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皇位継承の『長子優先』もありか?『男系継承』を守るのか?考えるのは国民だ!

2022.08.12

境治
皇位継承の『長子優先』もありか?『男系継承』を守るのか?考えるのは国民だ!
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皇室の今後は、日本にとって重要なテーマだろう。8月7日放送の『そこまで言って委員会NP』では「今こそ皇室と王室について考える」と題して、海外の王室も含めて議論した。

もっとも盛り上がったのは、日本の皇位継承を『長子優先』にすることに賛成か、反対かの議論。王位継承において、欧州では男女を問わず第一子を優先する『長子優先』の動きが広がっているというが、日本ではどうなのか。

ゲストに元毎日新聞編集委員でジャーナリストの江森敬治氏が登場。秋篠宮邸に2017年から5年間で37回も通い、綿密な対話を通じて“真の秋篠宮像”を伝えるべく、『秋篠宮』(小学館)を上梓、ベストセラーになっている。
その江森氏は「今後のことを考えると、将来的には長子優先も議論すべきではないか。」との考え。では論客たちの意見はどうだろう。

倉田真由美氏(漫画家)は「反対」の立場。
「今すぐ長子優先に変えるのは、大多数の日本人にとって抵抗感があると思う。将来的には絶対に視野に入れるべきとは思うが、今の日本人にはまだ無理。」
明治天皇の玄孫・竹田恒泰氏(作家)はここぞとばかりに「反対」論を滔々と述べる。
「2000年間、歴代天皇で男系の血筋を引かない方が天皇に即位した事例は一例もない。女性天皇もいたが、一代限りという形。そういう男系継承を今後も続けていくのか、やめるのかという選択であり、長子優先とはすなわち、男系継承をやめるということ。『仕方ないから、続かないから』と言うが、2000年間1つの王朝が続いてきたのは男系継承を頑なに守ってきたから。例えば今後女性天皇が即位し長子優先になれば、昔でいえば徳川家や北条氏のような、時の為政者・有力者が自分の息子を女性天皇の夫にしようと躍起になるだろう。そういう行為を繰り返すと、天皇家の正統性がどんどん失われていく。」

笠井信輔氏(フリーアナウンサー)は長子優先に賛成の立場。
「なぜ男系継承が続いてきたか。それは明治以前に側室制度があったから。126代のうち、半分ぐらいは、側室のお子さんが天皇になっている。しかし今の時代、側室制度を認めるということはあり得ない。」
竹田氏はすかさず反論。
「側室制度があり得ないのは同意だが、大きく状況が変わった。それは乳児の死亡率が極端に減ったこと。側室がなければダメなんてことはなく、宮家を整備しておけばそこから天皇を立てられる。」
門田隆将氏(作家・ジャーナリスト)も、もちろん反対。
「父系をたどると神武天皇に遡れるのが皇統。様々な危機があったが、男系だけは守り通したおかげで、日本の皇室は世界最古の王朝になった。長子優先にするということは、事実上悠仁親王“廃嫡論”になる。そこまでして愛子さまを天皇にしようとするのはとんでもないこと。」

古舘伊知郎氏(フリーアナウンサー)は「愛子天皇の誕生を望む」と回答。
「戦がない世界であってほしいと強く思う。戦が絡むと天皇は、錦の御旗として利用される側面もあった。先の大戦においての昭和天皇の戦争責任についても議論は続いた。また、上皇様がご夫妻でパラオに訪問し、頭を垂れる姿を見た時に、心から感動しない人はいないと思う。そうやって戦があった時には、責務を果たされてきた。戦争がない世界を希求してやまない前提に立てば、女性天皇を考えるべき時にきている。」
山口真由氏(信州大学特任教授)は反対論を述べる。
「天皇制の本質は伝統にあって、個人の人格にはない。皇統を継いできたことにまさに正統性がある。天皇陛下の主な役割として、国民のためのお祈りや宮中祭祀があるが、伝統的に“血の穢れ”を非常に気にかけている。女帝が立った場合、1か月のうちいくばくか、血の穢れがあるために祭祀ができない状態になると考えると、男子を優先することは、一定の合理性があると思う。」

つげのり子氏(皇室ライター)も反対の立場。
「女性天皇は容認の立場。過去に女性天皇は10代いた。将来は女性の天皇が即位してもいいと思うが、条件付き。女性天皇のお子様が即位した場合、女系天皇ということになる。そこは慎重に議論しなくてはならないので、女性天皇が即位するに際しては、その子は皇位継承権を持たないと取り決めるとか…」
と、ここで竹田氏が遮って発言。
「その取り決め自体、全く意味がない。あくまで例え話だが、愛子さまが羽生結弦さんと結婚するとする。生まれてくる子は、多分ピカピカでしょう。そうすると世の中の空気は『この子でよくない?』と絶対になる。いま、女性天皇が即位することは、確実に女系天皇に流れる入り口になる。」
などなど、誰かが発言すると竹田氏がすごい勢いで反論し、議論は決着しそうにない。

江森氏は「その中に暮らしている皇族の方々が今どうお考えなのか、皇室の現状を踏まえて議論されたら」と皇族の意見を重視すべきとやんわり述べる。
ここで宮家邦彦氏(立命館大学 客員教授)が初めて発言。
「実は自分の祖先は後鳥羽上皇。承久の変で息子たちも京都を追われ、祖先は第四皇子、頼仁親王。そういう意味でひとこと言いたい。王朝がどうあるべきか、それは最終的には国民全体で決める。皇統ももちろん大事だが、もっと大事なのは国民だ。」
と、国民として議論すべき、という空気で終わった。

簡単に結論が出る話ではないが、国民みんなが考える時かもしれない。論客たちの意見を参考に、私たちも議論していきたいものだ。

【文:境治】
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