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【連載】中西正男の「そら、この芸人さん、売れるにきまってる!」【21】

「おもしろ荘」優勝からブレーク。最旬コンビ「ダイヤモンド」が放つ色香

2021.03.10

中西正男
「おもしろ荘」優勝からブレーク。最旬コンビ「ダイヤモンド」が放つ色香
©ytv
2021年元日に放送された日本テレビ「ぐるぐるナインティナイン」の「おもしろ荘」で優勝したお笑いコンビ「ダイヤモンド」の野澤輸出さん(34)と小野竜輔さん(30)。今年に入ってから日本テレビ「スッキリ」「シューイチ」など急速に露出が増えています。まさに今凄まじいスピードで人気者への階段を駆け上がっている二人ですが、

―最近、あらゆる番組から引っ張りだこ状態になってますね。

小野:「おもしろ荘」を取ってから、明らかに忙しくなりました。優勝して、お仕事の量としては5倍以上にはなってると思います。

野澤:優勝して、やっと(所属の)吉本興業の社員さんにも認知してもらったといいますか、それまでは社員さんも僕らのことをご存知ではなかったと思います(笑)。それくらい、これまではほとんどお仕事もなかったんですけど、今年1月は一日も休みがなかったですし、いきなり生活が変わりました。

小野:年明けから、アルバイトも辞めることができましたし(笑)。

―アルバイトを辞められたというのは、芸人さんにとって、明らかなステップアップですものね。

小野:そうなんです。まさか、こんなにすぐ辞められるとは思ってもなくて。さらに、この前、初めて“テレビ局のハシゴ”を経験しました。日テレさんからテレ東さんへと。しかも、その移動をタクシーでさせていただくという。僕たち、そして、マネージャーさんと3人でタクシーに乗って。その瞬間「これは売れたかもしれない!」とは思いました(笑)。

野澤:あとは、地方に行って、新幹線で戻ってきて、また東京で仕事があるみたいな流れも密かにうれしいポイントではありますね。これまでは、仕事がある日といっても、ライブが一つあるみたいな感じだったので、生活はガラッと変わりましたね。

―いやらしい話ですけど、実入りも良くなったのでは?

小野:1月にたくさんお仕事をさせてもらった中の一部が、既に2月分の給料にも反映されてたんですけど、リアルな話、これまでの8倍くらいの収入にはなってました。ただ、僕らはこれまで本当に収入がなかったので、もともとの数字がものすごく小さいんですけど…、それでもこれまでとは全然違う額なのでうれしいですけどね。
©ytv

左から野澤輸出、小野竜輔
―これまでお世話になってきた先輩などはいらっしゃいますか?

小野:僕はずっと「マヂカルラブリー」さんにお世話になってて、僕らのライブにもいつも出ていただいてたんです。
野田(クリスタル)さんはライブの度にすごく実戦的なアドバイスをくださいますし、プライベートでは村上さんにお世話になっています。個人的には、去年12月がすごくうれしい月だったんです。まず、僕らの「おもしろ荘」の収録が12日にありまして、そこで優勝できた。そして、20日に「M-1グランプリ」があって「マヂカルラブリー」さんが優勝された。ほぼ1週間でうれしいことが重なったので、すごく心が震えた1週間でもありました。「マヂカルラブリー」さんが優勝された時、初めて人の優勝で涙が出てきましたしね。

―それだけ思い入れが強かった?

小野:というのも、2019年の「M-1」準決勝、「マヂカルラブリー」さんはすごくウケてたんですけど、残念ながら決勝には進むことができなかったんです。そのタイミングで村上さんが「高円寺で一人で飲んでる」みたいなことをツイートして、それを見た僕は居てもたってもいられなくなって、すぐに高円寺に向かったんです。そこで一緒にお酒を飲みました。村上さんは、あんまり悔しいとかそんなことを口に出す方ではないんですけど、その時ははっきりと悔しさを出してらっしゃって。そして、翌年に優勝。そんな流れがあったので、僕も気づいたら涙が出てました。

―互いに「相方のここはすごい」と思うところはありますか?

