ドライブインは昭和の遺物ではない!令和もおいしい、ドライブイン名物グルメ

2019.08.09

ドライブインは昭和の遺物ではない!令和もおいしい、ドライブイン名物グルメ
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ドライブイン、と聞くとセピア調に包まれた家族の思い出で頭の中がいっぱいになる昭和世代も多いだろう。「マイカー」が普及し我が家もようやく買った軽自動車で、週末になると家族で「ドライブ」に出かけたものだ。その時立ち寄ったのがドライブイン。国道沿いにモダンな建物があり、ハイカラなメニューが食べられるレストランだった。ドライブの楽しみといえば、目的地と同じくらいドライブインにあったのだ。

だが高度成長の終焉とともにあまり見かけなくなっていった。代わりに「道の駅」ができてハイカラさよりご当地名物を楽しむ方向になり、さらに最近は高速道路のサービスエリアがテーマパーク並みの豪華さで人びとを引きつける。個人運営のドライブインが出る幕ではなくなったようだ。

ところが!どっこい生きてるドライブインが実は全国に点在している。生き残っているというよりますます人を集め繁盛しているのは、その店でしか食べられない独自のメニューが人気だからだ。そんなドライブインのオリジナルメニューを3つ紹介しよう。
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まずは福井県、風光明媚で知られる三方五湖。そのひとつ、水月湖の湖畔にあるドライブインよしだには、平日でも駐車場が満杯になる程人びとが押し寄せる。みんな一様に注文するのがイカ丼だ。もちろんイカをごはんにのせるだけではない。ごはんに山芋のとろろをのせ、細かく切ったイカをどっさり加えてウズラの卵をトッピング。そこに醤油ベースの秘伝のタレをかければできあがり。イカのとろみととろろが溶け合って独特の食感と甘い味わいが楽しめるという。福井市から1時間半かけて訪れる人までいるのも納得だ。
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次に紹介するのが、鹿児島県薩摩川内市のドライブイン十本松。こちらはホルモン定食が人気で毎日大盛況だという。豚の腸を味噌で料理し、なぜかちゃんぽん麺をどかんとのせてあとはもやしを加えるだけ。シンプルだが、これはごはんががっつり食べられそう。女性が食べると妊娠5ヶ月のお腹みたいになっちゃうというから要注意だが、お腹が空いた時にはこれほどナイスなメニューもない。
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最後に登場するのは山口県山陽小野田市のドライブインみちしお。ここは駐車場が広い広い!そこにトラックがずらりと停まっているからその人気ぶりがうかがえる。店内も広くて、たくさんある席をトラック野郎から家族まで多くの人が埋め尽くしている。
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ここの人気メニューは、貝汁。と聞くと、きっといろんな貝が入った見栄えのいい汁物を思い浮かべるが、出てきたのはただのあさりの味噌汁じゃね?でも常連さんたちによれば自宅では絶対に出せない味なんだって。それにしてもあさりの量が多そうだ。調べると、普通盛りで33個、特盛りで64個ものあさりが入っていて、こんなに食べると飽きるんじゃないかと言いたくなるが、飽きずに食べちゃうくらいおいしいそうだ。しかもドライブインみちしおには温泉もあってゆっくり湯に浸かって貝汁を楽しむ客も多い。一大レジャーランドではないか!
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これらのドライブイン、ほとんどが昭和40年代にできて、その当時四苦八苦して開発した独自メニューを守っている。親子孫と代々続けているお店ばかりだ。苦労してできた名物メニューを家族で長い間守ってきたからこそ、時代を乗り越えて続けられたのだろう。そこには何かのヒントがある気がする。

なつかしのドライブイン文化、それぞれの地域で大事にしてほしいものだ。独自メニューのおいしさを、訪れる側も代々伝えていくといいのかもしれない。

【文:境 治】
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