小樽市民は焼肉のシメにスープで割ってタレを飲む…って理解できない!?

2021.11.29

小樽市民は焼肉のシメにスープで割ってタレを飲む…って理解できない!?
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焼肉のシメといえばあなたは何?スタンダードなのは冷麺、クッパ、あとはいきなりデザートでアイスクリームを食べる人も多いだろう。ところが北海道小樽市のみなさんは違うらしい。

11月25日放送の「秘密のケンミンSHOW極」では過去の「ケンミンの秘密」を掘り起こし、いまはどうなってるかを取材した。なにしろ15年目の「ケンミンSHOW」。全国の秘密がストックされている。

2009年の取材映像を蔵出しすると、小樽市を訪ね歩く場面が出てきた。町を歩く人に焼肉のシメについて聞くと、「たくさんの味が詰まっているじゃないですか」などと言う。どうやら冷麺でもアイスでもなさそうだ。そこで取材陣は焼肉屋さんへ。

小樽でも焼肉屋さんは大賑わい。あるテーブルのお客さんが「スープください」と呼ぶと店員さんがすかさず持ってきたのはポット。それを受け取ったお客さん、自分が使っていた焼肉のタレの器に、ポットからスープを注ぎ込む!えー?!タレにスープ?そしてお客さんたち、スープで薄めたタレを飲み始めるではないか!飲むの?タレを?
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なるほど、町で会った人が言っていた「たくさんの味」とは、タレのことか!確かに、いろんな焼肉を食べた後のタレは「たくさんの味」が詰まっていそうだ。いやでも、タレを飲むってわかんない。見ている側はちょっと引いてしまうが、小樽のお客さんたちは「シメはこれ」となんだかドヤ顔で言ってのける。

気がつくと、どのテーブルでも焼肉を食べ終わったらスープをすすっている。「スープを飲まないと、終わった感じがしない」と言う。取材陣が「え?」と当惑していると「普通普通普通」とくどいほど言ってくる。「普通飲まないんですけど」と言うと「普通飲むの!」と一斉に反論。すみません、小樽では普通なんですね。
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このスープは、何なのか?老舗の焼肉屋さん、三四郎で作り方を見せてもらった。寸胴に水を入れて昆布を数枚加える。「これが沸いたら完成です」って、ええー?昆布の出汁、それだけ?まあ確かに濃いタレを割るなら、スープの方は薄い方がいいんだろうね。「カルビ系が多い時は濃い味になるし、内臓系が中心だとあっさりした味になる」と解説する小樽市民。なるほどねー。

その小樽に12年後の今年、訪れてみるとどうだろう。みなさん相変わらずタレスープを飲んでいるのだろうか。

町の人に聞いてみると「ああ〜」と言うので、ひょっとして変わった?と思ったが「飲みます」と答えた。「焼肉やった後に、普通にスーッて」ああ、普通なのね、今もね。なんだか安心したような、そうでもないような。「ラーメンのスープはよく最後まで飲むでしょ。そんな感じ。」まあラーメンのスープは飲みますけどね。とにかくタレのスープ割は健在だった!

12年前に取材した三四郎に行くと、相変わらずお客さんがいっぱい。そして締めに入るお客さんが「スープお願いします」と注文している。やってきた店員さんが持つポットには、昆布スープが!うん、変わってないぞ!「自分で飲んでみないとわからないよ」と言うお客さんに迫られたスタッフが、焼肉を食べてスープ割のタレを飲んでみた。「けっこういけますね」と言ったというか言わされたというか。でもお客さんたち「だから言ったっしょね!」「ヤバいっしょ!」と勝ち誇ったように言う。

さらにこのタレのスープ割り文化が、札幌市のジンギスカンに飛び火しているという。あるテーブルでジンギスカン終了間際にやってきたポット。入っていたのは、お茶!え?昆布スープじゃないの?なぜかジンギスカンのシメにお茶でタレを割る人々が出てきているという。うーん、これ他県にも飛び火するのかなあ。あんまり気が進まない食文化なんだけど。
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まずは北海道に行って、現場で試してみようかね!

【文:境 治】
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