【そこまで言って委員会】本物のG7より激しい応酬についてけない!「アナザーG7」の議論を聞け!

2023.05.24

【そこまで言って委員会】本物のG7より激しい応酬についてけない!「アナザーG7」の議論を聞け!
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広島でG7最終日を迎えた5月21日放送の「そこまで言って委員会NP」では、中国・ロシア・インド・韓国・エジプトの論客たちが集まった。「アナザーG7が国際社会に物申す!」と題して国際色豊かな激しい議論を展開。最後のテーマ「国連に対する疑問」では、収集がつかないほど意見が対立し緊迫した。

韓国人・金慶珠氏(東海大学教授)は「安全保障の問題はもう国連に期待できない」と言う。
「国連ができた頃は安全保障機能の余地があったと思うが、米・中・ロシアも全部入っている常任理事会の構成では、安全保障問題を国連に期待することは難しい。SDGsや、貧困、環境、労働、そういう国連にしかできない国際協力を期待すればそれでいい。」
竹田恒泰氏(作家)が異論を唱える。
「国連憲章に書いてある国連の目的は、世界平和。これで機能できないなら、なぜまだ存在するのか。」
インド出身のサニー・フランシス氏(ラジオパーソナリティ)も同調。
「一刻も早く、NATOと同じく国連も終わった方がいいと思う。例えば、ベトナム戦争は長く続き200万人が命を落とした。その次にシリアの問題、その次はロシアとウクライナの今の戦争、ロヒンギャ問題、ルワンダ大量虐殺。国連が本当に機能していたら、こんな大きな事件が続々とは起きないはずだ。」
ロシア人の小原ブラス氏(タレント・コラムニスト)が議論の方向を変える。
「国連は戦後の世界秩序の表れみたいな組織。それがもう70年も続いていて、今の世界の秩序は全く違う状態になっているから、作り直さないと機能しないのは当たり前だと思う。ただそれを解体するのか、拒否権をなくして全員の多数決だけで決めるような組織にするのか。切り替わっていけばいいが、そうならないのは今変えられては困るロシアがそれ自体を拒否してしまう、という事情がある。」
エジプト出身のフィフィ氏(タレント)は辛辣に言う。
「世界平和を担ってもらおうと言うが、実際のところ国連は何をやっているのか。ずっと人権問題をやっていた。要は弱者ビジネスをやっているのが国連。『弱者に声、聞いています』とポーズをとっているだけで、根本のところで直そうなんていう気持ちはない。」
金氏はフィフィ氏に激しく異を唱える。
「その見方は根本的に間違ってる。全ての政治活動は利権が絡んでいると言うが、利権が絡んじゃいけないの?」
フィフィ氏が言い返す。
「いや、ちゃんとやってくれればいい。」
発言をかぶせ合う激しい応酬になってきて議論が錯綜してきた。

中国人の張景子氏(日中韓JCKフレンズ)が割って入る。
「国連の今の問題は、国連憲章や安保理決議に違反した時に制裁ができないということ。その問題が表れているのがNATO。NATOは今までずっと国連のルールに違反してきた。セルビアの侵攻もエジプトもそうだった。勝手に行っていた。NATOがあると核を使うリスクが低くなると言うが、私は真逆で逆に高くなると思う。」
竹田氏が嫌味を言う。
「今の話、NATOを全部中国に置き換えたら多分正しくなる。」
ここからまた竹田氏と張氏が発言をかぶせ合う応酬になる。
しまいには竹田氏が「中国とロシアがいけないんだよ!」と乱暴に叫ぶ。
小原氏が冷静に言う。
「ロシアの中のプーチンを支持している人と話すと全く同じようなことを西側に対して言う。西側はみんなならずもの国家だ。そういうことを言う。」
フィフィ氏が張氏を見ながら言う。
「でもそれは、私たちは情報を自由に得ることができる中で、私は自分で考えてならずもの国家だと思っている。ただかわいそうに、中国の人民だったり・・・」
張氏が発言をかぶせてくる。
「それは知らないね。あなたは中国を・・」
互いに発言を遮り合うので番組議長・黒木千晶アナが仕切ってなんとか進む。
張氏があらためて主張する。
「中国の人たちが情報不足というのは古い考えで、今の現実をあまりにも知らない。世界中に中国人がいる。彼らが親族や友達に、バンバン情報発信している。また中国のWeChatではいろんな情報全部キャッチできる。」
金氏が賛同して言う。
「自由な社会は情報統制がないから、正しい判断ができると考えるのは、非常に危険だと思う。フェイクニュースなどで、リテラシーがなくなっている。みんな信じたいものだけを信じて、見たいものだけを見て、陰謀論が横行する。 こういう状況をちゃんと自覚すべき。」
竹田氏が茶化し気味に言う。
「もちろん中国人も情報を集めてるが、『習近平★%#@』とか言った途端捕まる。」
金氏が竹田氏を指差し、「あの人誰か捕まえて!」と言って全員爆笑した。

激しい議論だったが、国連が今いかに難しい状況かがよくわかった。

【文:境治】
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