信長・秀吉・家康、三英傑はどの県のもの?愛知vs岐阜・大阪・静岡大合戦!

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三英傑とは織田信長、豊臣秀吉、徳川家康、三人の歴史に残る戦国武将のこと。いずれも愛知県生まれなので、愛知の人は三人とも自分たちの偉人だと主張する。だが信長については岐阜、秀吉は大阪、家康は静岡の人も黙ってはいない。活躍したのはこっちだと言って譲らない。

果たしてそれぞれどちらのものか、三英傑を巡る4つの府県の合戦が始まった。ちょうど7月から始まるドラマ「新・信長公記」で信長を演じるKing & Princeの永瀬廉も加わって、戦いは盛り上がる!

愛知県民は「他の所、三人います?」といきなり上から目線。「秀吉は愛知で生まれたから天下取った」とか「信長が生きてたら世界制覇」とか、とにかく余裕をかます。一方、信長を愛する岐阜県民は「岐阜は信長が名付けた地名」と主張し、「愛知は生まれただけ」と挑戦的だ。

via ©ytv
静岡県民も「浜松市のマスコットは家康くん」と家康愛をアピール。「自分が死んだら久能山東照宮に亡骸を入れてくれと言った。愛知に戻りたくなかったから」と愛知をディスってきた。大阪府民は秀吉は自分たちのものと言い張る。「愛知がおもろなかったから大阪へ来たんちゃいます?」とマウントを取りに来た。

まず岐阜・愛知それぞれの県民の信長愛を調査しよう。
愛知県には「なんでもかんでも信長つけとけ」と言うほどあやかった店や商品が多い。信長ラーメン、信長屋総本家、信長食堂、学習ノートの表紙が信長で、信長満願クレープもあった。

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だが岐阜には愛知に負けず劣らず、信長にあやかったモノがいっぱい。岐阜駅前には金の信長像があり、街を信長ラッピングバスが通る。驚くのが信長バナナだ。岐阜県民は「食べなきゃ切腹」と誇る。「アクアファームぎなん」というバナナ農園があるのだ。実は、日本で最初にバナナを食べたのが信長で、宣教師ルイス・フロイスが献上したという。その信長バナナ、1本300円越えの高級品。

今度は秀吉をめぐり、愛知と大阪が火花を散らす。愛知県民は大阪府民を「図々しいな」とディスりつつ、太閤通りの存在をアピール。秀吉の生家が名古屋駅の新幹線側にあり、そっちの入り口を太閤通口と呼ぶ。またその名もズバリの「豊臣小学校」は秀吉の家紋が校章、校歌にも歌い込まれ、茶室まである。

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一方、大阪にはなんと、秀吉が造った下水がある。今も太閤下水と呼ばれ現役で使われているのだ。またお好み焼き屋さんに秀吉時代の石垣が残っているのも驚きだ。大阪城の空堀だった場所にできたので、お店の中でその石垣に手で触れることもできる。

そして家康愛を愛知と静岡が競い合う。生地岡崎市の岡崎東駅には家康の銅像がある。これを愛知県民「すごいです!マジすごいです!」とアピール。実際、めっちゃでかい!高さ9.5mで、その費用1億2204万円はほとんどが市民の寄付だという。熱い家康愛の証だ。
静岡も負けてはいない。浜松城の周りには家康さんの散歩道があり「毎日でも家康さんを感じられる」と静岡県民はドヤ顔で言う。合戦の後、鎧を掛けて一休みしたという鎧掛け松もあり、確かに家康の気持ちが伝わりそう。晩年を過ごした駿府城後には家康お手上のみかんが現存し、収穫すると無料で配布されるそうだ。
愛知県側で家康愛を示すのは、岡崎市の大樹寺小学校の「家康に学び家康を超える」学習だ。なんと家康の遺訓を教えていると言う。10数名の小学生たちに言ってもらうと、声を合わせてこう言った。
「人の一生は重荷を負て遠き道をゆくが如しいそぐべからず
不自由を常とおもへば不足なしこころに望おこらば困窮したる時を思ひ出すべし
堪忍は無事超級の基いかりは敵とおもへ
勝事ばかり知てまくる事をしらざれば 害其身にいたる
己を責て人をせむるな 及ばざるは過ぎたるよりまされり」
こんなに長い文章を覚えるなんてすごい!

それぞれの武将と地域との関わりをするのは面白い。知れば知るほど、三英傑をめぐる熱い戦いには決着つけようがないよね。

【文:境治】