
【連載】ここがオモロイ!「秘密のケンミンSHOW」
福島のソースカツ丼はワイルドなはみ出しもの!あなたは全部食べられるかな?
2019.06.28
境治このソースカツ丼は福島県会津地方でも愛されているという。会津若松の県民たちに話を聞くと、そもそもソースカツ丼しかなく「煮込みカツ丼はない」と断言。いや煮込みカツ丼なんて言い方初めて聞いたけど、とにかく普通のカツ丼は存在しないということだ。さらに彼らの話からすると、福井のソースカツ丼とはずいぶんちがうようだ。ある県民は「かつの主張が激しい」と誇らしげにいう。どうやら丼からカツがはみ出ているらしいのだ。「ごはんまでたどりつけない」とまでいうので、いったいどんなカツ丼か想像がつかなくなってしまう。

その中の有名店、十文字屋に行くとお昼時は広い店内が満席。そしてどの人もどの人も、ソースカツ丼を注文している。出てきた丼を見ると、驚愕だ。丼にドカンドカンとソースにまみれたカツが乗っていて、乗り切れなくてはみ出している。肉が山になっていて、ずれ落ちてしまうんじゃないかと思うほどだ。
ああ、これはきっと大盛り、いや特盛とかなんだろう。だがしかし、これが普通盛りだというから二度目の驚愕に襲われる。普通盛りが、普通じゃない!ラーメンでいうとこれは二郎系!二郎系ソースカツ丼ってなんだそりゃあ?
お盆にカツ丼と味噌汁が並んで出てくるのだが、なぜか空の小皿がついている。見ていると、みんなまず一枚のカツをこの小皿に置くではないか。何枚も乗っているのでそのままでは食べられないのだ。だから一枚を分けておいて食べるのだ。なんか効率悪くね?
カツの下には千切りキャベツが乗っている。カツとご飯の間に挟まって蒸されてる感じ。これがカツから出たソースに絡まってうまいのだ!と講釈を垂れる県民もいて、まあどっちでもいいんですけど。


へー、偶然だなあ。福井のソースカツ丼のお店もヨーロッパ軒だった。これについて、石田氏が言うには、福井のヨーロッパ軒は関東大震災で被害にあった早稲田のヨーロッパ軒が店主のふるさと福井に戻って今に至るそうだ。なんと!では福井のソースカツ丼も福島のも同じヨーロッパ軒がルーツだったのか!納得はいくけれど福井と福島でこうも違う形で進化したのも面白い。

【文:境 治】
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