埼玉の県民熱愛チェーン!「るーぱん」で味わうピザと青春、ってどういうこと?

2020.11.07

埼玉の県民熱愛チェーン!「るーぱん」で味わうピザと青春、ってどういうこと?
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日本には全国各地にその地域特有のおいしいチェーン店がある。埼玉県民の熱愛チェーン店といえば「るーぱん」の名が挙がる。「るーぱん」?それいったい何のお店?
埼玉県で聞いて回ると、とにかくみなさん「知ってる!」「行ったことある!」「おいしい!」「安い!」と勢いよく答えてくれる。「ピザのお店!」「パスタやグラタンも!」「シックな内装」と、ピザを中心にしたちょっと素敵なお店らしいことがわかってくる。
それはいいのだけど「告白する場所!」「青春の1ページ」となどと言い出す人もいる。うーん、それはどんなお店なの?
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埼玉県内に8店舗を展開する「るーぱん」の熊谷店に行ってみるとなるほど、アメリカンダイナーっぽい店内はちょっとオシャレな空気。一方ドリンクバーもあってファミレスっぽくもある。注文するお客さんを観察すると不思議な言葉が聞こえてくる。
「るーぱんミックスをドリームで!」「シーフードをハッピーで!」前半はともかく、後半のドリームとかハッピーって何なの?聞くとこれはサイズのことらしい。大きい方がドリーム、小さい方がハッピーなのだそうだ。普通にSとかLでいいんじゃないの?でもそれが「るーぱんルール」なんだって!ドリームは1000円強、ハッピーは600円台で確かに超安いぞ!
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安くておいしいとお客さんたちは口々に言う。「外はパリッと、中はモチモチ!」「クリスピーな食感がいい!」とみなさん大激賞。オーダーを受けてから生地を伸ばして焼く作り方で、意外といっては失礼だけど本格的なのだ。
パスタも人気で、でもオーダーのほとんどが「ボンゴレ赤」なのだそうだ。出てきた器を見ると、赤いトマトソースがひたひたのスープパスタっぽい。甘さと酸っぱさにアサリのダシも効いていておいしいんだって。ソースをからめてみなさんおいしそうに堪能している。ソースは余りがちで、通はピザにつけて平らげている。またバターライスを注文しておじやのように食べちゃう人もいた。
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さらに独特なのがサラダ。「アンチョビドレッシングがおいしい!」とみなさん強調する。出てきたサラダを見ると目が点になってしまった。「お待ちどうさま、イカ納豆サラダです」ってイカ納豆?和食かよ!これにアンチョビドレッシングをたっぷりかけて食べるのがおいしいらしい。ビールをプハッと飲む人もいて、居酒屋みたいだなあ。
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この「るーぱん」、二代目社長・小島雄樹さんによると、六本木のピザの名店「ニコラス」で修業したお父様が、昭和48年に埼玉でもピザを食べてもらいたいとはじめたお店だという。まだピザ専門店が珍しかったその当時に、狙い通り埼玉県民がハマって定着したのだ。おいしかっただけでなく、ダイナー風の店内で新しい食べもの、ピザを食べることが当時の若者たちにはたまらなかったのだろう。
「るーぱん」を熱く語る埼玉県民は多い。ある男性は「学校からまっすぐ帰るのが悔しい自分たちの居場所」だったと思い出しながら語る。「学生の頃は秘密基地だった」のだそうだ。
また、ある女性は子どもの横でこんなことを語ってくれた。「やっぱ青春なのかな。好きな人についての相談を学校ではできなくてここでコソコソ話す。好きな人が来ると柱の角度がいい感じで、覗いてました。学校じゃ味わえない楽しさを教えてくれた。るーぱん、ありがとう」とお礼まで言っちゃう。
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そんな風に、思い出というスパイスが加わることで、「るーぱん」のピザは埼玉県民にとっていっそうおいしく感じるのだろう。だから「青春の1ページ」なんだな。令和の青春も、支えてくれているんだろうね。

【文:境 治】
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