古墳ならうちの横やけど?祝、世界遺産!なんて身近な大阪府民と古墳

2019.08.02

古墳ならうちの横やけど?祝、世界遺産!なんて身近な大阪府民と古墳
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先日、世界遺産に認定された大阪の古墳。ああ、仁徳天皇陵ね、と思ってたら正式には「百舌鳥・古市古墳群」が認定対象だと知り、戸惑った人も多いのではないか。「群」?仁徳天皇陵だけじゃないの?「群」というほどたくさんあるの?何しろ他県民が知っているのは、前方後円墳の代表例として教科書に出てきた仁徳天皇陵の写真だけ。それ以外にあるの?群と呼ぶからには古墳が群れとなって存在するのだろうけど、ちょっとイメージができない。

だが当地に取材すると、そのあたりの大阪府民にとって古墳がかなり身近な存在だとわかってくる。今回認定の対象となったのは、大阪市の南にある堺市、藤井寺市と羽曳野市一帯に広がる古墳群だという。それらの町に行くと、出会う人びとが口々に古墳の身近さを当たり前のように話してくれる。「身近なもん」「道にポコッと、路地にピッと古墳がある」「犬がおしっこしてまう」この一帯の大阪府民は古墳の中で暮らしているのか?
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その古墳に行ってみよう!だが仁徳天皇陵を見に行くと、あまりに大きいので近づいても森とお堀しか見えない。どの方向から見ても森とお堀で、これではさっぱりわからない。ドローンを飛ばすとようやく、あの教科書で目に焼き付いている鍵穴型の前方後円墳が映像に収められた。仁徳天皇陵は日本最大で、真ん中の鍵穴の部分だけで486mもあるという。エジプトのピラミッドより面積では大きいのだ。

そして空から見て驚くのは、仁徳天皇陵につながった形で別の古墳が存在することだ。日本3位の大きさ、履中天皇陵だという。なにしろ、この百舌鳥・古市古墳群には89基もの古墳があるので、空から見るとつながっていたりあちこちにあり、まさに「群」なのが確認できる。堺市役所の高層館から眺めると、さらに奥には日本7位のニサンザイ古墳も見ることができる。なんという多さ!我々他県民は、仁徳天皇陵の周りの状況を知らなかった、知らなすぎだった!
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堺市周辺が百舌鳥古墳群、藤井寺市から羽曳野市一帯が古市古墳群。だから百舌鳥・古市古墳群と呼ぶのかというのも今回ようやくわかった。その古市古墳群には日本2位の応神天皇陵があるのだがそれだけでなく、街を歩くと本当にそこいらじゅう古墳だらけだ。仁賢天皇陵、允恭天皇陵、仲哀天皇陵などの大型古墳もある上に、少し小型の方墳、円墳と呼ばれる古墳もほんとうにあちこちにある。「こんもりしてるのは全部古墳」と言い切る大阪府民もいてたじろぐ。
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仲哀天皇陵を取材中のスタッフが出会ったある大阪府民のおっちゃん。「古墳の隣がうちなんですよ」となんてことない顔で言う。おじゃますると、おっちゃんの家の二階から、歴史ある大型古墳が見えるではないか。まるで庭のように思えてなんとも壮大だ。
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いいなあ、古墳群の町に住むなんて!毎日歴史ロマンに浸れる生活なんて、本当にうらやましい!大阪に行くことがあったら、この一帯まで足を伸ばして、古墳群生活をちょっとだけ味わうのもいいかもね!

【文:境 治】
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