G7に文化政策を提言!フェスティバルサミット開催、文化貿易の多様化ルール、そして宇宙の文化利用?

2023.04.25

境治
G7に文化政策を提言!フェスティバルサミット開催、文化貿易の多様化ルール、そして宇宙の文化利用?
©ytv
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5月のG7広島サミットが目前に迫っている。核軍縮や環境問題をはじめ様々な国際問題が議論されるようだが、岸田総理はイニシアチブを発揮できるのか?そこで4月23日放送の「そこまで言って委員会NP」ではお馴染みの論客(軍事ジャーナリスト井上和彦氏、元経産官僚石川和男氏、竹中平蔵氏)が岸田総理への提言をプレゼンし、その提言への賛成・反対を議論した。
中でも新鮮だったのが、トリを務めた日本チャップリン協会会長の大野裕之氏による文化政策の提言。文化芸術の国際交流についてG7サミットで議論すべきだとして、「1:フェスティバルサミットの開催」「2:文化貿易の多様化を目指す取り決め作り」「3:宇宙の文化利用」の3つの提言を示した。
この3つの文化政策の提言に、論客たちの賛否を聞いた。

ソマリアやイエメンなどでテロリストに社会復帰を促すNPOを運営する永井陽右氏(テロ・紛争解決スペシャリスト)は賛成の立場でこう語る。
「途上国であっても、日本のソフトカルチャーはものすごく好かれている。特にNARUTOは大ブーム。私は日本人であるだけだが、他国の人にリスペクトされたり、いい印象を持ってもらえたりするので、国家戦略としてどんどん文化を外に出していってほしいと思う。」
これに大野氏がチャップリン協会会長らしい話をする。
「チャップリンの秘書は、高野虎市という日本人だった。1920年代に日本のチャンバラのチームがロサンゼルスで公演をした。その時に、高野さんがチャップリンを誘って一緒に行ったらチャップリンはチャンバラ劇が大好きになった。ロサンゼルスで何回もチャンバラ劇をプロデュースして、反日の考えを持っていたアメリカの議員さんがすっかり親日家になった。文化は、国際交流に役立つので、各国持ち回りで世界文化芸術祭をやってほしい。」

続けて大野氏が2つ目の提言についても解説する。
「あえて議論になりそうなことを2番目の提言にしてみた。文化貿易の多様性を目指すと、映画はカルチャーの中で1番世界中に行き渡りやすい。ただ、国によってポリシーが全然違う。例えばフランスは保護貿易。映画はそもそも、1895年にパリのグランカフェで始まったフランス地場産業だから、そこにすごく誇りを持っていて、自分の国の文化を大切にするために、上映する映画のうち何パーセントかは絶対フランスの映画を上映しなきゃいけないと決めている。日本は自由貿易ではあるが、同じような政策を導入して東南アジアやアフリカの映画を少しでも見る機会を増やしたい。」
門田隆将氏(作家・ジャーナリスト)はこれに反対を唱える。
「文化というものは、何パーセントは上映しなければとか、基準とか規制は全く馴染まない。規制によって推進していくのは、私は反対だ。」
宮家邦彦氏(外交ジャーナリスト・立命館大学客員教授)も続けて反論。
「文化を政治化するのは嫌だ。サミットでこういうことをやると、全部政治になる。 芸術や文化に政治が介入してくる場を作るより、むしろマーケットに任せ、それを愛する人たちに任せるべきであって、 サミットとは馴染まないと思う。規制の対象にするのも賛成できない。」

竹田恒泰氏(作家)は賛成だが「宇宙のところがわからない」と回答。
「宇宙を舞台にしたアート?人工衛星が同時にチカチカするとか?宇宙を舞台にした文化、それってなに?」
大野氏が平然と答える。
「少しずつ始まってることが実はあって、ART SATという衛星が打ち上げられて、多摩美術大学と東京大学 とのコラボレーションで、宇宙にあるいろんなシグナルとか電波を利用して、絵画などをジェネレートしていく実験的な取り組みがなされている。(2014年〜15年に行われた試み)人類はずっと宇宙の星空を舞台にいろんな文学や絵画を作ってきた。理念として話し合って、何ができるかはまたその先だと思う。」
竹田氏がマジメにつっこむ。
「キラキラ光った人工衛星が来たな~と拡大して見たら、コナンくんの絵になってるとか、そういうこと?」
竹中平蔵氏(慶應義塾大学名誉教授)は大野氏に賛同を示す。
「でもモダンアートで宇宙から見える光線を絵にするとか、それは十分考えられる。今地球上でやっていることを宇宙でやるのも十分考えられる。」

ここで番組議長・黒木千晶アナが不思議なことを言い出す。
「大野さんの新しい発想だなと思って。でも日本から宇宙と交信してエイリアンと繋がっちゃって、実際に来ちゃった、なんてことにならないですか?あれ?何言ってるんだっけ?」意味不明な発言に一同爆笑。
中林美恵子氏(政治学者)が冷静に質問する。
「そういった話がG7でどうやったらできるんでしょうね?」
大野氏はこう答えて締めた。
「逆にこうした大きな試みは、首脳レベルしかできない。首脳たちが宇宙の平和利用、文化利用を考えましょうと、まず提唱レベルだがそういった理念は言ってほしいなと思う。」

宇宙の文化利用は今ひとつわからなかったが、確かに、文化交流は国境を超えて人々を宥和させる。G7の場で文化政策が議論されてもいいのではないだろうか。

【文:境治】
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