富山のブラックラーメンは主食なのか?おかずなのか?そもそも食べられるものなのか?

2018.06.02

そこそこラーメンが好きな人なら「富山のブラックラーメン」を聞いたことくらいはあるだろう。そう、その名の通り真っ黒なスープのラーメンだ。ラーメングランプリのような全国の名物ラーメンが集まるイベントで筆者も見たことがある。見たことはあるが、これまで避けて生きてきた。筆者は九州出身なので本来ラーメンとは白いものだと身体にすりこまれている。それでも東京のしょう油味や札幌の味噌ラーメンのように茶色や赤いスープも楽しんできた。ただブラックは・・・黒は白の正反対。ちょっと腰が引けてしまう。

5月31日放送の「秘密のケンミンSHOW」でとりあげたのが、この富山のブラックラーメン。富山県民の熱愛グルメとして、番組のメインコーナーについに登場したのだ。

番組でさっそく富山県民に聞いて回ると、みな口々においしい、これを食べないと富山県民じゃないとドヤ顔で語る。だが面白いことに、ラーメン屋さんに入るとメニューに「ブラックラーメン」なんて載ってないのだ。「中華そば」とあるだけ。だがうっかりその「中華そば」を注文すると出てきたラーメンはスープが真っ黒だ。つまり、富山県のラーメン屋ではラーメン=ブラックなのだ。なるほど、九州でラーメンを注文すると何の説明もなく白い豚骨スープのが出てくるのと同じ理屈だろう。

だから富山では、いかにも濃い食べ物が好きそうな男性たちだけでなく、若い女性やおばあちゃんも、何の疑問も持たずに、この真っ黒なラーメンをもりもり食べている。それはいいとして、不思議なことに皆一様にごはんも一緒に注文している。そして麺をすするとすぐさまごはんをかき込むのだ。

もちろんラーメンにごはんは他県でもひとつの定番だが、富山ではほぼ全員がごはんを注文し、麺を食べてはごはんを食べる。見ていると、ラーメンをおかずにごはんを食べているように見えるのだ。

さらに奇妙なことに、せっかくの特長的なブラックスープを誰もすすらない。そもそもテーブルにれんげがない。スープは飲むものではないのだそうだ。真っ黒いスープで焦げ茶色に染まった麺をごはんと一緒に食べる。それがブラックラーメンの食べ方なのだ。「スープはからいから飲みませんよ」と、おかしなことを平気で言うからよくわからない。じゃあその食べ物はラーメンと言えるの?

作り方も紹介したのだが、実にシンプル。しょう油で豚肉を煮てチャーシューを作る。本当にしょう油だけで、酒だの砂糖だのは入れないそうだ。その煮汁がラーメンのスープのたれになる。だから真っ黒。単純な話だ。

作り方の理屈はわかるが、具体的には何をどれくらいの分量で作ればいいのか。ヘタをすると、からくてからくて食べられない代物ができそうだ。誰かにちゃんとレシピを聞いて、食べられるブラックラーメンを作ってみたいものだ。作ったから食べるかどうかは、作ってみてから決めようと思うが・・・。

【文:境 治】
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