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広島県民大好き!「がんす」ってそんなにおいしいでがんすか?

境治 2020.03.20

広島県民大好き!「がんす」ってそんなにおいしいでがんすか?
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日本には各地に多様な練り物文化がある。白味魚を練りこんで成形し揚げる。そこに様々な食材を入れるなど、各地で独特の進化を繰り広げている。

広島にもユニークな練り物があると聞いて行ってみた。その名も「がんす」!ってなんか変な名前!どんなものか想像もつかない。

広島県民に「おいしい練り物は?」と聞くと一斉に「がんす!」「がんすじゃろ」と答える。「安くてうまい」「いつも冷蔵庫にあるもの」「かまぼこ、ちくわ、がんす!」などと相当生活に馴染んでいる様子。しかもおいしいらしい。「つまみにもおかずにもなる」「1番バッターでも4番バッターでもいける。長打も打てる」とよくわからない例えを言う人もいる。
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どんな練り物か見てみると、え?と驚く。練り物なのにパン粉で揚げてある様子。長方形で平たくて、見た目は正直そそらない。これ、ハムカツじゃないの?
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あるお宅にお邪魔すると、夕飯時に冷蔵庫から「がんす」を取り出すおばあちゃん。ずいぶんたくさんある。それをなんと、フライパンで焼きはじめる!え?なぜ?と聞くと「冷いから」。冷いは“つめたい”ではなく“ひやい”と読むことにご注意を。

冷えた「がんす」をフライパンで焼き焦げ目をつけるとなんだかおいしそうに思えてきた。それをものすごい量、大皿にのせて皆が待つテーブルへ。待ってましたとばかりに大家族が一斉に「がんす」を小皿に取る。
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そのままムシャムシャ食らいつく人もいるが、七味マヨネーズをたっぷりかけたお父さん、ガブリと食べてすかさずビールを口にする。あー、これはうまそうだ!かと思えばおかずにしてごはんをかき込むお兄さんもいて、確かにつまみにおかずに大活躍だ。

この「がんす」は、魚のすり身に玉ねぎと一味唐辛子、調味料を入れて成形したものをパン粉で包んで揚げたもの。すり身と玉ねぎの甘みに、一味のピリ辛がブレンドされて独特のおいしさを醸し出すのだという。
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なんでも昭和20年ごろ、広島県南部で生まれた「がんす」。かつては駄菓子屋さんでも売られていたので、広島県民は子どもの頃から慣れ親しんできたのだ。今や老若男女が愛する、広島独特の練り物として日常的に食べられている。

ちなみに「がんす」は広島弁で「〜でございます」という意味。そう言えば昔読んだ漫画のキャラクターが「〜でがんす」と言っていた気がする。

「がんす」は単独でもおいしいが、切って焼きそばに入れたり、カレーやうどんに入れたり、様々に使われる。屋台に行くと、なんとおでんの具のリストにも「がんす」の名が。見ると、おでんつゆの中に「がんす」が浸されているではないか。えー?いくらなんでも、つゆに浸すとパン粉がふにゃふにゃになって台無しなのでは?
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ところがこのふにゃふにゃの「がんす」を広島おじさん、ムシャムシャ食べて焼酎をクーッとやって満足げ。「がんすの脂が汁ににじみ出て、おでんとWIN-WINの関係!」と変な表現。「がんすOVER THE がんす!」とさらによくわからない表現をするが、とにかくおいしいのだと伝わってきた。

不思議と印象に残る「がんす」。名前も食べ方も面白い!広島に行ったらぜひ食べてみよう!

【文:境 治】
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