【愛知県】味噌が愛知を一つにする。尾張も三河も大好きな、赤味噌!

2023.06.27

【愛知県】味噌が愛知を一つにする。尾張も三河も大好きな、赤味噌!
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同じ愛知県でも、名古屋を中心とする尾張と、製造業や農業が盛んな三河は、微妙な関係で感覚も文化も少し違う。だが共通して愛する食文化がある。そう、赤味噌だ!

尾張の人に味噌の料理で好きなものを聞くと、「味噌カツ大好き!」「おでんも味噌!」と次々に出てくる「豚汁!」と言うので、ええー?とたじろいだら「豚汁こそ赤味噌でうみゃーでいかんわ」と言い張る。「つけてみそかけてみそ」という調味料もあり、「冷奴にかけるとおいしい」って、それ味噌の味しかしなくない?

三河の人も、赤味噌の話になると盛り上がる。「酢味噌を赤味噌で作ります」「冷蔵庫の中に赤味噌しかない!」「ほうれん草のおひたしにも赤味噌」やはり他県民と文化が違う。

名古屋市内のスーパーに行くと、ある一角が味噌だらけ!お店の人が言うには、「60種類置いてます。赤味噌が6〜7割ですね。」主流が赤味噌なのだね。赤味噌は大豆麹で作られる豆味噌で、全国の生産量の5%。ほとんどが東海地方で消費される。

名古屋で聞いた注目の味噌メニューが、「味噌とんちゃん」だ。「ホルモンのことで、焼肉屋さんに置いてある。」「扱うお店が増えてきてる。」と言う。確かに、夜の名古屋を歩くとあちこちの焼肉屋さんに「味噌とんちゃん」の文字が目立つ。
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でも、豚ホルモンを味噌で食べるメニューは関東でもあるにはある。だが「味噌とんちゃん」はそんなぬるいものではない。出てきた器を見ると、赤い!
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どろどろの赤味噌にニンニクも加わって、その中に生の豚ホルモンが入っていて、見た目が凶暴。それを混ぜて、じゅうじゅう焼くのだ。焼けたら皿で受けずにダイレクトに口に運ぶ。「油の旨味と味噌の塩辛さがマッチしてすごくおいしい」そうだ。
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中には、焼けたとんちゃんをお皿に入れてまた味噌をつける人もいる。網に戻して「赤味噌ましまし」で食べるのだ。通というか、好きだねというか。

今度は三河で味噌について聞くと、「八丁味噌は岡崎のもの」と自慢げに言われた。ある青年は「岡崎といえば、東海オンエアと家康と八丁味噌」というほど郷土の誇りらしい。

岡崎城から西に八丁行ったあたりが八丁町と呼ばれ、そこにある二軒の味噌蔵が作ったのが八丁味噌。なかなか手がかかる味噌で、2年以上熟成され、半分の量で値段は倍もする。
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八丁味噌を使う代表的な料理を聞くと「味噌田楽」と回答。あの、こんにゃくに味噌つけたやつ?「それはこんにゃく味噌です」じゃあ何に味噌をつけるの?「お豆腐に味噌をつけたもの。」って、結局味噌が好きなだけじゃん。

江戸時代から続く「きく宗」というお店に行ってみた。
木綿豆腐に焼き目をつけ、赤味噌をたっぷりかけてからしを引く。どうみても赤味噌の味しかしないよね。菜飯を添えた定食が定番メニュー。菜飯に豆腐をのせて食べるそうだ。

豆腐がおかずになるのが不思議だが、「味噌のついたごはんがおいしい」と食べてるみなさんは満足げ。「愛知県民はケチで質素。質素な豆腐を豪華に見せる知恵なんです。」という。
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八丁味噌の製造元カクキューの19代目当主、早川久右衛門さんによると、「全ての味噌の原点は愛知県の赤味噌なんです。それに各地で改良を加えたものが全国の味噌です。」なのだそうだ。

なるほど、日本の味噌の原点が愛知の赤味噌なんだねぇ~

【文:境治】
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