「寺脇康文さんは雰囲気が父に似ています」大ファン黒木千晶アナが憧れる演劇の魅力とは

2022.03.16

「寺脇康文さんは雰囲気が父に似ています」大ファン黒木千晶アナが憧れる演劇の魅力とは
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俳優・岸谷五郎さんと寺脇康文さんによる演劇ユニット「地球ゴージャス」のファンだという黒木千晶アナウンサー(読売テレビ2016年入社)。高校時代から演劇活動をはじめ、舞台の出演経験もあり、アナウンサーになった今も観劇は欠かさない演劇女子だ。

そこで今回は、黒木アナがずっと追いかけている地球ゴージャスの魅力や、大ファンである寺脇康文さんへの思いなどを聞いてみた。

インタビューをしていくと意外にも、青春期の挫折やコロナ禍でのエンターテインメントの役割などマジメな話にもふれることができた。同時に、議長を務める人気番組『そこまで言って委員会NP』(読売テレビ・毎週日曜13時30分〜)で“おじさん転がし”の名手と言われているだけあって、おじさまへのサービス精神もちゃっかり忘れない(笑)。演劇とアナウンス、そこに共通するものとは?

【企画 : 藤生朋子 / 取材・文 : 鈴木しげき】

気づいたら寺脇さんの大ファンでした!

――まずは、地球ゴージャスのファンになったきっかけから。

黒木 : 高校生の時、当時私がファンだった俳優さんが出演されていたのが地球ゴージャスの舞台で、「星の大地に降る涙」という公演でした。それを観てすっかりハマってしまい、以来、毎公演うかがっています。

――どんなところに魅了されたんですか?

黒木 : 地球ゴージャスは岸谷五朗さんが多くの作品で脚本・演出を手掛けていらして、舞台セット、音楽、ダンスもオリジナルの作品がほとんどなんですが、華やかで初めて観る方でも気軽に楽しめます。加えて、岸谷さんのその時の考えが根底に感じられます。

例えば、環境破壊や人種差別などへの問題意識があって、考えさせられるテーマが流れているんですけど、最後は必ずハッピーな気持ちになれる。笑って泣ける。泣けて笑える。そこが魅力ですね。エンターテインメントとして完璧だと思います。

そういった世界観はおそらく岸谷さんの人柄がそうなんだろうと想像します。人への愛情が深い方なんだろうなと。

――なんといっても大ファンなのは寺脇康文さんだとか?

黒木 : 寺脇さんのことは子どもの頃からファンで、小学生の頃は、寺脇さんが司会を務める土曜の情報番組を欠かさず観ていました。のちに寺脇さんが降板されるんですけど、そしたら自然に観なくなってしまって……。中学生の時は、寺脇さんが出演されていた刑事ドラマにハマって、映画版も観に行ったんですけど、これも降板してからは自然と観なくなり……。その後、高校生になって地球ゴージャスに出会い、気づいたら大ファンになっていました。

ですから、何がきっかけで、どこが魅力かと聞かれると答えるのが難しいんですが、岸谷さんと寺脇さんのユニットについて、寺脇さんがあるインタビューで印象的な発言をされているんです。「岸谷さんがブルドーザーのようにガーッと前進していく後ろで、自分は落ちてきた土を拾って、土台を固めるのが仕事だ」というようなことをおっしゃっていて、そんなふうに信頼しあえる関係が素敵ですし、そう言える人柄も素敵ですよね。

――寺脇さんは男性として好みということですか?

黒木 : これ、母親に言うと笑われてしまうのですが、寺脇さんって私の父に似てるなって思うんです。

――!? 似てるというのはルックスが、ですか?

黒木 : 母に言わせるとルックスは似てないと言うんですが、なんていうか、雰囲気が似てるんです。あの、ほんわかとした雰囲気が父に似ていて……なんて言うと、またおじさんウケを狙ってとか言われてしまいそうですが(笑)。

――(笑)。

黒木 : 私は寺脇さんを見るたびにいつも父に似てると思います。

――黒木アナにはそう見えてるんですね。

黒木 : はい。

うわさ通り、おじさま層へ配慮のある発言が自然にできる印象の黒木アナ。が、子どもの頃、寺脇さんに憧れていた気持ちは本物でキラキラした表情で語ってくれた。

演劇を続けるか、それとも……


――黒木アナ自身も演劇活動をしていたそうで。

黒木 : 演劇をはじめたのは高校生の時です。学校の長期休暇のタイミングで舞台に出演するようになりました。実際はじめてみたら、思っていた以上に自分に合っていて、セリフを覚えて舞台で表現するのが楽しくて、将来これが仕事になったらいいなと思っていました。
大学3年生のとき、創作劇で主人公の妹役を演じる
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大学3年生のとき、創作劇で主人公の妹役を演じる


それで大学は芸術系の学科に入って、課外活動の一環で舞台に立たせてもらったりして、ますます演じることへの興味が膨らんでいったんです。

同時に、みんなで1つのものを作り上げる楽しさも感じました。役者、演出家、振り付け師さん、スタッフの方たちが同じ方向にむかってチカラを合わせていく作業は格別な楽しさがあります。

――そのままプロになろうとは?

