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いくらなんでも好き過ぎでしょ!さすがのうどん県、香川県民

境治 2019.07.12

いくらなんでも好き過ぎでしょ!さすがのうどん県、香川県民
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うどん県、と言えば香川県!と日本人なら誰でも知ってるくらいうどん好きの香川県民。東京にも讃岐うどんの店はいたるところにあり、香川のうどん文化は知ってるつもりだった。だがあらためて見ると、いくらなんでもそこまでうどんが好きなの?好き過ぎでしょ!と感心するやら呆れるやら。香川のうどん文化は深い、濃い!何しろ香川県は、うどんの生産量も支出金額も2位に圧倒的な差をつけて全国1位なのだそうだ。さらに香川県民の愛読紙、四国新聞によれば香川の平成10大ニュースの第1位は「うどんブーム」だというからちょっとおかしい。
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まず香川で県民たちにうどんについて聞いていくと、その答えが異常!どれくらい食べるか聞くと「ぼくはだいたい8玉ですね」とよくわからない回答。一回にうどんを8玉食べるという意味らしい。「朝から食べて昼食べて夜食べて飲みに行って夜中にうどん」とか「お昼は週7でうどん」とかとにかく年がら年中うどんを食べるらしい。そんなに食べて飽きないの?と思うが「飽きるを通り越してる」と理解不能なことを言う。

そんな香川県民が誇る讃岐うどんのポイントは、ダシとコシ、なのだそうだ。コシが強いのを噛み締めて食べそうなものだがそうではないと言う。「飲む!讃岐人はうどんを飲むの!」カレーは飲みもの、との言い方は聞いたことがあるが、香川県民にとってはうどんこそ飲むものらしい。
香川を歩くと、とにかくあそこにうどん、そっちにもうどん、とにかくうどん店がやたらと多い。日本で一番面積が小さい香川県に600軒もうどん店があるそうだ。コンビニより多いとか、信号機より多いとか、香川県民はうどん店の数の多さをなぜか胸を張って主張する。信号機より多いのは言い過ぎと思うが。
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うどん店に入って、香川県民を見ていると「かけ小のあったかいの」と注文する。すると不思議なことに茹で上がった麺だけが入った丼を受け取るではないか。そして大きな鍋のところに行くと、自分で麺を湯がき始めた。ええ?自分で温めるの?代金を払って飲食スペースに行くと今度はタンクから温かいダシを丼に自分で注ぐ。麺だけ受け取って茹でるのもダシを入れるのも自分でやるのがセルフのお店ということらしい。他県にある讃岐うどんの店もセルフと称しているが、香川県のと比べるとずいぶん親切に思える。そして椅子に座って丼を口に近づけると、やおらうどんをすすり出す。すする様子はうどんというより蕎麦をすするようにどんどん吸い込む。太いうどんの麺なのに本当に飲むように食しているのは驚きだ。我々の讃岐うどんの食べ方は間違っていたのかもしれない。

タンクのダシには冷たいのもあり、それをかけて食べることを「冷やかけ」と言う。人により好みで熱いダシ、冷たいダシをそれぞれ楽しむのだ。また定番はちくわの天ぷら。「冷やかけ」をちくわ天とともに食すのを見ていると、おいしそうだ。
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意外なのは、香川県民は熱いのにせよ冷たいのにせよ、かけうどんばかり食べている。我々は「ぶっかけ」とか「釜玉」とかが讃岐うどんの本場の食べ方ではないかと思い込んでいたが、とくに釜玉を食べるのは県外の人が中心だと言うではないか。うーん、やはり我々は讃岐うどんを誤って解釈していたようだ。
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さて香川県はなぜうどん県と呼ばれるほどになったのか。香川県製粉製麺協同組合の理事長、吉原良一氏が教えてくれた。古くから香川では小麦が生産されていたので、江戸時代からうどんは食べられていた。ただ、今のようなうどん店が増えたのは昭和40年代以降で、小型の製麺機が開発されたのと、うどんに最適なオーストラリアの小麦が輸入されるようになってからだと言う。製麺のかたわらお客さんにうどんを提供するセルフ方式のお店が増えてうどんが県内に定着した。昭和45年の大阪万博で香川のうどんが大人気になって全国的に知られるようになった。さらに1980年代に地元タウン誌がうどん店を特集したことで、県内外から観光客が訪れブームが広がったのだ。香川県民がうどん愛を誇るようになったのは、江戸時代にルーツがあるとは言え、意外に最近のことだったのだ。そう知ると、ちょっと不思議。

香川県民ほどではないにしても、うどんが好きな人は多いと思う。今度、近くの讃岐うどんのお店に行って、あの「飲むようにすする」食べ方を試してみたいものだ。ただ、喉に詰まらせないように注意しなきゃね!

【文:境 治】
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