日本で一番うまい海苔やけん!佐賀県民の誇りは有明海の海苔にある

2019.02.15

‎2月14日放送の「秘密のケンミンSHOW」ではヒミツの名産地のコーナーで佐賀県の海‎苔をフィーチャーした。売るほどあるから持ってきな!‎

佐賀県というと、九州でもちょい地味な存在。はなわが自虐的な歌にしたのはもう10年以上前だがいまだにみなさん覚えているだろう。賑やかな福岡県と観光地の多い長崎県に挟まれて、いまひとつ自己主張できていない。‎

だがその佐賀県の海苔は一級品!築地の海苔専門店では最高級のものが一万円で売られ、‎寿司の名店でも使われる海苔は佐賀県産が多い。‎
スタッフが佐賀県に行って海苔について聞くと、誰も彼もが誇らしげに語る。佐賀の海苔はおいしいし、佐賀県民は海苔をよく食べるのだという。何しろ大量に作っているので、あちこちからもらうのだそうだ。‎

‎「海苔にお金を払ったことない!もらうから!」とどこか自慢げにおじさんが言う。家に何枚あるのかを聞くと、‎
‎「1000枚かな2000枚かな」と豪快なことを言う。‎
若き海苔漁師たちが言うには、佐賀の海苔は柔らかくて口どけがいいそうだ。‎
‎「海苔の大トロ!」と威勢よく言う。‎

有明海に船で出ると5分ほどで海苔の網が並ぶ場所に着く。見渡すとそこら中が海苔の網だらけで水平線まで埋め尽くす勢い。そこには網が30万枚も並んでいて、山手線の内側より広い面積だと言うではないか。佐賀県では日本海苔の4分の1を生産している。‎まさに海苔王国なのだ。‎
佐賀県民のお宅を訪ねて海苔をどう保管しているかを聞くと、冷蔵庫、しかも冷凍室を開けて見せる。そこにはどっさり海苔が積まれているではないか。400枚くらいあるそうだ。もちろん全部もらいものだという。‎

開けてみると、我々が知る海苔より少し黒っぽい気がする。「ほしのり」だからと言う。‎漢字で書けば「乾海苔」で、焼く前のもの。我々がよく目にする海苔は焼き海苔だったのだ。この乾海苔を火で炙って食卓に出す。直前に焼いて、好みのパリパリ感に仕上げるそうだ。‎
有明海の海苔づくりは意外にも昭和28年ごろから盛んになった。たくさんの川が流れ込んでいて海水は栄養が豊富。干満の差が大きいので干潮時には太陽の光をいっぱいに浴び、満潮時には海の養分をたっぷり吸うので、おいしく育つのだ。‎

その有明産の海苔を、佐賀県民は「日本で一番うまい海苔やけん!」と誇らしげに言う。‎おいしいから醤油もいらないと、何もつけずにそのままパリパリ食べる。ごはんを巻い‎ては海苔を食べ、刺身を乗せては海苔を食べる。‎
行列ができるラーメン屋に行くと、トッピングで海苔が選べる。それをちぎってラーメンに乗せ、スープに溶かし込んで食べるのだ。海苔たっぷりのラーメンをすすりながら佐賀県民おねえさんが、‎
‎「佐賀は田舎やけん何もないやん。でも海苔漁師さんたちが体張って命かけて作った海‎苔はおいしい」と、佐賀県民であることの誇りと喜びを言葉にする。その様子にはちょっとグッときた。‎
佐賀県民の誇りが海苔にはある。小さな県だけど、日本一の海苔を全国に送り出しているのだ。そのおいしさに佐賀県民への感謝とリスペクトを感じながら、朝ごはんの海苔をみんな、食べようぜい!‎

【文:境 治】
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