岸田政権の新資本主義で我々の収入は上がるのか?議論するほど、上がらない結論しか見えない!

2022.03.16

岸田政権の新資本主義で我々の収入は上がるのか?議論するほど、上がらない結論しか見えない!
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「落語とは人間の業の肯定を前提とする一人芸である」と語ったのは、故立川談志。3月13日の「そこまで言って委員会NP」では、その弟子である立川志らく氏の古典落語で描かれる「業」を通して今の世界の先行き不透明な出来事を徹底検証、するはずだったのだがその志らく氏が新型コロナ陽性となりお休み。代わりに弟弟子の立川談笑氏が出演し、様々な不透明の先行きを論客たちと議論した。

最後のテーマが岸田首相。「新資本主義」を唱える岸田政権の経済政策で日本の賃金は上昇するかを論客たちに聞いた。

須田慎一郎氏は「業績が良くならない限り上がらない」と回答。「2013年から賃上げした企業には税制優遇すると言ってきたがほとんど上がらなかった。安倍政権の時に導入した政策だ。岸田氏は安倍菅体制とは一線を画すと言うがやってることは同じ、パクリだ。」竹田恒泰氏が追い討ちをかける。「新しい資本主義自体が詐欺だ。新自由主義がダメだから分配だと言うがそもそも日本は一度でも新自由主義に本腰を入れたことはない。チョコッと規制緩和した時期があったが、それ以上に規制ができちゃって、新自由主義を日本は一度も経験していない。」
宮家邦彦氏が落ち着いてこう述べる。「賃金を上げたいと思ったら生産性を上げなければならない。だがデジタル化も中途半端、規制緩和も中途半端、なんでも中途半端で改革が徹底しない。ただこれからインフレになるので賃金を上げざるをえない。そこで生産性の高いものと低いもので淘汰が起きてしまう。生産性の高いものに流れていくしかない。」丸田佳奈氏が「失業率が上がる?」と聞くと「多少上がるだろう。」と宮家氏は嘆くように答えた。
須田氏が重ねる。「インフレというよりスタグフレーションが起こるのではないか。景気が悪い中での物価上昇が起こり、それでも賃上げができない状況でインフレになるからみんな困る。」

番組議長・黒木千晶アナが「最近コンビニで買い物してサラダだけで二、三百円も取られる。」とリアルに嘆く。宮家氏は「いままでのやり方ではもう立ち行かない。ショック療法とは言いたくないが、本当に今までのやり方を変えるべき。」
丸田佳奈氏が「結局はお願いベースになっている。だが70%の労働者は中小企業で働いており、中小企業はお金がない。払えと言われても払えない。一番最初のとっかかりを政府がドーンとやっていかないと何も変わらない。」
そこに近藤大介氏が「韓国は文在寅政権が毎年10%ずつ最低賃金を上げた。」すかさず丸田氏が「引き上げたせいで失業率が増えた。」と言うと「経済が無茶苦茶になった。」と近藤氏。
黒木アナが「いい話ないんですか?」と聞くと竹田氏が「岸田さんじゃなく、AIを首相にしたらいいと思う。」いつもの暴論になってきた。これには近藤氏が「AIが日本はもう詰んでますと言うかもしれない。」と救いのないことを言う。
宮家氏は「リーダーじゃない。」と言う。「今までのものを守ろうとする力からブレイクスルーして、新しく生産性の高いビジネスを作っていくスタートアップが必要。」
須田氏はリーダーが大事だと主張。「バイデン大統領はどうしようもないリーダーだが、とりあえず巨額のコロナ対策の予算を通した。そう考えると岸田氏よりバイデンの方がいい。リーダーは大事だ。」
竹田氏がまた「だからAIの方がもう絶対にいい!」これに丸田氏が「日本のサイバーセキュリティでは中国に乗っ取られて終わりでは。」

混沌とする議論に、黒木アナが「最後にスカッと笑いたいので。」と談笑氏に振った。
「(落語の「壷算」を改作して)テレビを騙して買う話を私は作った。大きいテレビを小さいテレビの価格で買ってしまうという話。作ったのが20年前、その当時はみんなテレビが欲しかった。今、テレビなんてもう売れなくて困ってる。」
「やめてー、テレビ局でそれを言わないで。」と悲鳴をあげる黒木アナ。
「志らくさん、早く帰ってきて!」と談笑氏が叫んで終わった。

楽しく終わったが本当に私たちの収入は上がりそうにない。個人で自己防衛するしかないのかもしれない。

【文:境 治】
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