黒木 : じつは演劇を続けるか、大学でしっかり勉強するかで迷っていた時期がありまして。すごく考えたのですが、迷っている時点で役者の道は務まらないだろうと諦めました。そんなたやすい世界でないことは肌で感じていましたから。
大学3年生のとき、創作劇で主人公の妹役を演じる
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大学3年生のとき、創作劇で主人公の妹役を演じる


――厳しさも直視したと。

黒木 :演劇を続けることを諦めた頃、地球ゴージャスの「海盗セブン」という舞台のチケットを取っていました。それが東日本大震災の翌年の公演で「世の中から悲しみを盗み出す」というテーマでした。その舞台は忘れられません。観劇し終わった時、本当に楽しくて面白くて、涙があふれてきたんです。感動したのはもちろんですが、なにより、その舞台に立っている人たちが生き生きしている姿に心が震えて涙が止まりませんでした。そんな経験は初めてでしたね。

私、一生エンタメから離れて生きていけないって思いました。それで、なにかしらエンタメに関われる会社に就職しようと決めたんです。

――そうだったんですか。

黒木 : その後、テレビ局でアルバイトする機会があって、そこではアナウンサー志望の学生が多くて、初めてアナウンサーという選択肢にふれたんです。アナウンススクールに通ってみたら、私が今まで演劇でやってきたこととすごく近いと感じました。伝える、表現する、そしていろんな人と協力して作り上げていく。これなら自分にもできるかもと、そこからアナウンサーを目指しました。

もし、あの舞台を見ていなかったら、「つらいからエンタメから離れよう」と思っていたので、今の私があるのは地球ゴージャスの舞台を見たからだと思っています。

――役者を諦めたのは、しっかり挫折だったんですね。

サラリと言ってのけた「つらいからエンタメから離れよう」という言葉から、演劇への思いは真剣だったのがうかがえる。しかし、演劇で経験したことがアナウンサーに通じていると気づき、再び走り出した黒木アナ。

寺脇さんへインタビューする日は来るのか!?


――コロナ禍が長引いて演劇界も大変ですが……。

黒木 : 東日本大震災の翌年に行った公演「海盗セブン」の時もそうでしたが、そういう時期だからこそ、エンタメにしかできないことがあると岸谷さんも思われて、ああいう舞台をされたと思うんです。

地球ゴージャスの次の公演はどんなテーマになるかはわかりませんが、エンタメって人の心を明るくしてくれるものなので、そういうパワフルなものにまたふれさせてもらえると期待してます。

――岸谷五郎さんには会ったことがあるんですよね。

黒木 : 私が担当する夕方のニュース『かんさい情報ネットten.』に公演の宣伝を兼ねて来てくださいました。太陽を抱えているような明るいパワーをお持ちで、目力がスゴかったです。

「ファンなんです」と握手してもらったら、感動で手が離せなくなってしまって、メインキャスターの中谷しのぶアナから「黒木、そろそろ離しなね」と注意されてしまいました(笑)。

――大ファンである寺脇さんも別の日に『ten.』に来ていますよね。ところが黒木アナの担当日でなかったため、周りが「せめて挨拶だけでもしてきたら?」と言ってくれたのに行かなかったとか。なぜ?

黒木 : そこはなんか……ズルしたくなかったですね(笑)。ちゃんと仕事でお会いしたかったという気持ちがあります。ですので、その日が来るまでは“おあずけ”のつもりです。

これは社内へ向けての話で恐縮なんですけど、読売テレビのみなさん! 寺脇さんへインタビューする機会がありましたら、ぜひ私に任せていただければ最高のインタビューをとりますので、よろしくお願いします!

……と、力強く訴えた黒木アナ。1ファンとしてエンタメへのリスペクトを持ち、自らも1つのピースとして何かを担いたいと考えているようだ。果たして、憧れの寺脇さんにマイクを向ける日は来るのか!?
【黒木千晶 プロフィール】
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【黒木千晶 プロフィール】

読売テレビのアナウンサー。2016年入社。『そこまで言って委員会NP』『かんさい情報ネットten.』を担当。神奈川県出身。青山学院大学文学部比較芸術学科を卒業。高校、大学と演劇活動を行い、今も観劇が趣味。
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