エースの個性を生かし切る。まさに今が旬の「バッテリィズ」が考えるコンビの理想の形
2024.02.19
芸人野球チームのチームメイトで結成した異色のコンビ「バッテリィズ」。エースさん(29)の圧倒的存在感を寺家さん(33)が増幅するネタで「М-1グランプリ2023」では準決勝まで進みました。今月11日に放送された「ytv漫才新人賞ROUND3」を1位で通過し、来月の決勝進出も決めています。今まさに旬の二人が考えるコンビの理想の形とは。
―「ytv―」のROUND3、1位通過となりました。
寺家:これまで賞レースで決勝戦に行くということがなかったので、今回初めての経験ですし、やっと来たチャンスという感覚はありますね。だからこそ、頑張りたいですし。
―去年の「М-1」では準決勝まで進出。敗者復活戦も経験されました。
寺家:確かに大きな舞台でしたし、いつもとは違う空気をたくさん吸った。そんな場だったと思います。
エース:…あ、スミマセン、ちょっと一瞬だけボーッとしてました…(笑)。ひとつ前の質問のことを考えてたら、ちゃんと今の質問が聞けてなくて。何でしたかね?
―「ytv―」のROUND3、1位通過となりました。
寺家:これまで賞レースで決勝戦に行くということがなかったので、今回初めての経験ですし、やっと来たチャンスという感覚はありますね。だからこそ、頑張りたいですし。
―去年の「М-1」では準決勝まで進出。敗者復活戦も経験されました。
寺家:確かに大きな舞台でしたし、いつもとは違う空気をたくさん吸った。そんな場だったと思います。
エース:…あ、スミマセン、ちょっと一瞬だけボーッとしてました…(笑)。ひとつ前の質問のことを考えてたら、ちゃんと今の質問が聞けてなくて。何でしたかね?
©ytv
左からエース、寺家
―ややこしいことを聞いてしまい申し訳ありません…。「М-1」の敗者復活戦を経て、今思うことはありますか?
エース:ネタも全国放送されましたし、純粋に見てくださっている方の人数が違う。それは感じましたね。
寺家:準決勝となると、もうすさまじく面白い人らしか残ってませんし、ネタとの向き合い方も尋常ない。ラストイヤーの方々もいらっしゃいますし、ネタ作りに関しても、熱量のかけ方がすさまじいなと。その空気を間近で確認できたのは大きかったと思います。
極端な話、ネタの台本を1文字減らすために何時間もかけて考えたりもする。ここまでやらないとここのレベルにはたどり着けないというか、イメージとしては分かっていたことがしっかりと肌で分かったというか。それはありましたね。
ネタを数秒縮めるために10時間考える。考えて、結果、ネタがきちんとスリム化されたのであれば10時間の意味もあったんでしょうけど、10時間考えても結局何も変わらない時もある。でも、そのレベルのことをみんなやっている。やっぱりすごい世界なんだなと痛感しました。
―そういった空気を吸って、自分たちの中で変わったことはありますか?
エース:そうですねぇ、僕は何も変わっていないですね。
寺家:結局、なんというのか、僕らはエースの魅力をいかに出すか。それが全てだと思っているんです。
今の話もそうなんですけど、何があってもエースは変わらないし、エースの考え方というのはもう出来上がっているし、あとはそれをいかに気持ちよく、強く、投げられるか。そこだけなので、考えたり、変えたりするのは僕のほうだけなのかなと思っています。
それで言うと、準決勝までなんとか行けた。やっていることが間違っているわけではなさそうだし、おかしくはない。その自信をもらえたことは意味のあることだったなと考えています。
僕らは野球で出会って、まさにエースがピッチャー。僕がキャッチャーだったんですけど、互いにコンビを解散したこともあり組むことにしたんです。
もともと同級生だったとかそういうこともなく、野球でだけ会う関係性だったので、組んではみたものの、それまでほとんど人間性を知らず「とにかく一回組んでみようか」という感じでコンビになったんです。
だからこそ、ニュートラルに相手のことが分かるというか、それは良い意味で感じていることかもしれませんね。
僕は三重県の出身で、そこまで生活にお笑いがなかったので、全く芸人、芸人した人間ではないんですけど、エースは昔から芸人になりたかったし、中身も本当に芸人らしい芸人です。そこの違いもコンビとしては良い部分だと思いますし、あまり知らずに組んだということが、本当にラッキーなことに、今のところ吉として出ているかもしれませんね。
―今後の目標は?
