【そこまで言って委員会】ポリコレは行きすぎ?映画をめぐる議論に出口はあるか?
2023.08.08
1923年と2023年は不思議な連環でつながっているのか?関東大震災から100年の今年、大地震が起こるのか?ベーブ・ルースがヤンキースタジアムで球場第1号ホームランを打ってから100年、大谷翔平は同じ日に100周年記念試合でホームランを打った。7月30日放送の「そこまで言って委員会NP」は、この100年前との不思議な連環をテーマにした。
映画界ではウォルト・ディズニー・カンパニー設立が1923年。100年後の今年、ヒロインのアリエルに黒人俳優ハリー・ベイリーを起用した『リトル・マーメイド』が世界中でヒット。だがこのところ、ディズニー作品は“行きすぎたポリコレ”との批判もされている。私たちは芸術や娯楽作品でのポリコレをどう考えるべきか、論客たちが議論した。
大野裕之氏(日本チャップリン協会会長)はディズニーについての意見を述べる。
「ディズニーだけがポリコレを推し進めてるとは思わない。でも、ウォルトディズニーは、アメリカの中西部の生まれで保守的な価値観を持ってる人で、映画もものすごく保守的。古き良きアメリカを世界に普遍的な価値観として広めた。だから例えば、戦中から戦後にかけての『南部の歌』では黒人が奴隷として使われ、それを楽しんでるように差別的に描かれている。当時アメリカの価値観がそうだったから。時代が変わって、今は有色人種を主人公にしている。それぐらいアメリカの価値観が変わり、ビジネスでありマーケットだからだと思う。」
立川志らく氏(落語家)はポリコレへの疑念を提示する。
「黒人の女の子が今までは人魚を見ていて自分の肌の色が違う。それが今回、同じで良かったと感動した。これは素晴らしい話ではある。だけど芸術作品や娯楽にまで持ってくるとおかしなことになる。黒人の女の子は喜んだからと、今度はアジアバージョンを作らなくてはいけない。次は車椅子に乗ってる人魚を作ってとなる。芸術はその時代を反映している。 小津安二郎の映画は全部、女性に対するパワハラ。おじさんたちが女性がいつ結婚するかの話を酒飲みながらしている。そこだけとったらダメだが、その時代の作品。見てる方はそこまで馬鹿じゃない。一部の数%の馬鹿なやつが大騒ぎする。」
門田隆将氏(作家・ジャーナリスト)はアファーマティブアクションについて語る。
「Netflixではクレオパトラまで黒人になった。歴史的な事実が関係なくなってきた。その反発の方が今大きくなって、連邦最高裁がアファーマティブアクション、積極的に差別の是正措置のために黒人を優遇するのはダメだと判断した。それは逆に白人とアジア系に対する差別になるから。連邦最高裁は6月に出したから、今もう逆の方向に来てる。ポリコレに日本がついていってはいけない。」
ロバート・ゲラー氏(東京大学名誉教授)は違う角度で意見を言う。
「アメリカの国内政治をかなり細かく分析しないといけない。アメリカの1割、2割ぐらいの人は白人至上主義。日本のネトウヨと同じように、あんまり大した勢力じゃないと思った方がいい。」
大野氏が再び発言。
「20世紀の間、アカデミー賞はほとんど黒人が取ってない。本当に白人が優遇されていて、本来黒人がやるべき役も白人がやっていた。そういう歴史があるので、それはある程度ここでひっくり返して平等にならしていく努力は僕は必要だと思う。」
門田氏は逆差別の問題を言う。
「黒人がものすごく差別を受けてたから賞を独占するのではなく、本当に演技がすごいから選ばれるべき。逆に言うと人種を特別視してるから、逆差別になる。完全なる逆差別状態に今社会が突入してる。」
岩田明子氏(ジャーナリスト)も見直す時だと主張。
「アファーマティブアクションによって一定の数値目標を設定して引き上げていくのは大事なことだと思う。ヒラリー・クリントンはガラスの天井を破りたいと言った。働く女性たちが求めてるものは、不当な圧力で出世ができない壁を排除してくれということ。引き上げることによって競争原理が損なわれると、正当な評価を逆に受けられなくなる。過渡期としての措置は大事だが、実現してきたなら、見直しも柔軟に行うのは大事だと思う。」
竹田恒泰氏(作家)はポリコレが言論の自由を損なうと主張。
「ポリコレとは“政治的に正しいとされていること”と表現する場合もある。これに疑問をさし差し挟む言論は徹底的に弾圧される。例えばYouTubeで国のコロナ政策に疑問を差し挟む動画は全てアウト。言論の自由が失われたら、民主主義なんか成立しない。」
番組議長・黒木千晶アナが「いいこと言ってくれそうなんで」と竹中平蔵氏(慶應義塾大学名誉教授)に振る。
竹中氏は「いいこと言いますから。」と指名を受けて語る。
「松下幸之助さんは人間は心に縁側を持てと言っている。縁側とは、内か外かわからない曖昧空間。そういうところが社会には絶対必要。差別はしちゃいけない。しかしそれを教条主義的に、マニュアルみたいにしなきゃと、強要みたいなものがあってはいけない。それでは言論の自由をなくすので、心に縁側を持ちながらこの問題に対処していくことだと思う。」
黒木アナがきれいにまとめようとする。
「『そこまで言って委員会』の皆さんも心に縁側を持って討論に臨むようにして・・・」、
