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【連載】影山貴彦のウエストサイドTV【26】

「ほんわか」の大切さ、今こそ。

2021.04.23

影山貴彦
「ほんわか」の大切さ、今こそ。
©ytv
 今朝起きて、ふと「ほんわか」という単語が頭に浮かびました。「心がなごんで、気持ちのよいさまのこと」と辞書にあります。「心がなごむ」ことからも「気持ちよいさま」からも、いささか距離のある日々を強いられている私たちですが、なんとか、明るい気持ちだけは心の中に失うことなく、過ごしていきたいところです。
 
 「ほんわか」でネット検索をしてみます。「大阪ほんわかテレビ」が一番にヒットしました。関西に長らく住まう私にとっては、極めて当たり前と受け止めましたが、全国のみなさんにおかれましては、え?何?と感じる方も、正直少なくないかもしれません。

 「大阪ほんわかテレビ」は、読売テレビが制作し、毎週金曜の夜7時から放送されている、関西ローカルの情報バラエティ番組です。1993 年の6月に放送がスタートしていますので、まもなく放送開始から28年を迎えます。関西を代表する人気、長寿番組なのです。ちなみに、ですが2015年3月までは、毎週日曜の夜10時半から放送されていました。現在は、広瀬すずさん、櫻井翔さんが出演するドラマ「ネメシス」が放送されている枠です。

 話を「ほんわか」に戻します。「大阪ほんわかテレビ」は、まさにそのタイトルが示すとおりの番組です。内容的には28年の歴史を経てリニューアルされてもいますが、変わらないのは、「心がなごみ」、「気持ちよいさま」の空気感を作り手と演者が心がけていることでしょう。

 番組を引っ張ってきた笑福亭仁鶴さんは、現在ご体調のこともあって、顔出しはしておらず、間寛平さん、桂南光さんらを中心とした出演者たちが盛り上げているのですが、ずっと変わらないのが「ほんわか」のテイストです。長らく番組の作り手のひとりとして関わってきたゼミの教え子も、「番組の一番の魅力は、人です。いっぱい助けられました」と、かつて嬉しそうに教えてくれました。

 考えてみると、「ほんわか」という言葉、最近あまり使わなくなったようにも思います。これもまた時代のせいでしょうか。「癒やし」という単語は、逆によく耳にするようになって久しいですが、私は、どこかゆるくて、やさしくて、ほっこりする、「ほんわか」という言葉が、番組同様に大好きなのです。
執筆者プロフィール
影山貴彦
同志社女子大学メディア創造学科教授
(メディアエンターテインメント)
コラムニスト
元毎日放送(MBS)プロデューサー・名誉職員
ABCラジオ番組審議会委員長
毎日新聞等にコラム連載中
著書に「テレビドラマでわかる平成社会風俗史」、「テレビのゆくえ」、
「おっさん力(ぢから)」など
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