大阪では中華料理のデザートに大学芋を中華ポテトと呼んで食べている驚愕の事実、発覚!

2021.04.09

大阪では中華料理のデザートに大学芋を中華ポテトと呼んで食べている驚愕の事実、発覚!
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大阪のユニークな文化を紹介してきた「秘密のケンミンSHOW極」の定番企画「ヒミツのOSAKA」。とくに食文化は独特で、中華料理の分野でも天津飯が醤油ベースだとか、チャーハンにウスターソースをかけるなど、ありえない食べ方に他県民はおののいてきた。だが今回はそんな「ヒミツのOSAKA」史上最大の衝撃を世間にもたらした。Twitterでもトレンド入りしホットな議論も巻き起こったほど。

それは中華料理のデザート問題だ。他県民なら中華のデザートには杏仁豆腐やマンゴープリンを食べるのが定番だろう。ところが、大阪ではそれらはあまり食べないというのだ。ではデザートに何を食べるのか?街を歩くワイルドめの男性に聞くと「大学芋!」と答えるではないか!は?中華のデザートに、大学芋?何かの聞き間違いではないか?「飴のちょっと固まったやつ、あれうまいなあ」と何の疑問もなく言う。
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おねえさんふたりに聞いても「1位は大学芋、2位はゴマ団子」と断定的に言ってのける。「棒棒鶏と、麻婆豆腐と、海鮮焼きそば、最後は大学芋」と、どうやらコース料理の最後に食べたらしい。
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いやいや、大学芋は中華料理ではなく、子どもの頃にお母さんがおやつがわりに作ってくれる、昭和の香りがする家庭料理だろう。分類すれば和食。中華料理店で食べる類のものではないはずだ。それにコースの最後のデザートとしてはちょっと重たいのでは?

実際、横浜の中華街の名店、菜香新館で聞いてみても「大学芋を使ったメニューはご用意ございません」との回答。そりゃあそうだよね。中華街の30店の中華料理店に聞いてみても、大学芋がメニューにある店はゼロ!一軒もなかったのだ。

ところが大阪のど真ん中、心斎橋の名店、大成閣に行ってみると・・・中華コースを楽しむ女性たちが次々に出てくる豪勢な料理をどんどん食べている。そして最後に出てきたのは、なんと大学芋!お店の人によると、「デザート界ではツートップ。ゴマ団子かポテト、どちらか」なのだそうだ。
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さらに、中華料理店で出てくる大学芋は大学芋ではない、というさらにややこしい説も登場する。「普通にあったら大学芋、中華料理店で出てきたら中華ポテト」と呼ぶというのだ。なんだその「中華ポテト」って?初めて聞く単語!だが確かに大阪の中華料理店のメニューを見ると、デザートの欄に「中華ポテト」と書いてある。なんなの?大学芋とは違うの?大成閣の総料理長・宮振海さんによると「見た目は変わらないけど、中華ポテトは揚げたらすぐに飴を絡めるから、食感がパリパリ」なのだそうだ。
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なぜ大阪では中華ポテトを出すのか、全国中華料理生活衛生同業組合連合会の小林芳春さんが教えてくれた。「北京料理を作り上げた中国山東省の人たちが明治から大正時代に大阪に来て北京料理店を開きました。北京料理の中には抜絲地瓜(パースーチーカオ)という、芋を飴で絡めた料理があり、宴会のデザートで出されていました。やがて北京料理店以外の中華料理店でも中華ポテトとしてコースのデザートに出すようになりました。」そうだったのか!ちゃんと歴史的背景があるんだな!

さて放送後、Twitterではこの中華料理店の中華ポテトがどれくらい当たり前かで議論になっていた。大阪に長らく住んでいるが食べたことない、知らない、との声もあった。大阪でも街によって出す店、出さない店があるのかもしれない。また福岡でも中華料理店で出てくる、との声もあった。

いやあ、大阪はまだまだ奥が深い。知らないことはもっと眠っているに違いない。大阪の皆さん、他にもいろいろ、面白い独特の文化があったら教えてくださいね!

【文:境 治】
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