【長崎県】お墓で花火!灯籠流しに爆竹パパン!長崎のお盆が派手でスゴい!

2023.09.22

【長崎県】お墓で花火!灯籠流しに爆竹パパン!長崎のお盆が派手でスゴい!
©ytv
お盆と言えばお墓でご先祖様をお迎えする、厳かな行事というイメージ。
だが長崎市のお盆は違うらしい。「クリスマスより楽しみな行事」と長崎県民は言う。
WBCやW杯くらいワクワクする」ってどんな行事?
お墓で花火をパンパンパンパン!」えー?!ご先祖様が怒らないのか?
先祖が主役のパーリーナイトですね」そんなお盆ってあるの?

そこでお盆の夕方、墓地に行ってみると子どもたちからお年寄りまでお墓の前で花火大会!
しかも線香花火をチロチロというレベルではなく、打ち上げ花火やガンガン火花を噴き出す賑やかな花火ばかりだ。

©ytv
©ytv
ご先祖様、帰ってきて〜」と言いながらみんなで笑ってる。お盆ってそんなことでいいんだっけ?
「盛り上がってるのが大好きなおばあちゃんだったので、ワイワイガヤガヤやってるのを届ける」
むしろ賑やかで楽しいのがご先祖様のためにはいい、との考え方らしい。
©ytv
しかもお父さんは缶チューハイをがんがん飲んでる!お墓で酒は不謹慎に思えるが「墓で酒はアリやろ」と気にしてない。「賑やかにしとらんと供養できん。ご先祖様もヤッター!と帰ってきてるんじゃない?」こんな陽気なお盆は見たことない。
©ytv
お盆の時期になると花火の専門店はもちろん、お墓の近くの様々なお店で花火が売られる。
©ytv
お店をのぞくと人でごった返し、それぞれ買い物カゴに山盛りの花火を買っている。
中には5万円分買った人もいてびっくりだ。小さなお嬢ちゃんはポチ袋からお金を出して払っていて、
長崎ではお正月のお年玉とは別に、お盆になると親戚が子どもたちに「花火代」をくれるそうだ。
©ytv
だが長崎のお盆の本番は翌日の精霊流し​だと言う。ああ、あれねと、さだまさしの悲しげな歌を思い出す。
ところが「精霊流しはあの歌で誤解されてる。」との証言が!
「初盆のお家が弔いの船を作ってお見送りをする」ここまではわかるとして「耳栓しないと爆竹の音がすごい」と言うのでイメージが違ってくる。

8月15日、精霊流しの当日になると長崎市のメインストリートは交通規制がしかれ、人々が沿道に陣取り始める。パレードを見物する準備のようだ。17時になると、故人の遺影を飾った船が次々に通りを流し始めた。
船といいつつ、車輪がついててお祭りの山車みたいなもの。

そこへ、男性が何かに火をつけて道に投げ込む。バチバチバチ!そう、爆竹だ。しかも箱ごと火をつけて放つので、大量の爆竹がものすごい音で炸裂!
これをあちこちでやるので、中には耳栓をする人もいるほどだ。これが精霊流し?見た目は暴動だよ。
©ytv
船を引く人に聞くと「賑やかで楽しそうにしてるのが好きな父だったから、喜んでるはずなんです。最後の親孝行です」初盆を迎えた、つまり亡くなって間もないご家族を、大勢で楽しく見送るから喜んでくれるのだ。そう思うと、グッとくる。

船にもいろいろあって、派手で大きなものもあれば、家族が手で運ぶハンディタイプの小型のもある。
ホームセンターで売っているそうだ。へー!中には故人が好きだったものを飾った船も。
惑星や宇宙服を模した飾りをつけている船は「母が亡くなったら天国ではなく宇宙に行くよ、と言っていたので、宇宙をイメージして母を送り出したい」との思いで作ったものだ。これまた胸がじんとする話。
©ytv
長崎学研究所の元所長、土肥原弘久さんによると、長崎の精霊流しは江戸時代中期に始まったそうだ。
当時、オランダや中国と交易していた長崎で、唐人さんたちが亡くなった方たちの御霊を船に乗せて供養する彩舟流しという行事があった。その影響もあって、現在の長崎の精霊流しになったと考えられるという。

この精霊船、最後は港にある「流し場」に運ぶ。海に流すのかと思いきや、それは江戸時代までで、いまは重機で潰すのだそうだ。
亡くなった方のためだけに作った船だから、使いまわしたりはしない。楽しいお盆は終わり、船もおしまい。
亡くなった方たちも、賑やかな時間を家族と過ごして天に向かうのだろう。派手さにびっくりしたけど、長崎の独特のお盆は素敵だった。
リンク
この記事を共有する

新着記事

新着記事一覧へ

アクセスランキング