【新潟県】模造紙のことはタイヨウシ?じゃなくてオオバンシ?いやガンピ?なんだそれ?

2023.03.14

【新潟県】模造紙のことはタイヨウシ?じゃなくてオオバンシ?いやガンピ?なんだそれ?
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東京汐留署の神宮寺剣はケンミン刑事とも呼ばれる凄腕捜査官だ。他のことはベラベラ自供するのに出身県だけはなぜか黙秘する容疑者たちの、ちょっとした一言やクセからプロファイリングしてどこの県かを言い当てる。親指と人差し指で作ったリングを通して、見事に出身県を見抜くのだ。

今回は、宝石やブランド品の偽造品を売り捌いて荒稼ぎをしていた容疑者・本間謙蔵を捕まえた神宮寺と部下たち。「偽物と気づかない奴らが悪いんだ」と毒づく本間だが、やはり出身県を聞かれると「ヒ・ミ・チュ」と馬鹿にしながら口を割らない。

壁にはメンバーの営業成績がグラフにして貼り出されていた。本間が手下たちを焚きつけるのに使っていたようだ。「こうやってタイヨウシに成績書いて貼っておくとみんな張り切って偽造品を打ってくるんだ」と得意げに説明する本間。だが「タイヨウシ」のところで首を傾げる刑事たち。
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その時、神宮寺の耳がピキン!と何やら気づいた様子だ。「プロファイリング」とつぶやき、指のリングで本間を見通し、頭の中でデータが回り始めた。

「故郷は、ただ一つ!」キターーー!神宮寺が答えを出すぞ!「そこは高等学校等進学率が99.6%で日本一!」「一人当たりの虫歯が0.2本と日本一少ない」言いながら本間を追い詰めていく神宮寺。なぜか必死の形相で逃げ場を失っていく本間。「そして、本間という苗字が日本一多い県」毎回なぜか容疑者の苗字は出身県で一番多く、定番のセリフだ。

「君は!」と指をさされ固唾を呑む本間。「新潟県民だ!」「なんでわかったんだ」犯人と言い当てられた時のように崩れ落ちる。さっきまで、刑事たちをせせら笑っていたくせに、出身県を言い当てられるのがそんなにショックなの?

そしてなぜ出身県がわかったか、推理を明かす神宮寺。「この大きな紙、一般的には模造紙と呼ばれる。だがこれをタイヨウシと呼ぶのは、新潟県民の証だ。」

タイヨウシが決め手だろうとは思っていたけど、模造紙をタイヨウシと呼ぶってほんとなの?

模造紙は、製図や掲示物に使う大型の紙のこと。小中学生の頃は、授業や催しで何か発表したり展示する際に誰しも使ったことがあるだろう。
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新潟では本当に「タイヨウシ」と呼ぶのか?三条市に行って女性二人に模造紙を見せ何と呼ぶか聞くと「タイヨウシ」とあっさり回答。「小学校で発表するときに大きく書く紙。」「みんな使ってるよね」違和感があると言うと「タイヨウシなんだよ!」と笑いながらキレていた。
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新潟市の男性集団に聞いても「タイヨウシ」と一斉に回答。「模造紙じゃないですか?」と聞くと「模造紙?」「模造紙?」と何それ的な反応。「新潟だとお兄さんの方が変わった人」

実際に使っていそうな小学校にお邪魔し、ちょうど発表の授業だったので見ていると、まず先生が「タイヨウシを配るので、タイヨウシが破れないように」と連発。小学生たちに聞いても「タイヨウシ」「タイヨウシ」と声を合わせて回答。「タイヨウシって知らなかった」と言うと「知っといてくださいよ」と要するに馬鹿にされた。
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「タイヨウシ」は「大洋紙」と書くそうだ。大きな洋紙、というストレートなネーミングなのだろう。よく考えると「模造紙」の方が奇妙な気がしてきた。何を「模造」したと言うのか。神宮寺が解説する。

明治時代に大蔵省印刷局がツヤがあり耐久性も優れた上質な紙を開発した。それをヨーっロッパが改良し、より安価で良い紙を開発した。それをまた日本が模造した。だから模造紙と呼ばれるのだという。そうだったのか!タイヨウシに驚く前に、模造紙の由来を知らなかったじゃないか。

ところが新潟では「模造した紙」という言葉がなじまず、大きな洋紙ということで「タイヨウシ」となった。実は他にも、富山県では「ガンピ」山形県では「オオバンシ」と呼ばれ、さらに愛知・岐阜県では「ビーシ」香川・愛媛・沖縄県では「トリノコヨウシ」熊本県では「ヒロヨウシ」と呼ばれているという。
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最後に神宮寺は容疑者たちに模造紙を渡しながら「人生を白紙に戻し、明るい未来の地図を描くんだ」と諭す。とってつけたような感じもあるが、神宮寺が言うとなぜかしんみりしてしまう。それより模造紙にこんなにいろんな呼び方があったなんてと感心しつつ、神宮寺のセリフにホロリとする、よくわからない終わり方となった。

【文:境治】
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