日本は尖閣諸島を守れるのか?結局誰かが住むしかない?

2023.08.24

日本は尖閣諸島を守れるのか?結局誰かが住むしかない?
©ytv
島国日本にとって、海こそが外国との接点だ。その海がこのごろキナ臭い。8月20日放送の「そこまで言って委員会NP」では「ニッポンの海について考える」のタイトルで、福島第一原発の処理水放出問題や北朝鮮のミサイル落下など、海を巡る様々な課題を取り上げた。中でも際どい議論が展開されたのが、尖閣有事に日本の防衛は十分か不十分かを問うもの。

ほとんどの論客が「不十分」と答えたが、田嶋陽子氏(元参議院議員)だけが「十分」と回答。
「中国がいろんなことをやっても日本は海上保安庁しか出していない。それだけの対応で十分ということ。海上自衛隊が出るようになった時は大変だが。」

すかさず山田吉彦氏(東海大学海洋学部教授)が実態を明かす。
「それは表面的なことだけ。近くに潜水艦もいるし、東シナ海周辺に陸上自衛隊の拠点も形成され、自衛隊も動いてどうにか今、均衡が保たれている。」

田嶋氏が質問。
「なぜ政治家たちはそういうことを整理して中国と政治をやらないのか。」

これに久々に出演した辛坊治郎氏(元読売テレビ解説委員長)が反応する。
「政治の問題が非常に大きい。日中国交回復の時に、中国側から尖閣領有権問題を棚上げにしようと言われて、それをそのまま続けてきた責任が極めて大きい。」

竹田恒泰氏(作家)が付け加える。
「しかも民主党政権の時に尖閣諸島を国有化したのもやりすぎだった。せっかく東京都が持とうとしたのに。」

山田氏が解説する。
「今考えると尖閣諸島の国有化は、中国のレールに乗ってしまった。東京都が買った場合、中国は政府に物を言っても東京都の所有地であればそれ以上言えない。私はずっと、政府には海洋調査をお願いしてきた。6年ほど前にお願いした時は、許してもらえなかった。2021年に交渉したところ、菅政権でようやく、海洋調査を始めようと納得してもらった。」

番組議長・黒木千晶アナがその背景を聞くと、山田氏はこう続ける。
「それだけ中国の進出の歯止めが利かなくなっていることと、中国海警局が準軍隊化してきて脅威の度合いが変わってきたことがある。」

ここで辛坊氏が自分の体験を語る。
「日本政府はトラブルを抑えたいから、日本人が島に行こうとするだけで必ず止める。今、自分が乗ってる船を岡山の小さな工場で整備してたら、 海上保安庁の人がわざわざ見に来て『この船ですか、辛坊さんが尖閣に行こうとしてるのは』と言われた。その意図があるなら、船舶検査証出さない、というぐらいの勢い。」

門田隆将氏(作家・ジャーナリスト)が補足する。
「日本の政界には親中派が満ち満ちている。とにかく中国の機嫌を損ねないようにしてくれとの意思がものすごく強い。尖閣の灯台の電池交換をしても、そのことすら隠す。」

須田慎一郎氏(経済ジャーナリスト)が隣の小松正之氏(生態系総合研究所代表理事)のパネルを見ながら言う。
「小松氏の意見が過激だ。漁業者を居住させ水産加工場を作るとある。」

小松氏が当然のように言う。
「だって戦前は日本人が住んでいた。尖閣には漁業権も設定されていたし、漁港もあった。実態がないのに日本の島だと言うのは空虚だ。人がいて、経済活動や社会活動をやらない限り、そのうち中国が上陸して、竹島みたいになってしまう。」この時小松氏が竹島の名を思い出せず、「韓国の独島、日本ではなんだっけ?」と聞いたので笑ってしまった。

山田氏も人がいるべきとの主張。
「今がチャンスだ。実は中国側は今、体制を整え直さざるを得ない 。例えば今年の1月に海洋調査に行った。その時中国側は4隻の 海警船プラス2隻、76ミリ速射砲を積んだ軍艦並みの船が来ていた。これに対し日本の海上保安庁は調査を守るために20隻体制をとった。完全にシャットアウトして、下には自衛隊もいた。」

辛坊氏が山田氏を煽る。
「上陸したらよかった。そしたら中国が武力で山田氏を排除しに来るかどうか見ものだ。」
だったら辛坊氏と二人で上陸をと黒木アナが促したが、辛坊氏は船で連れて行くことならできると逃げた。

竹田氏がさらに乗っかって言う。
「漁民に扮した日本人が難破を装って尖閣に上がり、それを海上保安庁が救助しに行って、寝かさなきゃと簡易テント立てて、お医者さん呼んで病院を・・・」

収拾がつかなくなり、黒木アナが話を戻して山田氏に聞く。
「誰かが住まないと守れない?」

山田氏が結論づけて言う。
「やはり無人島のままではダメ。」

須田氏が掘ろうとする。
「障害になってるのは?」

山田氏がしどろもどろになりつつ言う。
「極めて中国と仲がいい勢力。政治家の中にいる・・・」

開き直って政治家の名前を挙げたようだが、さすがに番組がサイレン音を入れてごまかした。
防衛力も大事だが尖閣を守るなら誰かが住むしかないようだ。問題は、それが誰かだが。
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