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【連載】気象予報士・蓬莱大介の【お天気ライブ ほうらい屋】【47】

【蓬莱さん解説】秋の空は高いって本当?

2022.10.06

蓬莱大介(気象予報士)
【蓬莱さん解説】秋の空は高いって本当?
©ytv
「秋高し・天高し」

これは、俳句の秋の季語です。
秋の晴れた空は、空気が澄んでいて、空も高く感じられるということです。

秋は、夏の暑さも収まって、乾いた風が心地よく、ずっとこれくらいの気候でいいのになと誰しも思ったことがあるのではないでしょうか?

春は、秋と同じくらいの気温になりますが、秋のように空が高いとはあまり感じられません。

秋の空はどうして高く感じられるか、今回はそんな話題です。
理由は大きく2つです。

まずは、実際に空が高くなっているかを調べてみました。
地球をとりまく大気は、いくつか層になっていて、雲ができ、空気が上下の対流を起こす層を「対流圏」、
それ以上を「成層圏」、「中間圏」、「熱圏」と続くのですが、この「対流圏」に、大気の約80%があります。
この大気は、空気の温度が上がると、膨張します。
対流圏のてっぺんを対流圏界面というのですが、その高さは、春(4月)だと約10キロまで。
秋(10月)だと約15キロまで。
冬→春は、まだ空気が温まっていないので、対流圏は低い。
夏→秋は、温まった空気が残っていて、対流圏は高いというわけです。
そうすると、空の一番高い所にできる、すじ雲(巻雲)やいわし雲(巻積雲)の高さが、春と秋で約5キロも違うんです。なので、実際に、秋の方が、雲が高くにあるように見え、空を高く感じるのです。

次に、秋の方が空気が澄んでいるということも空が高く感じる理由の1つです。
夏→秋は、夏に繁茂した植物が地面を覆い、砂埃などを巻き上げにくいということが考えらえます。
また、まだ暖房器具を使っておらず、石炭などの煙も少ないということもあるでしょう。
逆に、春は、「春霞(はるがすみ)」という季語があるくらい、空が霞みやすいんです。
冬の雪がとけて、地面があらわになって、まだ植物が地面を覆っていない。砂埃が巻き上げられやすい。
暖房器具の使用や大陸から低気圧によって黄砂が巻き上げられて日本列島に流れてきやすい、そして、花粉が飛散するなどが考えられます。

これらの理由から秋の空は高いというわけです。

陰陽道でいうと、
春は、冬の太陽の光が少ない「陰」から光が増えてくる「陽」に向かう時期。
新生活などに期待が膨らみながら、なにかと忙しい頃。

秋は、夏の太陽の光が多い「陽」から光が少なくなる「陰」に向かう時期。
冬の寒さに備えて、心身ともにペースダウンしようとする頃。
心静かに、穏やかに、秋の空を眺めてみてはいかがでしょうか?


実際に、写真を並べてみましょう。違いがわかりますね。
春:2022年4月21日18時28分の夕暮れ
撮影:蓬莱大介

春:2022年4月21日18時28分の夕暮れ

秋:2022年9月26日18時13分の夕暮れ
撮影:蓬莱大介

秋:2022年9月26日18時13分の夕暮れ

春:2022年3月21日11時53分の青空
撮影:蓬莱大介

春:2022年3月21日11時53分の青空

秋:2021年10月4日12時41分の青空
撮影:蓬莱大介

秋:2021年10月4日12時41分の青空

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