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影山貴彦のウエストサイドTV【4】

「こってり」がお好きでしょ?ウエストサイドの特性

影山貴彦 2019.07.05

「こってり」がお好きでしょ?ウエストサイドの特性
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 東京の大学に進学し、関東の人たちと「初めて」交流し始めました。もちろん、お話をしたことはそれまでもありましたが、イーストサイドの親しき友人や知人ができたのは、大学生になってからです。あれから30年余り。今、仕事でもプライベートでも、日常的に会う人は、ほとんどが西日本、ウエストサイドの方たちです。我ながら少々偏ってますね。みなさんはいかがですか?
 今、「東」と「西」でそれほど大きな嗜好の差はないとも言われます。でも私は、まだまだその違いは少なくないと思っています。たとえば、関東の人と関西の人で、好んで見るテレビ番組のタイプが微妙に、否かなり違うのです。一言で表現すれば、関西人は「こってり」が、関東人は「あっさり」が好きなのです。
 あれっ、料理だと逆では?と感じた方がいるかもしれません。これも長らくの「思い込み」による部分が大きいのではないでしょうか。実は関西人、濃いめの味付けが大好きなのです。
あの有名なこってりラーメンは京都生まれですし、関西人の好む「薄口しょうゆ」の方が、関東人が愛用する「濃口しょうゆ」よりも塩分が多いという事実は、既に多くの方がご存じです。東京で初めてうどんを頼んで、真っ黒?な汁に驚く関西人は今も少なくありませんが、飲んでみると実はさほど味は濃くないことに気づくものです。
 というわけで、「関西人は、料理もテレビもこってり好き」が、長らくの私の持論であります。ドラマなど、かなりドロドロした、ディープな内容が関西では好まれます。逆にスマートな展開は、関東の皆さんのメガネに合うようです。番組によっては、時に東と西で視聴率が2倍違うなんてことも、珍しくありません。お笑いの嗜好も関西と関東では違いますよね。若者でさえ、比較的「こってり」の笑いを好むのは関西の人たちです。
 小池栄子さん主演のドラマ「わたし旦那をシェアしてた」(読売テレビ制作)が、4日スタートしました。愛する夫(平山浩行さん)、娘と幸せな日々を送っていたキャリアウーマンのヒロインに突然大きな災難が降りかかります。夫が何者かに殺害されたとの連絡を受け、病院に駆けつけると、同じく夫の妻だと名乗る女性2人(りょうさん、岡本玲さん)と鉢合わせます。夫の遺言により、なぜかほどなく「シングルマザー専用シェアハウス」に彼女たちは一緒に住み始めます。シェアハウスの管理人を演じているのが、夏木マリさん。さすが夏木さん、いい味出していらっしゃいます。そして、夫の残した遺産がなんと3億円!その莫大なお金を巡って、今後彼女たちは熾烈な争いを繰り広げていくのでしょう。  
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7月4日にスタートした新ドラマ「わたし旦那をシェアしてた」より 出演:小池栄子 りょう 岡本玲 / 夏木マリ ほか
 いかがですか?相当にドロドロ、ディープ、「こってり」ですよね。関西のみなさんが前のめりになって見ている姿が目に浮かびます。もちろん、私もその一人であることを否定しません。
 さて、東京を始めとする関東のみなさん、いかがでしょう?「こってり」ではありますが、キャストはなかなか「シュッ」(注・関西人が好んで使う表現。イケてる、スマート、カッコいい等を全て含んだかなりの誉め言葉)とした面々が揃ってますし、ミステリー的要素もふんだんに散りばめられています。関西風味の「こってりドラマ」、ぜひ一度ご試食(笑)されてみてはいかがでしょう。
 
執筆者プロフィール
影山貴彦
同志社女子大学メディア創造学科教授
(メディアエンターテインメント)
コラムニスト
元毎日放送(MBS)プロデューサー・名誉職員
ABCラジオ番組審議会委員長
上方漫才大賞審査委員
著書に「テレビドラマでわかる平成社会風俗史」、「テレビのゆくえ」、
「おっさん力(ぢから)」など
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