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山形・宮城・福島みちのく芋煮大合戦!勝ち残るのはどの県の芋煮か?!

2018.11.23

ケンミンSHOWでも何度か取り上げてきた山形県の芋煮。そう、あの河原で巨大な鍋でにるという里芋を煮た料理だ。芋煮といえば、山形!と反射的に言ってしまうくらい頭に刷り込まれている。だから東北で芋煮を食すのは山形県だけだと、誰もが思い込んでいるに違いない。
ところが実は、同じ東北の宮城県、福島県でもそれぞれ芋煮が愛され、しかもやはり河原で芋煮会をやるのが秋の恒例なのだそうだ。宮城県民に芋煮について聞くと「宮城を取材して本物の芋煮がわかる!」と断言する。一方福島県民に、芋煮は山形県でしょ?と聞くと「違う!」と力強く否定する。では山形県民はと言うと「レベルが違う」と言ってのける。しまいには山形の芋煮が世界一だと妙な宣言まで出てしまった。

ということで11月22日放送の「秘密のケンミンSHOW」では山形・宮城・福島の芋煮文化を取材した「みちのく芋煮大合戦」を放送した。鎧兜で武装した戦国時代の軍団が法螺貝の音とともに三つ巴で戦いを繰り広げそうなテーマだ。

三県民の芋煮愛を聞いていくと、本当に熱い。また、同じ芋煮でもずいぶんちがうこともわかってくる。

芋煮の絶対王者、山形県の芋煮は実にシンプルだ。里芋とこんにゃく、牛肉、そしてネギ。これをしょうゆ味で食べるのが山形だ。地元のスーパーでは秋になると芋煮用の里芋が売られ、他の食材とともにセットで予約したりする。調理もストレートで、里芋を煮てこんにゃくと牛肉を加えてネギも入れる。最後に味マルジュウのしょうゆで味付けし、酒と砂糖を入れてまろやかに仕上げる。芋煮といえばこうだ!という感じ。
宮城の芋煮は、山形とはかなり違う。まず、味噌味!そして肉は豚肉、野菜もいろいろ!なんというか、ずいぶんワイルド、というか泥臭い。宮城のスーパーでもセットが売られているのだが、なんと薪も売られていたり巨大鍋が貸し出されたりする。調理はやはり芋を煮てごぼうこんにゃく、にんじんだいこんに白菜など多様な野菜を入れる。豚肉も加えた後、味噌で味付けする調理法。できあがると、うーんこれは芋煮というより豚汁じゃないかと言いたくなるのだが。
福島ではなんと、味付けはしょうゆと味噌を両方使う独特さ。豚肉を使うし野菜もいろいろ入れるのは宮城と同じだが、きのこ!意外にきのこをどっさり入れてしまうのだ。できあがると、これは芋煮というより、きのこ汁といったほうが見た目が近い。だが福島県民はこれこそが芋煮なのだとそのきのこ汁的なものを食している。
それにしても、山形の芋煮は知っていたが、福島と宮城でもこれほど芋煮が根付いているとは。実は福島では江戸時代に会津藩の人びとが、きのこの鍋料理を“きのこ山”と称して慣れ親しんできたことから派生して芋煮文化が生まれたそうだ。一方宮城県では昭和40年代に河鹿荘という旅館の女将が山形出身だったことから芋煮を提供し、それが郷土料理のおくずかけや仙台味噌と合体して広まったものだという。

あれ?そう聞くと結局、芋煮文化の本流はやっぱり山形県なんじゃないの?と他県民としては言いたくなるけどもちろん、宮城県民と福島県民に怒られそうだからそんなこと言わない。ただとにかく、それぞれの芋煮がそれぞれにおいしそうで食べてみたいのが本音だ。この冬、番組が紹介した料理法を参考に、芋煮をご家庭でも3パターン、楽しんでみてはどうだろうか。ただ間違っても豚を入れるから豚汁だとか、きのこたっぷりなのできのこ汁だとか呼んではいけない。どれも平等に芋煮と呼びながら楽しむのが平和におさまるのでご注意を。

【文:境 治】
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