【連載】ここがオモロイ!「秘密のケンミンSHOW」
山形県の山奥にあるそば屋が大繁盛!毎朝5時間雪下ろしをするおもてなしに感涙!
2019.04.12
境治それは、山形市から車で1時間はかかる大石田町にある「七兵衛そば」という店だ。冬は雪が多い一帯で、山形市内の3倍くらい積もるとか去年は4m降ったとか、腰が引けることを皆さんおっしゃる。だが山形市民が口を揃えていうのは、とにかくうまいということだ。「そばってのはこういうものかと思うから」とまで言ってのけるおじさまもいて、聞けば聞くほどそそられる。
山形市から車を走らせ、最上川を越え田んぼの中をひたすら走るとやがて山道に入る。雪がずしずし積もっている中、ようやく到着したのが「七兵衛そば」。店内に入ると、いったいこんな山の中にどこから集まってきたのかというほど超満員。それぞれ1時間とか2時間かけて来た人びとは、何かの用事や観光で来たのではなく、ただこの店でそばを食べるためだけに車を走らせたのだ。マジか。そんなに食べたいのか。うまいのか。



ご主人の井上一義さんは平成元年に「七兵衛そば」をはじめた。昔からこの辺りでは大根の絞り汁でそばやお餅を食べていたので、そのやり方でそばを出すことにしたそうだ。「わざわざこの山の中に食べに来てくれるんだから腹一杯食べて帰ってもらいたくて食べ放題になってしまった」と言う。このおもてなしの精神がそばに込められ、山形県民の心を惹きつけているのだろう。来てくれたお客さんに不便な思いをさせたくないからと、雪の季節は毎朝3時から8時まで5時間かけて雪かきをする。もうお歳なのに大変ではないか!大変、大変、と言いながら毎朝雪かきをする井上さんの姿に心打たれた。
良いお店は、結局こういうおもてなしの心、お客さんを想う気持ちから生まれるのだとあらためて思い知った。「七兵衛そば」の真心を味わいに、あなたも一度行ってみたくなったのではないかな?
【文:境 治】
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