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【連載】ここがオモロイ!「秘密のケンミンSHOW」

大阪人はかんぴょう巻きを知らない?というか興味ない?というか嫌いなの?

2021.12.28

境治
大阪人はかんぴょう巻きを知らない?というか興味ない?というか嫌いなの?
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江戸前寿司では締めくくりに欠かせないのがかんぴょう巻き。銀座久兵衛の二代目・今田洋輔氏もかんぴょう巻きについて「のり巻きの中でも主役というか、昔から寿司が好きな人が頼む。シャリとかんぴょうのバランスが大事で握り手の技量による。」とおっしゃっている。

寿司好きの江戸っ子に聞くと「細巻といえばかんぴょう巻き。鉄砲が好き。」鉄砲って何ですか?と聞くと「かんぴょう巻きにわさびを入れること」と教えてくれた。通だなあ。別の人は「やっぱり最後はわさびをいっぱい入れてもらったかんぴょう巻き。さっぱりするしね、これでおしめえだとキリがいい。」といかにも江戸っ子らしく言う。
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ところが大阪の商店街でおっちゃんに「細巻といえば?」と聞くと「そらいっぱいあるやろ。きゅうり、まぐろ、新香・・・その他にあるか?」あれ?かんぴょうは?「ない。かんぴょう巻きはないなぁ。」ええー?!東京では欠かせないとまで言われたかんぴょう巻きがなぜ出てこない?「頭の中にないがな、かんぴょう巻き。ないないない。」存在しないように言うではないか。

子どもたちとお母さんにかんぴょう巻きを見せると「たくあん?」「新香巻き?」とわからない様子。かんぴょう巻きだと説明すると「正直、おいしそうに見えへん!」「お供えもんや!」「それにお金使いたくない。」と散々な言われよう。

そこでスタッフは、丸十という老舗のお寿司屋さんに行ってみた。さりげなく他の注文と一緒に「あと、かんぴょう巻き」と言ってみると「かんぴょう置いてないんです、ごめんなさい」と丁寧に断る寿司職人さん。「あんまり寿司ネタとしては歓迎されないですね。」と、丁寧な全否定。東京ではかんぴょうをうまく煮て一流とおっしゃる職人さんもいますが、とスタッフが言うと「かんぴょうなんて誰が炊いても変わりませんからね」と江戸前の寿司職人さんと激論になりそうなことを言う。
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実際、スタッフが聞いて回ると一般的なお寿司屋さん100軒中78軒がかんぴょうを置いてなかった。では回転寿司はどうだろう。大阪発の全国チェーン「くら寿司」に聞くと、やはりメニューになかった。「関東に進出する際に、東日本限定で販売するようになりました」スーパーの寿司売り場にもかんぴょう巻きはなく、東京では入っていた助六寿司にも入ってない!

そもそも、のり巻きは江戸時代半ばから後期に江戸で生まれ、当時はのり巻きといえばかんぴょう巻きだった。かんぴょう巻きに限らず、具が一種類の細巻は東日本で好まれ、西日本では太巻きが主流。かんぴょうの一大産地、栃木県から遠かったこともあり、大阪ではかんぴょう巻きが普及しなかった。

では大阪では寿司の締めに何を食べるのか?あるお店では「ギョクアカ」と注文すると卵が入った赤だしの味噌汁が出てきた。他にもだし巻き卵や茶碗蒸しと、なぜか卵の入ったものを最後に注文する傾向があるようだ。
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しかし食べたことがないだけではないか。そこで大阪人に強引にお寿司屋さんでかんぴょう巻きを提供してみた。若い3人連れに出してみるといきなり「?」な反応。「まぐろ?」とか言うし。拒否反応にめげずに無理やり食べてもらったが「いける?」「いけん!」とダメ出し。「これでお腹いっぱいなったら嫌や。もったいない」「これやったらかっぱ巻き食べる。」と全員ネガティブ。東西の食文化の壁は高い!

東京の人にはおいしいものが大阪の人にはそうでもない。まあ、そういう違いがあるから、また面白いんだろうね!

【文:境 治】
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