これに門田氏が「番組が終わっちゃうよ。」とつっこんで爆笑で終わった。
ポリコレは見直すべきタイミングのようだ。心に縁側を持ち、余裕で対処したい。
映画界ではウォルト・ディズニー・カンパニー設立が1923年。100年後の今年、ヒロインのアリエルに黒人俳優ハリー・ベイリーを起用した『リトル・マーメイド』が世界中でヒット。だがこのところ、ディズニー作品は“行きすぎたポリコレ”との批判もされている。私たちは芸術や娯楽作品でのポリコレをどう考えるべきか、論客たちが議論した。
大野裕之氏(日本チャップリン協会会長)はディズニーについての意見を述べる。
「ディズニーだけがポリコレを推し進めてるとは思わない。でも、ウォルトディズニーは、アメリカの中西部の生まれで保守的な価値観を持ってる人で、映画もものすごく保守的。古き良きアメリカを世界に普遍的な価値観として広めた。だから例えば、戦中から戦後にかけての『南部の歌』では黒人が奴隷として使われ、それを楽しんでるように差別的に描かれている。当時アメリカの価値観がそうだったから。時代が変わって、今は有色人種を主人公にしている。それぐらいアメリカの価値観が変わり、ビジネスでありマーケットだからだと思う。」
立川志らく氏(落語家)はポリコレへの疑念を提示する。
「黒人の女の子が今までは人魚を見ていて自分の肌の色が違う。それが今回、同じで良かったと感動した。これは素晴らしい話ではある。だけど芸術作品や娯楽にまで持ってくるとおかしなことになる。黒人の女の子は喜んだからと、今度はアジアバージョンを作らなくてはいけない。次は車椅子に乗ってる人魚を作ってとなる。芸術はその時代を反映している。 小津安二郎の映画は全部、女性に対するパワハラ。おじさんたちが女性がいつ結婚するかの話を酒飲みながらしている。そこだけとったらダメだが、その時代の作品。見てる方はそこまで馬鹿じゃない。一部の数%の馬鹿なやつが大騒ぎする。」
門田隆将氏(作家・ジャーナリスト)はアファーマティブアクションについて語る。
「Netflixではクレオパトラまで黒人になった。歴史的な事実が関係なくなってきた。その反発の方が今大きくなって、連邦最高裁がアファーマティブアクション、積極的に差別の是正措置のために黒人を優遇するのはダメだと判断した。それは逆に白人とアジア系に対する差別になるから。連邦最高裁は6月に出したから、今もう逆の方向に来てる。ポリコレに日本がついていってはいけない。」
ロバート・ゲラー氏(東京大学名誉教授)は違う角度で意見を言う。
「アメリカの国内政治をかなり細かく分析しないといけない。アメリカの1割、2割ぐらいの人は白人至上主義。日本のネトウヨと同じように、あんまり大した勢力じゃないと思った方がいい。」
大野氏が再び発言。
「20世紀の間、アカデミー賞はほとんど黒人が取ってない。本当に白人が優遇されていて、本来黒人がやるべき役も白人がやっていた。そういう歴史があるので、それはある程度ここでひっくり返して平等にならしていく努力は僕は必要だと思う。」
門田氏は逆差別の問題を言う。
「黒人がものすごく差別を受けてたから賞を独占するのではなく、本当に演技がすごいから選ばれるべき。逆に言うと人種を特別視してるから、逆差別になる。完全なる逆差別状態に今社会が突入してる。」
岩田明子氏(ジャーナリスト)も見直す時だと主張。
「アファーマティブアクションによって一定の数値目標を設定して引き上げていくのは大事なことだと思う。ヒラリー・クリントンはガラスの天井を破りたいと言った。働く女性たちが求めてるものは、不当な圧力で出世ができない壁を排除してくれということ。引き上げることによって競争原理が損なわれると、正当な評価を逆に受けられなくなる。過渡期としての措置は大事だが、実現してきたなら、見直しも柔軟に行うのは大事だと思う。」
竹田恒泰氏(作家)はポリコレが言論の自由を損なうと主張。
「ポリコレとは“政治的に正しいとされていること”と表現する場合もある。これに疑問をさし差し挟む言論は徹底的に弾圧される。例えばYouTubeで国のコロナ政策に疑問を差し挟む動画は全てアウト。言論の自由が失われたら、民主主義なんか成立しない。」
番組議長・黒木千晶アナが「いいこと言ってくれそうなんで」と竹中平蔵氏(慶應義塾大学名誉教授)に振る。
竹中氏は「いいこと言いますから。」と指名を受けて語る。
「松下幸之助さんは人間は心に縁側を持てと言っている。縁側とは、内か外かわからない曖昧空間。そういうところが社会には絶対必要。差別はしちゃいけない。しかしそれを教条主義的に、マニュアルみたいにしなきゃと、強要みたいなものがあってはいけない。それでは言論の自由をなくすので、心に縁側を持ちながらこの問題に対処していくことだと思う。」
黒木アナがきれいにまとめようとする。
「『そこまで言って委員会』の皆さんも心に縁側を持って討論に臨むようにして・・・」、
これに門田氏が「番組が終わっちゃうよ。」とつっこんで爆笑で終わった。
ポリコレは見直すべきタイミングのようだ。心に縁側を持ち、余裕で対処したい。
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