【神奈川県】横浜の人、シュウマイ好きすぎ。しかもシュウマイとシウマイがあるらしい。

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中華料理屋でラーメンと言えば餃子、炒飯と言えば餃子。他県民的には何かにつけて餃子だが、神奈川県民、中でも横浜の人はそこはシュウマイらしい。なにしろ、シュウマイの年間支出金額では1位横浜市、2位川崎市、3位相模原市と、神奈川県の都市が上位を独占。そして横浜市は唯一、シュウマイの支出金額が餃子を上回っている市だという。

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シュウマイについて東京・新橋で聞いて回ると、評価が低い!餃子・シュウマイ・小籠包・春巻きを並べたボードを見せてどれが好きかを聞くと、餃子がダントツで支持される一方、シュウマイは「ランク外」「どうでもいい」「シュウマイだけ出てきたら怒るかも」などとけちょんけちょんだ。

ところが横浜市で聞くと、餃子かシュウマイかといえば「シュウマイ!」と即答。「DNAに組み込まれているから」「中華街もあるし崎陽軒がいろんなところにあるから」シュウマイの方がずっと生活になじんでいるのだという。

実際、横浜に行くと崎陽軒の売店をやたら見かける。横浜駅周辺だけでも12店舗もあるそうだ。他にも横浜市内にはシュウマイを提供する店がなんと600店以上あり、まさにシュウマイが身近な存在なのだ。中華料理店だけでなく、ごく普通の定食屋さんにもシュウマイ定食がある。

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中華街にもシュウマイを出すお店はたくさんあるが、横浜市民がまず名前を挙げるのが「清風楼」。「清風楼だったら間違いない」と多くの人が太鼓判を押す。行ってみると「清風楼のシウマイ」と看板でアピール。「シュウマイ」ではなく「シウマイ」なんだね。

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店内では皆さん、チャーハンなどとともにシュウマイ、いやシウマイを注文している。「チャーハンというと焼き餃子では?」とあえて聞くと「あ〜〜、シウマイです。」「シウマイがメイン。炒飯はサイドメニュー。」とまで言う。そもそも焼き餃子はメニューにない。シウマイを食べる前提で皆さんいらっしゃるのだ。

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次に行ってみたのが本牧通りの「奇珍楼」。名物の「竹の子そば」はぶっといメンマが入ったラーメンだが、一緒に注文するのは皆さんやっぱり餃子ではなくシュウマイ。キャップをかぶった常連っぽいお兄さんは「甘味がすごくあってジューシー。奇珍楼のシュウマイが日本で一番おいしいです。」と語りつつ、「だからシュウマイの食リポできて嬉しい。」と喜んでいて、それくらい好きなんだね。

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なぜ神奈川県民はそれほどまでにシュウマイが好きなのか。日本シュウマイ協会会長の種藤潤さんによると、「横浜は日本のシュウマイ発祥の地」なのだそうだ。明治時代、横浜に中華街ができてシュウマイが食べられるようになった。餃子はそれに比べて新しく、戦後食べるようになったもの。横浜ではシュウマイが不動の地位を築いており、今も餃子より愛されているのだ。そして昭和3年に崎陽軒が冷めても美味しいシウマイを開発。横浜の家庭に一気に浸透していったのだ。

崎陽軒本店は、横浜駅のすぐ近く。地下一階にアリババという中華レストランがあり、ランチバイキングには行列ができる。崎陽軒の中華料理が30種類も味わえるのだが、やはり人気はシウマイ。バイキングだから食べ放題、お客さんたちはこれでもかと大量のシウマイをゲットしている。一人で来た男性は、他の料理も盛りつつ、シウマイも隙間に敷き詰めている。こんなに食べられる?「ふだんもこれくらい食べてます。帰りにもシウマイ弁当買って帰ります。」と平気な顔で言う。シウマイ、好きすぎだろ。

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ところで気になったのがお店によって「シュウマイ」と「シウマイ」と2通りの表記があること。崎陽軒と清風楼は「シウマイ」と書かれていた。横浜生まれのミッツ・マングローブによると、昔バイトしていた崎陽軒のレストランで、注文をうっかり「シュウマイ」と書いたら厨房のおじさんに「やり直せ!」と言われたそうだ。それくらいこだわって作ってるんだな。今度横浜に行ったら、シュウマイとシウマイのお店を巡ってみたい!

【文:境治】