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影山貴彦のウエストサイドTV【1】

TKO木下の全国進出を後押ししたのはあの人のコラムだった

影山貴彦 2019.04.09

大学卒業後、16年近く毎日放送(MBS)でテレビ・ラジオの番組企画・制作をした後、2002年春に同志社女子大学の教員になりました。39歳のときです。丸17年が過ぎました。とうとう放送マンのキャリアより長くなってしまいました。自分でも驚きです。
 放送局で番組を作ってた人間が、メディアを研究し、教える人間になることは、当時珍しかったんですね。新聞の記事になったりもしました。とりわけ私の専門が、エンターテインメントの見地からメディアを研究する「メディアエンターテインメント」ということもあるんでしょうか、ありがたいことに、大学以外にも色々とお仕事させていただいてます。書く方では、新聞・雑誌等にコラムを連載してますが、この「ウエストサイドTV」が、記念すべき月間10本目!。心から感謝です。
 当コラムでは、そんな私がテレビに関して日頃思っていることを堅苦しくなく綴って参りたいと思ってます。タイトルの「ウエストサイド」には、自らが過ごす関西からの視点を忘れずに、という意味を込めました。とはいえ「西」のテイストが染みついた自分ですから、普通に書いてるつもりでもそうなるでしょうが。末永くお付き合いくださいませ。
 さて。4月4日にスタートしたドラマ「向かいのバズる家族」、面白いですね。ネット社会へのメッセージがテーマになってるという意味では、大きな話題となった菅田将暉さん主演の「3年A組 今から皆さんは人質です」に似ているかもしれません。「バズる家族」は、家族がSNSに翻弄され、やがて家庭崩壊の危機に瀕するというストーリーです。主演の内田理央さんのお父さん役を演じているのが、TKOの木下隆行クン。ドラマプロデューサーの役どころで、どうやらこの人にも家族の知らない一面がありそうです。
 木下クンとは、コンビの木本武宏クンともども20年以上の付き合いになります。何度かの挑戦を経て東京進出を成功させ、現在の地位を築きました。木下クンの「鶴瓶師匠のモノマネ」が、成功のきっかけを作ったのはよく知られてますが、実はTKOが全国的にあまり知られていなかった頃、木下クンに注目した人がいました。あの!三谷幸喜さんです。彼が今も新聞に連載を続ける人気コラムで、たまたまテレビで見た木下クンのことを絶賛したのです。そのコラムを読み、私はすぐに木下クンに連絡しました。
 「三谷さんが絶賛してるでっ!これはエラいことやでっ!」と、私は興奮しまくりでしたが、当の木下クンは事の大きさにあまりピンときてないようでした。やがて時間差で、
「影山さん!(所属事務所の)松竹芸能の人が新聞買いまくってます。教えてくださり、ありがとうございました!」と、喜びのスイッチの入った連絡が届きました。そこから三谷さんの作品に木下クンは起用され、TKOの人気も関西から全国へと広がります。
 どんな世界も、究極は人と人との繋がりですが、特にメディアの世界はそうだなと感じます。TKO東京進出成功の陰に三谷幸喜さんのコラムあり、というお話でございました。 
執筆者プロフィール
影山貴彦 かげやま・たかひこ
同志社女子大学メディア創造学科教授(メディアエンターテインメント)
コラムニスト
元毎日放送(MBS)プロデューサー・名誉職員
ABCラジオ番組審議会委員長
上方漫才大賞審査委員
著書に「テレビのゆくえ」「おっさん力(ぢから)」など
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