぎますね。

―― お2人的にはそんなに自分達のスタイルは変えてないんですよね。

田中:そうですね。とにかく漫才とギャグの融合を目指してます。

谷口:「うんこ」とか言わんようになったぐらいか…。

田中:直近まで「うんこ」って言ってたんですけど。ちょっとやめよかって。
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―― 今回の番組は見逃し配信もあります。ネタ中にここがシビれたとか、実はミスってますとか、改めて見た時の裏話なんかありますか?

谷口:それで言うと、僕は「ワンデイのカラコンを余裕で2ウィーク~!」っていう1個目のギャグで頭の血管が切れそうになって、ほんまに意識飛びそうになったんですよ。スタジオがぶぃ~んってぐるぐる回って。出番までに待機時間もあって、賞レースの緊張もあって、さあ1個目のギャグをドンッてやった時にわ~って意識が飛びそうになってるんで(笑)。下手したら僕、あそこで倒れてました。そういう見方で最初のギャグを見てほしいですね。

田中:僕は「U.S.A!」って言いながらぴょーんって跳ねるギャグで、跳ねた時にプップッて軽いおならしてます(笑)。舞台上やからバレへんなと思って。

―― なるほど(笑)。今回は最終ラウンドで決勝進出ということで、他に『ytv漫才新人賞決定戦』に出場を決めた5組の中でライバルというのは?

田中:そうっすねえ…やっぱりライバルはいつだって自分っすね。

谷口:え!? かっこいいけどダサいな~。自分がライバル?

田中:うん、今回の自分たちがライバル。僕はそう思いますけどね。

谷口:僕はやっぱり、スキンケア大学が一番…。

田中:いらん、いらん、いらん! 最近、よしもと漫才劇場のメンバーになった同期やんか!

谷口:あれ、選考会に出てなかった?

田中:スキンケア大学は出てないねん! ちゃんとした人がいると思うんですよ、ね?

谷口:すいません。ライバルはそうですね…かぐや姫。

田中:いや違う違う! 劇場メンバーにも上がってない同期! 決定戦に出る人にして!

谷口:あの、カベポスターさん。

田中:カベポスターさんかい!

谷口:特にツッコミの浜田順平さん。個人的に狙っていきたいなと思ってます。

田中:なんなん、個人的に狙うって。これ団体戦やから、個人戦なんかないねん。浜田さんと仲いいからって。まあ僕らみたいな漫才師がいないっていうのは結構でかいかもね。みんなしゃべくりの人たちなんで、僕らは動きで見せられるかなって。

―― では最後に意気込みをお願いします。

谷口:決定戦は絶対に優勝を獲りに行きたいので…あ! あ! 決定戦のこと考えたら緊張して言うたらあかんこと言うてまいそう!

田中:言うたらあかんこと言うたらあかんで、お前!

谷口:あ~~~! こ…股関節!!

田中:ギリギリセ~~フ!! …ギリギリセーフでした。

2人:がんばりまーす!!
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