コースター、ストラップ、絵本、そして博物館まで作った送水口を愛する男の正体は!?

2018.03.13

今回のワケあり人「ワケありジョバジョバ男」こと村上善一さんは「ビルなどについてる送水口が好きで送水口博物館をつくった男」。送水口…が、好き…? 送水口を「そうすいこう」と読むことさえ、意識したことが無い人がほとんどではと思うが、一体どこがどう好きなのか? 

実は村上さん、消火栓メーカーの社長さんとのことで、ある日、送水口マニアたちと出会い、その送水口への愛に感動したそう。そしてマニアといえども一般人に送水口を集めるのは無理。そこで職業柄、それが可能な村上さんが送水口の収集を決意したんだとか。最初こそマニアの皆さんのために…ということだったが、そのうち自身も送水口の虜に。2年前、遂に送水口博物館を開館したそう。

東京・新橋のビル屋上にあるこの博物館。入館は無料で、館内は約12畳の広さ。そこに18個の送水口が展示されているほか、送水口の歴史が書かれたパネルなども置かれている。まず、館長イチオシの送水口として紹介されたのが、1951(昭和26)年設置の東京・京橋「ブリヂストン旧本社ビル」送水口。マニアの間では「至宝」と呼ばれていたこの送水口だが、2015年のビル解体にともなってゴミになるところを村上さんが救出。元々、青の御影石に取り付けられていたということで、それも再現して展示されていた。

続いて送水口うんちくとして、送水口に刻印された「SIAMESE CONNECTION」、「サイヤミーズコネクション」、「送水口」の各文字によって、作られた年代がわかることを紹介。超レアケースとして、ひとつのビルに服部時計店、山形屋という店が入っていて、送水口にそれぞれ「服部送水口」「山形屋送水口」と屋号表記がされているというタイプも登場した。こちらの展示も当時に倣って、展示台の裏表に送水口を設置した形で行われているとのこと。さらに、「変身体験」として登場したのが「送水口顔はめパネル」。「世界初!」とのことだが、それはほかに作る人がいなかっただけでは…。なんとここで出てきた顔はめパネルが、まさかの自分の手で持つ小さなサイズ。ほかの展示には大理石まで使っているというのに、なぜ全身パネルにしない!しかし村上さんは「ぜひ皆様も送水口になってみてください」という熱いメッセージとともに、満面の笑みでパネルに収まっていた。ほかにもこの博物館では、2017年2月から送水口デッサン会を開催。1回5〜6人ほどが集まり、中には現役イラストレーターも参加していることや、送水口磨き会、送水口花見などが行われていることも合わせて紹介された。

番組で紹介された送水口グッズの豊富さも特筆もの。まず、博物館の受付で署名すると、ナンバリングされた送水口コースターがプレゼントされるほか、「今なら記念のセカンドアニバーサリーコースターももらえる」というプチ情報が。そして館内では、送水口 3Dストラップ、送水口カレンダーが販売されているほか、村上さん自身がストーリーを作り、絵も描いたという「サイヤ・ミーズのふたり いつもちゃんとここにいる」というちゃんと製本された絵本まで登場した。

ネット上では「情報量があった」「しっかり紹介されていて素晴らしかった」「おもしろかったけど泣けた」(!?)など、マニアと思われる方からのつぶやきのほか、「送水口、おもしろかった」と今回のテーマ自体を楽しんだ人もいた。そして「博物館に行ったら館長にマンマークされるのでは?」という書き込みがあった一方、実際に博物館に足を運んだことがある人の「村上さんが気さくに迎えてくれた」という証言も。番組で紹介された笑顔の村上さんと送水口との2ショットには「この写真良すぎる」という声も上がるなど、送水口愛あふれる村上さんの様子に多くの人が好感を持ったようだった。

【文:佐野 興平】
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