テレビ、横のつながりもいいものです 影山貴彦のウエストサイドTV 第44回

2022.11.08

 テレビ、横のつながりもいいものです 影山貴彦のウエストサイドTV 第44回
©ytv
放送中のNHKの朝ドラ「舞いあがれ!」。ご覧になっている方には説明は不要ですが、
今、福原遥さん演じるヒロインの舞は、浪速大学の学生となり人力飛行機サークル「なにわバードマン」に入部しました。さて、そこで部員たちが目指すのが、「イカロスコンテスト」なのですが、視聴者のみなさん多くがお気づきのとおり、このコンテストって、まぎれもなく、どう見ても読売テレビが、1977年から放送している名物長寿番組「鳥人間コンテスト」です。私自身番組の大ファンで毎年楽しみに見ています。

ドラマでは、「イカロスコンテスト」には残念ながら浪速大学は書類選考で落ちてしまうのですが、それに代わり飛行記録を樹立させようと、部員たち全員が現在奮起しているところです。書類選考で出場が果たせない、ということが現実にあるのだろうか?と疑問に思われた方もいらっしゃるかもしれません。ですが、なんと本家!「鳥人間コンテスト」でもそういう例があるのだと、元プロデューサーの方が、先日新聞のインタビューで語っておられました。NHKのみなさんが事前にそこまで調べていたのかは、存じあげませんが。(笑)

いずれにせよ、今後満を持して「イカロスコンテスト」に浪速大学のメンバーたちが参加するドラマ展開があるかもしれませんね。そうなると番組内のテロップに、協力・読売テレビと表示される可能性だってあるかもしれませんね。その日を楽しみにしている私です。

で、ここからさらに、私の想像は広がります。次回の「鳥人間コンテスト」に「舞いあがれ!」チームがゲスト参加、という展開はどうでしょう?ちょっと飛躍し過ぎでしょうか。けれど、福原遥さんのゲスト出演くらいは十分あり得るように思うのです。

テレビは局ごとにライバル関係にあります。それは間違いありません。ですが、時として同じ番組を制作し放送する同業者同志として協力しあうのはいいものです。「舞いあがれ!」と「鳥人間コンテスト」のコラボレーションがあるかどうかは、あくまでも今のところ私の予想でしかありませんが、局の垣根を超えた横のつながりは、視聴者も大いに拍手を送ってくれるのではないかと思っているところです。




執筆者プロフィール
影山貴彦
同志社女子大学メディア創造学科教授
(メディアエンターテインメント)
コラムニスト
元毎日放送(MBS)プロデューサー・名誉職員
ABCラジオ番組審議会委員長
毎日新聞等にコラム連載中
著書に「テレビドラマでわかる平成社会風俗史」、「テレビのゆくえ」、
「おっさん力(ぢから)」など
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