【連載】気になるCM掘り下げ隊

JINRO「吉岡里帆さんがいちばん可愛かったのはアドリブの部分でした」

2022.12.16

井出尚志
今年10月に放送がスタートすると、「吉岡里帆がとにかく可愛い!」の声が噴出した『JINROで餃子いただきます』篇と『JINROでお刺身いただきます』篇。

出演は吉岡里帆さんとロングコートダディの堂前透さん。吉岡さんの「さあ、どう割る?」という問いからの「大正解(または正解)」に、SNSを中心に絶賛の声が上がった。

日本発売43年目となるJINROのフルリニューアルに伴って制作されたこのCMにはどんな狙いがあったのか。眞露・マーケティング部・宣伝販促チームの内藤さんと宇佐見さんに聞いた。

■「正解」はいろいろな角度からたくさんのパターンを撮った

--CMの反響はいかがでしたか。

宇佐見「とにかく『吉岡さんが可愛い』という声は本当にたくさんいただきました。他にも『餃子が美味しそう』や『リニューアルしたJINROが美味しそう。買ってみたい』という声もいただき、特に『JINROが美味しそう、買ってみたい』は、このCMを作ったいちばんの目的ですから、素直にうれしかったです」

--社内の反応は?

内藤「これまでもJINROのテレビCMをつくったことはありますが、ちょっと異国感があったり、まったく違う切り口でした。女優さんを起用したのはこれが初めてでしたから、社内全体のモチベーションが上がったというか、特に営業のモチベーションが上がりました(笑)」

【NEW JINRO】【CM】「JINROでお刺身いただきます」篇 30秒

--吉岡里帆さんを起用された理由は?

宇佐見「フルリニューアルした今回のJINROのメインターゲットは30代~40代。まず、その層に好感度や知名度が高い方で、それと同時にお酒を飲んだり、ご飯を食べたりする時にすごく可愛らしい表情を出せる方というのがありました。この両方のバランスが取れる方ということで、最終的に吉岡さんにお願いすることになりました」

--JINROと言えば、緑のボトルと黄色のラベルでしたが、なぜリニューアルを?

宇佐見「JINROは昔からのユーザーの方にはおなじみですが、30代以下になると、『名前は知っているけど、どういうお酒かわからない』という方が多いんですね。いつ・どこで・どんな時に・どう飲むのかわからないという“よく聞くけどちょっと謎のお酒”のような状態になっていました」

内藤「そこで、『JINROはスッキリした味で、いろいろな料理に合う飲みやすいお酒なんですよ』という点と『いろいろな日常のシーンで飲めるお酒ですよ』という2点を、よりアピールするために今回フルリニューアルすることに。新しいボトルには雫(しずく)を入れることで、よりスッキリした味になっていることを表現しています」
JINRO旧ボトル(左)とリニューアルボトル
--味もリニューアルされたんですね。

内藤「少し専門的な話になりますが、焼酎には甲類と乙類の2種類があります。乙類焼酎は原料の香りや味が引き立つように仕上げられていますが、JINROのような甲類焼酎は複数の原料を使い、何回も蒸留して限りなくクリアに仕上げていきます。それがスッキリとした味になる理由ですが、それはお茶やソーダ+レモンなど、割るものによって味がすごく変えられるということでもあります。ですから甲類焼酎は、どちらかと言えば味に差をつけにくいお酒ではあるのですが、昔からのユーザーさんには、すごく味が変わったことを実感していただけると思います」

--40年以上親しまれているボトルや味を変えるのは、かなりの勝負だと思いますが。

内藤「そうですね。フルリニューアルするのにじっくり3年かけました」

--ロングコートダディの堂前さんを起用された理由は何だったんですか。

宇佐見「今回のCMで表現したかったのは、“日常の中の、良い関係性のご夫婦”。可愛らしい吉岡さんのお相手の男性は、優しそうで、やわらかい雰囲気の方にしたいと思っていました。そういう雰囲気に合った方を探していく中で、堂前さんにお願いすることになった形です」
--堂前さんについては、「あれは誰?」と、気になった方も多かったようです。

宇佐見「撮影は今年の夏前ぐらいでしたから、『M-1グランプリ』にご出演されたことは存じ上げていましたが、その後『キングオブコント』も含めて、どんどんご活躍の場が広がっていったのは、こちらもうれしい驚きでした。堂前さんの持つ空気感、雰囲気感で、狙い通りのほんわかしたCMになったと思います」

--吉岡さんの「さあ、どう割る?」というイタズラっぽいセリフは、堂前さんに対する茶目っけであると同時に、ちょっと気が強い女性の印象も受けたんですが、どんな女性の設定ですか。

宇佐見「堂前さんが料理を作って待っているところに、吉岡さんが仕事から帰ってくるのが『お刺身』篇です。ですから仕事を持ち、自立した女性という設定はされていると思いますが、ダンナ様を尻に敷いているとか、そういうタイプではなく、あれはあくまでも“日常のじゃれ合い”みたいな感じです」

--「どう割る?」という問いに、見事に正解を出す堂前さんはどんな男性の設定?

宇佐見「堂前さんはリモートワークをしていて、家にいる時間が長いタイプの会社員という設定です。仕事はクリエイティブ系で、例えばWebデザイナーやプログラマーなどのイメージ。正解が出せたのは、クリエイティビティが高い男性だからかもしれません」

--撮影が大変だったシーンは?

宇佐見「吉岡さんの『正解』は、本当にいろいろな角度からたくさんのパターンを撮ったのですが、すごく演出の意図をつかんでくださり、すべて使えるほど可愛い『正解』でしたので、じつはそれほど時間はかかっていません。それよりもJINROがシュワシュワッとする炭酸感や、トクトクトクとなって氷がカランとなるような、液体の“シズル感”のところにすごく時間がかかりました。シュワシュワっとした炭酸感は横からの撮影が多いですが、今回はあえて俯瞰のカットを入れ、表面のパチパチした感じも撮影しています。珍しい撮影なので、そちらもぜひ注目していただけたらと思います」
--最後に、中の人だけが知る「じつは現場ではこうだったんだよ」というエピソードがあれば。

内藤「『餃子篇』の最後で『いただきます』を言い切る前に餃子を食べるのは、吉岡さんのほぼアドリブです。たくさんの可愛い吉岡さんを撮らせていただきましたが、“いちばんの可愛い”が吉岡さんのアドリブだったのはさすがだなぁと」

宇佐見「演出意図を理解して、こちらの求める以上の可愛いが出せる。本当にありがたかったです」

【NEW JINRO】【CM】「JINROで餃子いただきます」篇 30秒

【取材・文:井出 尚志】
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