【佐賀県】ドッグフードは有田焼?給食には伊万里焼?佐賀県民の焼き物文化レベルに降参!

2022.12.19

【佐賀県】ドッグフードは有田焼?給食には伊万里焼?佐賀県民の焼き物文化レベルに降参!
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佐賀県というと九州の中でもちょっと地味な印象がある。今年の都道府県魅力度ランキングではついに茨城県に抜かれて最下位になってしまった。

だが佐賀は焼き物の県ということに気づいているだろうか。有田焼を筆頭に、伊万里焼に唐津焼、そして武雄焼、肥前吉田焼、白石焼と各地に独特の焼き物があり、全国でも有数の焼物産地だ。人口10万人当たりの陶磁器製造件数は32件とダントツの日本一!焼き物と共に暮らす文化度の高い県なのだ。

佐賀で出会ったごく普通のマダムに「佐賀の人にとって焼き物とは?」と聞くと「ハハハハハハ!」と高笑い。「そこは自慢です!」と自信満々で断言した。「よその県より佐賀の人の家の食器は、上等です!」と強く出る。

道で会った初老のご夫婦に「佐賀の人にとって身近なものは?」と聞くと「有田焼や!」といきなり出た!「どこの県にも負けない!」「NO.1よ!」「焼き物に関してはダントツ!」と二人で口々に誇る。

では2種類の佐賀の焼き物を見せて、どこのものか当ててもらおう。女子高生二人連れに聞いてみた。「こっちは有田焼!」「これは唐津焼?」ピンポンピンポーン!若いのに知ってる!
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お若いカップルに聞くと「有田焼と唐津焼」と秒殺!「白っぽいのに赤いのは有田焼」と、ちゃんと特徴を把握している。そんなこと知ってるとは!「佐賀県民の少ない誇りですから」という自虐っぽい言葉に、逆に強い自信がうかがえる。

代表的なのは有田焼・伊万里焼・唐津焼だが、実は前の二つはほぼ同じもので産地が有田町か伊万里市かで呼び分けられるそうだ。有田焼と伊万里焼は原料が石の磁器で色が白い。唐津焼は土が原料の陶器で茶色なのだ。

有田焼のお値段はごく普通の湯呑みでも1,100円とちょっとお高い。茶碗は4.500円、でも少し高級なものは22,000円。十五代酒井田柿右衛門作の香炉は55万円と鼻血が出そうな額だ。
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佐賀県のごく普通のご家庭にお邪魔すると、夕食のテーブルがあれ?なんか雰囲気が違う。食器が全て有田焼なので、ちょっと料亭感が漂う。お値段は高いはずだが、食器市で半額で買うのだという。それでも普通の食器より高い。お嬢ちゃんが使ってる可愛いマグカップも有田焼。食器棚を開くと有田焼がずらりと450枚も並んでいる!
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有田町を訪ねてまたごく普通のお宅にお邪魔するとやっぱり有田焼だらけ。ちょっと深くて大きな器にドッグフードを入れてワンちゃんたちに提供。なんと犬まで有田焼かよ!

ラーメン屋に行くと皿うどんを乗せているのも有田焼!700円の皿うどんを5,000円の皿に、550円のラーメンを10,000円の丼に入れて出していた。
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今度は伊万里市に行ってみる。お昼時にお邪魔すると、ええ!給食が伊万里焼で提供されてる!割れにくい食器を特注しているそうだ。
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有田焼の中でも有名な窯で焼かれたものは特徴がある。そこで佐賀県民に柿右衛門、今右衛門、源右衛門の3つの窯の皿の写真を見せてみた。果たして見分けられるのか?

すると聞く人誰もが「柿右衛門、今右衛門、源右衛門」と言い当てるではないか。子どもの頃から身近に馴染んできたので、それぞれの特徴を覚えてしまうのだ。

おそるべし、佐賀県民。焼き物文化度の高さはきっと日本一だ。器が素敵だと料理もより美味しそうに見える。我々も焼き物文化を磨きたいものだ。

【文:境治】
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