少なくなったはずの銭湯に朝な夕なと毎日浸かっているのは?青森県民!

2022.02.22

境治
少なくなったはずの銭湯に朝な夕なと毎日浸かっているのは?青森県民!
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銭湯と聞くと今や懐かしい。学生時代は通ったものだが、そういえば何年も行ってないし近所にもなくなったという人も多いだろう。ところがいまだに、夜だけでなく朝も、銭湯大好き県民がいる。それは、なんと青森県だ。

何しろ、人口あたりの公衆浴場件数で青森県はダントツ1位(10万人あたり23.2軒)全国平均3軒の8倍にもなる。さらに、温泉・銭湯入浴料の年間支出金額でも青森市が1位(3,132円)だ。毎日銭湯に行ってるとでもいうのか?
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そこで青森に行き調査した。二人の青森マダムは「ちょっと時間あれば、ああ風呂さ行ってくべえ、って」そんな暇さえあれば銭湯ってありえないでしょ。「津軽の人たちの一番の楽しみ」が銭湯なのだという。「仕事行った後に、仕事行く前に」と言うので、ちょっと待って、朝から銭湯ですか?「皆さん朝行ってますよ。朝5時とか」えー?そもそも寝てますけど。「仕事を始める前に身体をきれいにして・・・禊ですね」みそぎと来たか。

聞けば、青森では銭湯といえばほとんど温泉だという。ヤングレディーも「先週行った。」と言うので「銭湯じゃなくスパみたいなとこ?」と詰めると「大浴場」と答える。「遊んで最後にお風呂入って帰る」若者が最後にお風呂なの?
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おじさんたちによると「安いからね、350円」それは安い!都内だと480円するのだが。そしてやたらあちこちにあるそうだ。「そこにもあるし、あそこにもあるし」ええー!っと驚いていると「少しは勉強してから来いよ」となんだか叱られた。

そこで、実際に銭湯に行ってみた。朝6時、気温は-4℃と凍てつく寒さの中、温泉銭湯を訪ねると・・・いるいるいる!こんな朝早くからなぜこんなに大勢が?と言うほどいる。お父さんはゆったりとお湯に浸かってリラックスしてる。「塩梅いいよ。一番風呂最高」と、楽しそうだ。お兄さんは身体を洗って流している。「これから普通に仕事」って本当に禊だなあ。
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今度は弘前市の温泉銭湯へ。朝6時40分なのに、今がピークかと言うほど人が多い。「これからもっと混んできて7時半を過ぎれば座るところない」なんですと、もっと増えるの?

というのも、早朝は9時まで200円と安い入湯料がさらに安くなる。「隣町のは3時50分に開く」というけど、そんなに早く行きませんよ。
青森県内には銭湯が284軒あり、そのうち4割が早朝営業をしている。朝風呂は青森県の常識なのだ。
さらに取材して知ったのが、みなさん車にお風呂セットを積んでいること。いつ入りたくなっても大丈夫というわけ。銭湯が生活のあらゆる時間に入り込んでいるのだ。
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また別の銭湯に午後行くと、この時間は人が少ない。ふと気づくと、床の上で人が3人横たわっているではないか!事件か?と思ったら、寝ているだけだった。湯船のそばで仰向けで寝ることで、溢れ出てくるお湯が背中を流れていく。それが気持ちよさそうだ。これを「トド寝」というそうだ。うーん、気持ちよさそうだなー。
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それにしても、なぜ青森県民はこんなに銭湯好きになったのか?青森県の文化を綴ってきた「グラフ青森」の編集長・下地康一氏がこう教えてくれた。「昭和30年代まで青森ではイカ・ニシン漁など近海漁業が盛んでした。漁が終わった後、銭湯で疲れを癒したがったため、朝から開けるようになり、それが漁師以外の一般にも広まりました」その上、青森は冬が寒く外に出歩かなくなる。そんな時、温泉は良い社交場になったのだろうとも言う。

なるほどねー、しかし銭湯ばっか行ってるけど、家のお風呂はどうするの?これを聞くと青森県民、「自分の家のお風呂には入らない」と答えるからびっくりだ。ではお風呂はどうなってるのか?「お歳暮でもらったハムとかジュースとか置いてます」物置かい!なんかもったいない気もするけど、皆さんの気持ちよさそうな姿を見ると、毎日銭湯もわかるなあ。今度行こう、銭湯へ、温泉へ!

【文:境 治】
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