影山貴彦のウエストサイドTV 第38回  大型連休での大失敗

2022.05.02

影山貴彦のウエストサイドTV  第38回  大型連休での大失敗
©ytv
この春から社会人になられたみなさんは、そろそろ日々の生活に慣れ始めた頃でしょうか?新しい仕事、新しい人間関係、何より仕事することの大変さを実感されている方もおられるでしょう。毎日の疲れが溜まっていた方も多いと思います。そんなタイミングでの大型連休は、まさに「救いの神!」。もちろんすべての人にとってお休みは嬉しいものですが、新社会人に限らず大きく環境が変わっている人には、特にありがたい時期かと思います。
 
ご存じのとおり、テレビの世界では、ゴールデンウイークなど長期の休みの場合でも日々放送は変わらず続きます。もちろんテレビ業界に限らず、世間のカレンダーに関わりなく日々変わらず仕事をされる方は、たくさんおられることでしょう。本当にお疲れ様です。とはいえ、メディアの現場も、長い休みの際には、いささか状況が異なります。番組を撮りだめしたり、レギュラー番組がお休みになったりというケースが少なくありません。週刊誌も「合併号」の形になりますし、ネットニュースも、新しいニュースが出てくる頻度がいつもより減るように思います。それぞれ交代で休んでいるわけですね。「働き方改革」の今、大事なことだと思います。
 
大型連休の時期になると、かつて放送マンだった頃にやらかした自分の失敗を思い出します。さきほど申し上げたとおり、ゴールデンウイーク、お盆、年末年始などの時期は撮りだめをした番組の素材を、早めに準備するわけです。入社間もない20代前半だった私は、ある番組の翌週の予告VTRを編集する仕事をするように上司から言われました。あれこれ仕事を抱えてバタバタしていた、それは完全なる言い訳です。何度もチェックしたつもりでしたが、本来その週に放送すべきではない予告をいわばフライングして、先に出してしまったのです。それもご丁寧に関西から全国に向けて・・・。

たまたま自宅のテレビで見ていた私は、放送されたその時に初めて、予告の出し間違いに気づいたのでした。そこから気分的に大型連休どころではなくなったのは言うまでもありません。人気番組でしたので、多くの視聴者の方が私のやらかした間違いに気づいたはずです。きっと始末書的な報告書も提出したはずです。ですが、正直そのあたりのことは、ほとんど覚えていないのです。それほど当時ショックだったということかもしれません。

同じことが令和の今起こったら、間違いなくネットニュースになっていたでしょうね。あれから30年以上経ちますが、今でも思い出すとじわっと汗が滲んでくるのです。

新入社員の皆さん、ボクのようなアホなことはされないかも?ですが、失敗にくじけず、どうかボチボチ頑張ってくださいね!                   


執筆者プロフィール
影山貴彦
同志社女子大学メディア創造学科教授
(メディアエンターテインメント)
コラムニスト
元毎日放送(MBS)プロデューサー・名誉職員
ABCラジオ番組審議会委員長
毎日新聞等にコラム連載中
著書に「テレビドラマでわかる平成社会風俗史」、「テレビのゆくえ」、
「おっさん力(ぢから)」など
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