【静岡県】本場のわさびは甘い?納豆にも、焼きナスにも、焼酎にも、わさび丼にわさびアイスもあり!

2023.08.01

【静岡県】本場のわさびは甘い?納豆にも、焼きナスにも、焼酎にも、わさび丼にわさびアイスもあり!
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わさびは今やチューブに入って売られているのが普通。

だが、わさびの本場、静岡県では茎の状態の「本わさび」をすり下ろして使うのがむしろ当たり前。
静岡市民に聞くと「わさびの本場は全然違う!」と断言する。
「すり下ろしたのを食べたらわさびの概念が変わる」とまで言うではないか。

静岡市民も認めるわさびの本場中の本場は、伊豆だという。
温泉やリゾート施設の多い伊豆半島だが、わさびの産地としても知られている。
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伊豆市のマダムによると「プロが味比べをしたらダントツで伊豆のわさびを選ぶ」そうだ。
「甘みもある、辛くて甘い。」と深い味わいを強調。
伊豆で育ったおにいさんは「生まれた時から食卓にわさびが置かれてる。」というほど馴染んでいるそうだ。

東京のスーパーにも本わさびを置いてる店もあるが、せいぜい5本程度。
伊豆のスーパーのわさび売り場には大量50本以上が並んでいた!
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東京の本わさびが595円で77gなのに対し、伊豆の本わさびは550円で167g
同じ値段で倍くらいちがう!

伊豆のみなさんは一本ずつ見比べて慎重に本わさびを選んでいる。
「乾いてないやつがいい。」「日が経つと香りがしなくなる、伊豆に住んでればみんな知ってる。」
みなさん語る語る。「色味が鮮やかな緑色」が選ぶ基準になっているようだ。
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蕎麦も美味しい伊豆だが、お蕎麦屋さんでは必ず本ワサビが一本ついて出てくる。
すりたての本わさびとともに蕎麦を食べるのが、伊豆の常識らしい。
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伊豆市はわさび田が広がっており、東京ドーム16個分の敷地で栽培している。
わさび農家のお父さんが言うには、「1kgのわさびをつくるのに2トンの湧水が必要と言われます。」
そうか、きれいな水が豊富な伊豆だから、わさびが育つのか。

わさび栽培の条件は、
年間平均気温13~15℃
常に流れる大量の水
水温が12~13℃
夏の強い直射日光は避ける
という4つ。これを満たすのは他の土地ではなかなか難しそうだ。
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わさびが当たり前のように暮らしに馴染む、伊豆のお宅を訪問。
まずお父さんが茎をむしっているのはなぜ?
「新鮮なところからする」のがポイントで、むしってからするのがおいしさのコツ。
「向きで香りや辛味が違う」のだそうだ。そして「ガリガリやらずに優しくすれば、甘みも強く出る」んだって!
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極め付けは、わさび丼!
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ごはんに削り節とわさびをかけて、醤油もたっぷり!まさに、わさびが丼の主役なのだ。
「さっぱりしてるから、食欲がない時にいい。お茶をかけてもおいしいね。」って、なるほど夏なんかいいよね!

それにしても、なぜ伊豆がわさびの本場になったのか。
静岡県山葵組合連合会会長・塩谷𠮷栄さんに聞いてみた。
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「わさびは日本固有の植物で、元々山に自生していました。江戸時代に静岡市の有東木地区の人々が山から持ってきて最初に栽培したと言われています。家康公に献上したら気に入ってくださり、門外不出の御法度品として有東木から持ち出すことを禁じました。」貴重なものだったのだね。

その後、18世紀ごろに伊豆に栽培技術が伝わり、19世紀ごろには今の畳石式の栽培方法が確立して、伊豆市が本場の中の本場になったのだ。

地元の小学生はわさびの収穫体験でわさび田に来る。取ったわさびを、なんとアイスに乗せている!
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口に入れてみんな「からーい!」と叫ぶ中、ひとり動じない子がいるぞ。
「ちょっとだけピリ辛で、おいしかった。」さすがわさびの本場!小学生までわさび好きかい!大したもんだ!

【文:境治】
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