小野:僕はお笑いの上で野澤は天才だと思っています。「マヂカルラブリー」の村上さんも「野澤は天才だから」と常に言ってくれて。お笑いが趣味でもありますし、特技がお笑いでもある。逆に言うと、お笑い以外はできない、お笑いにとことん特化した人なんですけど(笑)、純粋にそこはすごいと思います。毎日必ずネタの設定だとか、面白いフレーズだとか、そういうものをSNSにもアップしてますし、僕にも送ってきますし。この“毎日”という部分がすごいし、頑張ってこの期間だけやってみるとかじゃなく、ずっと続けていることが僕にはできないなと思います。

野澤:もう、それが日常になっちゃってますね(笑)。もう千日以上続けているので、寝る前に歯を磨くみたいな感じで、苦しいとは思わないというか。逆に、僕からすると、お酒の誘いとかがあったら、小野君は絶対に断らずに行ってるところは本当にすごいと思います。今はコロナ禍でなかなか難しいですけど、これまで本当にフットワーク軽く、あらゆるところに行って、あらゆる人とコミュニケーションをとってくれてますから。僕があまりそういうことをしないというか、まず誘われもしないんですけど(笑)、僕の分、それを何倍もやってくれているのは、大きいなと。

―互いを補完するというか、それぞれの得意分野がそれぞれを補っているというのは非常にバランスが良いですよね。

小野:ありがたいことに、本当に良い感じでコンビを組めているなとも思いますし、今年は「M-1」の決勝には行きたいと思っています。そのために、コロナ禍ではありますが、毎月のようにいろいろなライブを予定していますし、そこで鍛えて、年末には大舞台に立っていたいですね。願わくば、決勝に行って、まず最下位になって酷評されてから優勝できたら、面白いだろうなとは思います(笑)。

野澤:ま、既に「マヂカルラブリー」さんがやってるので、世間的なインパクトはかなり薄めになるだろうけど、「マヂカルラブリー」さんと話す時は、相当、盛り上がるだろうけどね(笑)。

■取材後記
スタイリッシュでハイセンス。それでいて、ソフトでかわいらしい。
食べ味の異なる“二つの要素”を併せ持つのがコンビの魅力だなと取材を終えて、改めて感じたことでした。
取材をしていても、こちらが質問したことに一つ一つ“うれしそうに”答えてくれました。
取材がまだ珍しいからということではなく、きちんと、人間関係を正確に、上手に作る。
その上、ネタの中には「何をするのか分からない」という良い意味の怖さもあり、それが色香につながってもいます。
売れるニオイしかない。
4年ほど前に「霜降り明星」を取材した時の思いと同じ香りを感じました。
3月21日に東京・ヨシモト∞ホールで開催する単独ライブ「竹お笑い」も話題になっています。
さらに、4月からはヨシモト∞ホールの看板芸人20組で構成される「ムゲンダイレギュラー」にも選出。
もう既に売れつつありますが、それこそ、今年の「M-1」の頃にはどのあたりまで“高度”を上げているのか。注目です。
執筆者プロフィール
中西 正男(なかにし まさお)
1974年生まれ。大阪府枚方市出身。立命館大学卒業後、デイリースポーツ社に入社。芸能担当となり、お笑い、宝塚などを大阪を拠点に取材。桂米朝師匠に、スポーツ新聞の記者として異例のインタビューを行い、話題に。2012年9月に同社を退社後、株式会社KOZOクリエイターズに所属し、テレビ・ラジオなどにも活動の幅を広げる。現在、朝日放送テレビ「おはよう朝日です」、読売テレビ・中京テレビ「上沼・高田のクギズケ!」などにレギュラー出演。また、Yahoo!、朝日新聞、AERA.dotなどで連載中。
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