エース:僕は特に目標というものを掲げてはなくて、とにかく行けるところまで行く。それなんですよね。自分の人生において、常にそういう感じでして。
寺家:去年「М-1」で準決勝に行って、そして、今年ytvの賞を取れたら、やっと芸人としての“資格”を取得できるのかなとも思っているんです。
漫才師という仕事を安定させるための資格。この仕事をもう少し続けることが許される資格。それを得ることになるのかなと。なので、まずは3月のytvの決勝。ここで何とか結果を出したいと思います。
そして、エースはもう僕の話は聞いてないと思います(笑)。
ただ、それぞれ違うのがコンビですから。エースは自分の道を行く。その分、僕はいろいろ考えながら緻密な目標も設定する。それぞれが意味のある足し算になったらいいのかなと。
…また、この話も聞いてないかもしれませんけど、そんなエースの個性を生かして、しっかりと積み重ねをしていきたいと思います。
■バッテリィズ
1994年11月2日生まれで大阪府出身のエースと90年8月7日生まれで三重県出身の寺家(じけ)がそれぞれ別のコンビを経て2017年にコンビ結成。同じ芸人草野球チームのチームメイトで「バッテリィズ」の名の通り、ポジションはエースがピッチャーで寺家がキャッチャー。上方漫才協会大賞文芸部門賞受賞。「М-1グランプリ2023」では準決勝に進出した。ytv漫才新人賞ROUND3を1位通過し来月開催の決勝に出場する。
エース:ネタも全国放送されましたし、純粋に見てくださっている方の人数が違う。それは感じましたね。
寺家:準決勝となると、もうすさまじく面白い人らしか残ってませんし、ネタとの向き合い方も尋常ない。ラストイヤーの方々もいらっしゃいますし、ネタ作りに関しても、熱量のかけ方がすさまじいなと。その空気を間近で確認できたのは大きかったと思います。
極端な話、ネタの台本を1文字減らすために何時間もかけて考えたりもする。ここまでやらないとここのレベルにはたどり着けないというか、イメージとしては分かっていたことがしっかりと肌で分かったというか。それはありましたね。
ネタを数秒縮めるために10時間考える。考えて、結果、ネタがきちんとスリム化されたのであれば10時間の意味もあったんでしょうけど、10時間考えても結局何も変わらない時もある。でも、そのレベルのことをみんなやっている。やっぱりすごい世界なんだなと痛感しました。
―そういった空気を吸って、自分たちの中で変わったことはありますか?
エース:そうですねぇ、僕は何も変わっていないですね。
寺家:結局、なんというのか、僕らはエースの魅力をいかに出すか。それが全てだと思っているんです。
今の話もそうなんですけど、何があってもエースは変わらないし、エースの考え方というのはもう出来上がっているし、あとはそれをいかに気持ちよく、強く、投げられるか。そこだけなので、考えたり、変えたりするのは僕のほうだけなのかなと思っています。
それで言うと、準決勝までなんとか行けた。やっていることが間違っているわけではなさそうだし、おかしくはない。その自信をもらえたことは意味のあることだったなと考えています。
僕らは野球で出会って、まさにエースがピッチャー。僕がキャッチャーだったんですけど、互いにコンビを解散したこともあり組むことにしたんです。
もともと同級生だったとかそういうこともなく、野球でだけ会う関係性だったので、組んではみたものの、それまでほとんど人間性を知らず「とにかく一回組んでみようか」という感じでコンビになったんです。
だからこそ、ニュートラルに相手のことが分かるというか、それは良い意味で感じていることかもしれませんね。
僕は三重県の出身で、そこまで生活にお笑いがなかったので、全く芸人、芸人した人間ではないんですけど、エースは昔から芸人になりたかったし、中身も本当に芸人らしい芸人です。そこの違いもコンビとしては良い部分だと思いますし、あまり知らずに組んだということが、本当にラッキーなことに、今のところ吉として出ているかもしれませんね。
―今後の目標は?
エース:僕は特に目標というものを掲げてはなくて、とにかく行けるところまで行く。それなんですよね。自分の人生において、常にそういう感じでして。
寺家:去年「М-1」で準決勝に行って、そして、今年ytvの賞を取れたら、やっと芸人としての“資格”を取得できるのかなとも思っているんです。
漫才師という仕事を安定させるための資格。この仕事をもう少し続けることが許される資格。それを得ることになるのかなと。なので、まずは3月のytvの決勝。ここで何とか結果を出したいと思います。
そして、エースはもう僕の話は聞いてないと思います(笑)。
ただ、それぞれ違うのがコンビですから。エースは自分の道を行く。その分、僕はいろいろ考えながら緻密な目標も設定する。それぞれが意味のある足し算になったらいいのかなと。
…また、この話も聞いてないかもしれませんけど、そんなエースの個性を生かして、しっかりと積み重ねをしていきたいと思います。
■バッテリィズ
1994年11月2日生まれで大阪府出身のエースと90年8月7日生まれで三重県出身の寺家(じけ)がそれぞれ別のコンビを経て2017年にコンビ結成。同じ芸人草野球チームのチームメイトで「バッテリィズ」の名の通り、ポジションはエースがピッチャーで寺家がキャッチャー。上方漫才協会大賞文芸部門賞受賞。「М-1グランプリ2023」では準決勝に進出した。ytv漫才新人賞ROUND3を1位通過し来月開催の決勝に出場する。
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