読売テレビがお届けする、テレビを楽しむ読み物メディア

再戦間近!火花散るアメフト宿敵 「2度目の対決」の深い意味 〜リベンジ狙う立命か、手負いの関学か〜

2017.11.28

スポーツの秋、いろいろな競技がクライマックスを迎える季節。大学のアメリカンフットボールも日本一の栄冠を目指す各チームの戦いが熱を帯びてきた。中でも、元々アメフト人気が高い関西では、いま注目のライバル「再戦」に向けて盛り上がりを見せている。

50回以上のリーグ優勝を誇る関西学院大学、90年代以降メキメキ力をつけてきた立命館大学。この両校は激しいライバル意識剥き出しに、毎年優勝争いを演じている。一昨年までは、関西学生リーグでの優勝校だけが日本一に向けた「次の試合」へコマを進めることができたのだが、昨16年シーズンから関西学生リーグの1位と2位の2校が甲子園ボウル(全日本大学選手権)の西日本代表をかけたトーナメントに進むシステムに改められた。関西学生リーグ強豪の実力が、東海や九州などの地方を大きく上回っているという「現実」を踏まえた形となったのだが、この変更が両ライバル校の戦いをさらに熱いレベルへと引き上げている。つまり、リーグで一度対戦して‘優勝’しても、日本一をかけた「甲子園ボウル」に出るためにはもう一度宿敵を下さなければならない可能性が高まったのだ。

新システム導入初シーズンとなった昨季は、やはり立命と関学が全勝を守りリーグ最終節で激突。積極的な守備力を見せた関学が22-6で勝利しリーグ優勝を決めた。だが関学の選手達に歓喜の表情は一切なかった。選手にとっての勲章はリーグ優勝という「名」ではなく、ライバルを上回る真の実力を証明するという「実」だからだ。その2週間後に再び相まみえた両チーム。立命は猛烈な悔しさを胸にトーナメントで名城大(東海)を下し再戦に臨み、一時は試合の流れを主導するまで健闘したが、攻守の第一線で激突するライン戦で優位に立った関学が結局26-17でその挑戦を退けた。その後、関学は甲子園ボウルで東日本代表・早大を下し大学日本一に輝いたのである。

「関学に2度負けた」…立命にとって、その悔しさはどれほどのものだったろう。悲願を達成できなかった4回生の涙を受け継いだ下級生は、17年度の新チーム、最終学年を迎えたRB西村や綺羅星の如く現れたルーキーRB立川らの活躍でリーグ戦を力強く勝ち抜いてきた。そして迎えたことし11月19日の最終節。全勝・関学との決戦はまさに気合十分、去年とは逆にライン戦で優位に立ちほとんど関学に「フットボール」をさせない完璧な試合運びで圧倒。21-7というスコア以上の内容でリーグ優勝の座を奪い返した。

一方、ほぼ何もできないまま宿敵に屈した関学。去年とは立場が逆転、立命が味わったあの悔しさの只中にいる。特に19日の試合は正確かつ緻密な関学らしさをほぼ封じられ、力負けした。だが去年からの新システム、再戦に勝利すれば自らの取り組みがライバルより上だったと証明でき、日本一への道が開ける。今月26日、関西リーグ2位として名古屋大(東海)戦と対戦し49-17で勝利。立命への再挑戦権を手にした。

去年からの新システムは、これまで幾多の名勝負を見てきたファンの間には、かつての「リーグ戦一発決戦」復活を望む声が少なくない。だが、観客の視点・競技普及の観点から、激しい火花散る、緊張感あふれる国内最高峰レベルの、さまざまな思惑と戦術が絡み合ったライバル対決を、短い間に「2度」も見られるのは意味が大きい、という声があるのも事実だ。
学生スポーツでのライバル対決は一見その年ごとに完結しているように見えるが、実際は長いチームの歴史とそれを紡いできた選手達の思いのうえに成り立っている。ことしの勝利は単にことしだけでなく、去年あるいはそれよりもはるか前からの取り組みや関係者の支援、思いの証明だったりすることが多い。そういう点からも、このアメフト立命・関学の両校は、歴史もある超一流のライバルと言って差し支えないだろう。

両校の選手やチームにとって決して負担は少なくないだろうが、観客側からすればハイレベルな決戦がまた見られるという幸運。また、去年の関学ー立命戦はじめこれまでの関西学生リーグの名勝負は「あすリートチャンネル」で無料配信中。ぜひ多くの人に、この競技、思いのすべてをかけたライバルの激突を見ていただければと思う。

手負いの関学が生まれ変わり下克上を成し遂げるのか、それとも立命が去年「関学に2度負けた」悔しさを完全に晴らすのか。答えはもうすぐ…12月3日(日)に出る。

【文・山本一宗(読売テレビ)】
この記事を共有する